大久保利通関係資料とは:歴博が保管する3,053点
大久保利通関係資料(おおくぼとしみちかんけいしりょう)は、千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館(歴博)が保管する江戸時代から明治時代の歴史資料3,053点で、平成16年(2004年)6月8日に重要文化財に指定された。
文化庁の解説によると、幕末から維新期の政治の中心にいて、新政府の指導者として明治国家を築いた大久保利通(1830年から1878年)の政治思想と活動を知ることができる一括資料である。所有者は大学共同利用機関法人人間文化研究機構。
内訳は、書状類2,620点、文書・記録類231点、書跡類128点、遺品類74点である。同じ日に、鹿児島県が所有し鹿児島県歴史資料センター黎明館が保管する1,650点も、同じ名称で重要文化財に指定されている。
大久保利通関係資料の中身
書状類には、大久保の政治的な立場を映す往来の書簡が多い。文化庁は差出人として、三条実美、岩倉具視、木戸孝允、伊藤博文、山県有朋、大隈重信、江藤新平、勝海舟らを挙げ、薩摩藩の関係では西郷隆盛、寺島宗則、松方正義、小松帯刀らの名を記している。
明治11年(1878年)5月14日、大久保は東京の紀尾井町で石川県士族の島田一郎らに暗殺された。そのとき所持していた東京府知事楠本正隆からの書簡も含まれており、血痕が付いている。
文書・記録類には日記と意見書がある。日記は安政6年(1859年)12月から明治10年(1877年)3月まで、断続的に6冊が伝わる。意見書・建議案には、生麦事件の事後処理案、江戸開城後の徳川宗家の扱いについて三条・岩倉に宛てたもの、安積疎水の開削をはじめとする殖産興業の建白書などがある。
書跡類・遺品類には、書幅や書額、筆、硯、煙管、碁石、燭台、石鹸入、歯ブラシなどの日用品のほか、「甲東」「内務卿大久保利通印」の印章がある。
大久保利通関係資料が重要文化財である理由
文化庁は大久保利通関係資料を、先に指定された坂本龍馬関係資料(平成11年〈1999年〉指定)、岩倉具視関係資料(平成12年〈2000年〉指定)とともに、幕末から維新期の政治史の基本資料として貴重だと評価している。
歴博の保管分と鹿児島県の所有分は、ともに大久保家に伝わった資料である。明治22年(1889年)、東京の芝二本榎にあった大久保邸は火災に遭ったが、これらの資料は運び出されて難を逃れ、書状の一部に焼け跡が残っている。文化庁は、大久保家に伝来した経緯を踏まえ、両者をともに指定したと説明している。
大久保家は早くから資料の価値を認め、日記と書状を『大久保利通日記』『大久保利通文書』として昭和2年から5年(1927年から1930年)に刊行した。大久保宛ての書状も『大久保利通関係文書』として昭和40年から46年(1965年から1971年)に刊行されている。
大久保利通関係資料の見どころ
実物を前にしたら、まず書状の差出人を確かめたい。西郷隆盛や木戸孝允といった同時代の指導者の筆跡が、大久保宛ての手紙として一か所に集まっている。
暗殺の日に携えていた楠本正隆の書簡は、大久保の最期と直接結びつく一通である。一方、日記は日々の天候と出来事を淡々と記したもので、文化庁はそこに大久保の沈着な性格がうかがえるとしている。歯ブラシや石鹸入といった日用品も、政治家の暮らしぶりを具体的に伝える。
大久保利通関係資料の見学方法
歴博は、企画展示「大久保利通とその時代」で本資料から選んだ約160点を公開したことがある。常時の展示については公式な案内が見当たらないため、来館前に歴博の展示予定を確かめたい。
歴博の開館時間は、3月から9月が午前9時30分から午後5時、10月から2月が午前9時30分から午後4時30分で、入館は閉館の30分前まで。月曜日(休日の場合は翌平日)と年末年始が休館となる。入館料は一般900円、大学生500円、高校生以下は無料で、企画展示は別に料金が定められる。
交通は、京成上野駅から京成本線の特急で約55分の京成佐倉駅から徒歩約15分、またはバス約5分。JR東京駅から総武本線の快速で約60分の佐倉駅からは、バスで約15分である。無料の駐車場がある。
Q&A
- 大久保利通関係資料はどこで見られますか?
- 千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館が保管しています。常時展示の案内はないため、展示予定を確認してください。
- 大久保利通関係資料は何点ありますか?
- 歴博の保管分は3,053点です。鹿児島県所有分の1,650点も、同じ名称で重要文化財に指定されています。
- 大久保利通関係資料にはどんな資料がありますか?
- 西郷隆盛・木戸孝允・岩倉具視らからの書状、日記6冊、意見書、印章や歯ブラシなどの遺品です。
- 大久保利通関係資料に血痕の付いた手紙があるのは本当ですか?
- はい。暗殺の日に所持していた東京府知事楠本正隆からの書簡に血痕が付いています。
- 国立歴史民俗博物館の入館料は?
- 一般900円、大学生500円、高校生以下は無料です。企画展示は別料金です。
基本情報
| 名称 | 大久保利通関係資料(おおくぼとしみちかんけいしりょう) |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県佐倉市城内町117(国立歴史民俗博物館) |
| 指定区分 | 重要文化財(歴史資料) |
| 指定年 | 平成16年(2004年)6月8日指定 |
| 員数 | 3,053点(書状類2,620点、文書・記録類231点、書跡類128点、遺品類74点) |
| 寸法 | 一括資料のため全体の寸法はない |
| 所有者 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構 |
| 公開状況 | 展示替えにより公開。歴博は午前9時30分開館、一般900円 |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「大久保利通関係資料」(国立歴史民俗博物館保管)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/00010617
- 文化遺産オンライン「大久保利通関係資料」(国立歴史民俗博物館保管)
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/135907
- 文化庁 国指定文化財等データベース「大久保利通関係資料」(鹿児島県所有)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/00010650
- 国立歴史民俗博物館「開館時間・入館料」
- https://www.rekihaku.ac.jp/information/basicinfo/
- 国立歴史民俗博物館「アクセス」
- https://www.rekihaku.ac.jp/information/access/
- 国立歴史民俗博物館「大久保利通とその時代」
- https://archive.rekihaku.ac.jp/exhibitions/project/old/151006/index.html
最終更新日: 2026.09.27