金色堂の中に置かれた道具 ― 1958年に国宝
中尊寺金色堂堂内具は、岩手県西磐井郡平泉町の中尊寺金色堂にある平安時代の仏具で、1958年(昭和33年)2月8日に国宝に指定された。それに先立つ1951年(昭和26年)6月9日には重要文化財となっている。種別は工芸品、指定番号は00219。所有は金色院、管理団体は宗教法人中尊寺である。
指定の対象は堂の中に置かれた道具であって、建物ではない。金色堂そのものは建造物として別に指定されている。名称の「堂内具」がその区別を示す。
文化庁は員数欄を空欄とし、解説文も持たない。評価の言葉は記録されていない。内容は一つ書に列挙されている。
一つ書に14点
文化庁の一つ書は次のとおりである。木造礼盤1基、螺鈿平塵案3基、磬架1基、金銅幡頭3枚、金銅華鬘(迦陵頻伽文)6枚。合計14点になる。
礼盤は導師が座る台、案は供物などを置く机、磬架は磬を吊る架である。いずれも法会を営むための道具にあたる。
幡頭は幡(旗)の上端に付ける金具、華鬘は堂内に吊る装飾で、こちらは堂を荘厳するための品である。
螺鈿平塵案が3基、金銅幡頭が3枚、金銅華鬘が6枚と、同じ品が複数まとまっている。単品ではなく組として伝わっていることが、この指定の性格を示す。
孔雀文磬は「附」として指定されている
文化庁の記録には、一つ書とは別に「附指定」の欄がある。附名称は孔雀文磬、附員数は一面である。
附指定は、本体の指定に付属するものとして扱う仕組みである。一つ書に並ぶ14点とは扱いが異なり、本体に附属する形で指定されている。
磬は法会の際に磬架に懸けて打ち鳴らす仏具である。一つ書に磬架があり、附指定に磬がある。架は本体、掛ける磬は附という配分になっている。
孔雀文磬という名の国宝は他にもある。大分県の宇佐神宮が伝えるものは独立した国宝で、こちらは附指定である。同じ名でも指定の扱いが異なるので、資料を参照する際は所在地と指定の区分を確かめたい。
所有者と管理団体が異なる
文化庁は所有者名を「金色院」、管理団体を「宗教法人中尊寺」とする。
所有する主体と、管理する主体が別に記録されている。金色院は金色堂を管理してきた院家で、中尊寺はその上位にあたる寺院である。
金色堂は覆堂の中に納められており、堂内具はその内部にある。建物が二重になっているため、外から堂内具を見ることはできない。
中尊寺は世界遺産「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」の構成資産である。世界遺産の登録と、堂内具の指定は別の制度なので、混同しないようにしたい。
拝観
金色堂は覆堂の中にあり、拝観料が必要である。堂内具は堂の内部にあるため、拝観の際に見ることになる。
拝観時間と拝観料は季節により変わることがあるため、訪問前に中尊寺の案内で確認したい。14点すべてが常に見える位置にあるとは限らない。
金色堂の内部はガラス越しの拝観となる。近づいて細部を見ることはできないので、華鬘の迦陵頻伽文や案の螺鈿は、遠目に確かめることになる。
交通はJR東北本線の平泉駅から徒歩約25分、またはバスを利用する。
Q&A
- 中尊寺金色堂堂内具はいつ国宝に指定されましたか。
- 1958年(昭和33年)2月8日です。それに先立つ1951年(昭和26年)6月9日に重要文化財となっています。種別は工芸品、指定番号は00219。所有は金色院、管理団体は宗教法人中尊寺です。
- 何が含まれますか。
- 文化庁の一つ書は、木造礼盤1基、螺鈿平塵案3基、磬架1基、金銅幡頭3枚、金銅華鬘(迦陵頻伽文)6枚を挙げ、合計14点になります。礼盤・案・磬架は法会を営むための道具、幡頭と華鬘は堂を荘厳するための品です。
- 孔雀文磬は含まれますか。
- 一つ書ではなく「附指定」として一面が記録されています。附指定は本体の指定に付属するものとして扱う仕組みで、一つ書の14点とは扱いが異なります。一つ書に磬架があり、それに懸ける磬が附という配分です。
- 金色堂そのものも含まれますか。
- 含まれません。指定の対象は堂の中に置かれた道具であって建物ではなく、金色堂そのものは建造物として別に指定されています。名称の「堂内具」がその区別を示しています。
- 堂内具は見られますか。
- 金色堂は覆堂の中にあり、拝観料が必要です。堂内具は堂の内部にあるため拝観の際に見ることになりますが、内部はガラス越しの拝観で近づいて細部を見ることはできません。14点すべてが常に見える位置にあるとは限りません。
基本情報
| 名称 | 中尊寺金色堂堂内具(ちゅうそんじこんじきどうどうないぐ) |
|---|---|
| 所在地 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関 中尊寺金色堂 |
| 指定区分 | 国宝(工芸品)/指定番号00219/孔雀文磬1面は附指定/金色堂は建造物として別に指定 |
| 指定年 | 1951年(昭和26年)6月9日 重要文化財/1958年(昭和33年)2月8日 国宝 |
| 員数 | 文化庁の員数欄は空欄。一つ書は木造礼盤1基、螺鈿平塵案3基、磬架1基、金銅幡頭3枚、金銅華鬘6枚を挙げ、あわせて14点 |
| 寸法 | 文化庁の寸法欄と品質・形状欄はいずれも空欄。礼盤・案・磬架は法会を営むための道具、幡頭と華鬘は堂を荘厳するための品。平安時代 |
| 所有者 | 金色院(管理団体は宗教法人中尊寺) |
| 公開状況 | 金色堂は覆堂の中にあり拝観料が必要。内部はガラス越しの拝観となる |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース 中尊寺金色堂堂内具
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/515
- 文化遺産オンライン 中尊寺金色堂堂内具
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/197560
- 中尊寺 金色堂
- https://www.chusonji.or.jp/know/konjikido.html
- 中尊寺 拝観のご案内
- https://www.chusonji.or.jp/worship/
最終更新日: 2026.09.04