平林城跡とは:色部氏が構えた居館と山城
平林城跡は、新潟県村上市にある中世の国人領主色部氏の居館と山城の跡で、昭和53年(1978年)に国の史跡に指定された。
文化庁の解説によると、色部氏は北越後の小泉庄加納を領し、平林城を拠点に色部条・牛屋条と日本海の粟島を治めた。鎌倉時代の地頭の居館を起源とし、室町時代を通じて大きな変動なく所領支配を続け、戦国時代には国人領主として北越後で重きをなした。
慶長3年(1598年)、上杉景勝の会津転封に伴って色部氏が本領を離れると、平林城は廃城となった。村上市は、その後に大きな土地の改変がなかったため中世の遺構がよく残る、まれな山城跡だと説明している。
指定の理由:良好に残る中世城館の構造
遺構は、標高281メートルの要害山(古名は加護山)とその西北麓にある。麓の館跡は平野に面した西側を大手とし、大きく3つの郭に分かれる。西南の最も大きな郭は「岩館」と呼ばれる東西に長い長方形で、北西の隅に虎口を開く。その東にもう一つの郭が続き、さらに東に「殿堀」と呼ばれる空堀がある。
昭和49年(1974年)の新潟県教育委員会の発掘調査では、殿堀に架けられた木橋の橋脚が見つかった。橋を渡った先が「殿屋敷」と呼ばれる館の中心の郭で、館跡の最も奥に当たる。詰城の置かれた要害山は館跡から山頂まで1.7キロメートルあり、途中に水場や「物見山」「のろし山」などの要所がある。山頂は2段に削平され、東の尾根には2か所の堀切が残る。
文化庁は、これらの遺構がきわめて良好に保存され、鎌倉時代の地頭の居館を起源とする城館遺跡として中世史を理解するうえで格好の資料になると評価している。
見どころ:殿堀と要害山
平林城跡の館跡では、まず殿堀の位置を確かめたい。空堀を隔てた奥に殿屋敷があり、木橋を渡って主郭に入る構造だったことが、地形から読み取れる。村上市は、見通しを確保するための杉の伐採などの整備を進めている。
体力があれば要害山へ登りたい。水場や物見の地点を経て山頂の削平地と堀切に至る道は、居館と詰城を一体で構えた中世の城のあり方を歩いて確かめられる道でもある。村上市によると、慶長2年(1597年)の「越後国瀬波郡絵図」には館に塀と櫓門が描かれ、背後の山城は「加護山古城」と記されており、そのころにはすでに山城は使われていなかったとみられる。
平林城跡の見学方法
平林城跡は屋外の史跡で、見学に料金はかからない。村上市によると、史跡見学者と要害山の登山者のための休憩施設として、軒ひろばと史跡資料展示室を併設したトイレがある。開館時間は午前8時30分から午後5時までで、12月から3月上旬の冬季は閉鎖される。駐車場は普通車13台、軽自動車2台、障害者用1台分である。
要害山は山道なので、登る場合は歩きやすい靴と飲み水を用意したい。問い合わせ先は村上市生涯学習課文化行政推進室(0254-53-7511)である。
Q&A
- 平林城跡とはどのような史跡ですか?
- 新潟県村上市にある、中世の国人領主色部氏の居館と山城の跡です。昭和53年(1978年)に国の史跡に指定されました。
- 平林城はいつ廃城になりましたか?
- 慶長3年(1598年)、上杉景勝の会津転封に伴って色部氏が本領を離れたときに廃城となりました。
- 平林城跡の見どころは?
- 麓の館跡の岩館や殿堀、殿屋敷と、標高281メートルの要害山の山頂に残る削平地と堀切です。
- 平林城跡に駐車場やトイレはありますか?
- 史跡資料展示室を併設したトイレと、普通車13台分などの駐車場があります。施設は冬季(12月から3月上旬)は閉鎖されます。
- 平林城跡の要害山にはどのくらいで登れますか?
- 館跡から山頂までは1.7キロメートルあり、途中に水場や物見の地点があります。山道なので歩きやすい装備で登ってください。
基本情報
| 名称 | 平林城跡(ひらばやしじょうあと) |
|---|---|
| 所在地 | 新潟県村上市 |
| 指定区分 | 史跡 |
| 指定年 | 昭和53年(1978年)9月18日指定 |
| 員数 | 1件 |
| 寸法 | 要害山(標高281メートル)と西北麓の館跡、館跡から山頂まで1.7キロメートル |
| 所有者 | 管理団体 村上市 |
| 公開状況 | 屋外の史跡。見学無料。展示室併設トイレは午前8時30分から午後5時(冬季閉鎖) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「平林城跡」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/401/876
- 文化遺産オンライン「平林城跡」
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/161038
- 村上市「国指定史跡 平林城跡」
- https://www.city.murakami.lg.jp/soshiki/80/shiseki-hirabayashi.html
最終更新日: 2026.09.27