主屋と蔵 ― 1974年に重要文化財

福田家住宅(鳥取県鳥取市紙子谷)は、鳥取県鳥取市紙子谷60番地にある建造物で、1974年(昭和49年)2月5日に重要文化財に指定された。国宝ではなく、重要文化財としての指定である。

文化庁は、福田家住宅は鳥取平野南端、谷筋の紙子谷集落に所在する、と記す。福田家は近世には大庄屋に匹敵する家格を有し、主屋は17世紀前期の建設とみられ、鳥取県内で最古級の農家住宅として重要文化財に指定されている、とする。

のちに土蔵2棟が加わった。主屋の南に上の蔵、主屋の西背後に下の蔵が建つ。

ふりがなに、括弧の中身も入っている

読みの欄が、名称の括弧まで拾っている。

上の蔵のふりがなは、ふくだけじゅうたく(とっとりけんとっとりしかごだに)かみのくらである。

括弧のなかの所在地にも読みが与えられている。しかも紙子谷はかごだにと読む。

旧筑後川橋梁(筑後川昇開橋)では、ふりがながきゅうちくごがわきょうりょうのみで、括弧の中身は落ちていた。旧名手本陣妹背家住宅(和歌山県那賀郡那賀町)でも、ふりがなは括弧の外だけである。

本件は括弧のなかまで読みが付いている。刀〈金象嵌銘来国光スリ上/本阿(花押)〉では山括弧も斜線も再現されていた。

ふりがなの与え方は物件ごとに違い、これで6型目になる。福田家住宅という名称は全国に多くあり、括弧の所在地が区別の手がかりになっている。

解説の一文に、丸括弧のふりがなが三つ入る

本文のなかに読みが繰り返しあらわれる。

文化庁は、主屋の南には文(ぶん)政(せい)元年(1818)建設の上の蔵、と記す。

続けて、要所を海鼠(なまこ)壁(かべ)や鏝(こて)絵(え)で飾るなど家格にふさわしい意匠を持つ、とする。

文政、海鼠壁、鏝絵の三つに丸括弧の読みが添えられている。一つの解説文のなかで三か所である。

若戸大橋では、風(かぜ)荷重(かじゅう)と戸畑(とばた)の二か所だった。金銅錫杖頭と撃蒙抄は隅付き括弧で一か所ずつである。

本件は丸括弧で三か所となり、これまでで最も多い。

土地とともに、あとから追加して指定された

守る範囲が、あとから広げられている。

文化庁は、福田家の土蔵2棟は、限りある宅地を巧みに利用した上層農家の屋敷構えを伝える重要な建物であり、土地とともに追加して指定して一体的な保護を図る、と結ぶ。

追加して指定して、とある。主屋がすでに指定されていたところへ、土蔵2棟と土地が加えられたことになる。

旧小西家住宅では、奥庭を含む宅地も、併せて保存を図る、とされていた。あちらは当初からの範囲である。

本件は追加である。土蔵だけでなく土地も一緒に加えられている。

旧筑後川橋梁(筑後川昇開橋)では、登録から指定へ制度をまたいで移った。本件は同じ指定のなかで範囲が広がっている。

見学

所在は鳥取県鳥取市紙子谷60番地である。当サイトの記録では所有者名の欄が空である。

建てられた年が大きく離れる。主屋は17世紀前期、上の蔵は文政元年(1818年)、下の蔵は文政6年(1823年)頃である。

主屋と蔵で約200年の開きになる。旧名手本陣妹背家住宅では、一つの主屋のなかで27年の開きがあった。石谷家住宅では、主屋が昭和、蔵が大正だった。本件は開きが最も大きい。

上の蔵は土蔵造、桁行14.4メートル、梁間3.9メートル、二階建、北面庇付、桟瓦葺とされる。

個人の住宅であり、公開については所有者の定めによる。訪問前に確認したい。

Q&A

Q福田家住宅はいつ指定されましたか。
A1974年(昭和49年)2月5日に重要文化財へ指定されました。国宝ではなく重要文化財で、のちに土蔵2棟と土地が追加して指定されています。
Q紙子谷はどう読みますか。
Aかごだにです。ふりがなの欄は「ふくだけじゅうたく(とっとりけんとっとりしかごだに)」と、名称の括弧のなかまで読みが付いています。
Qいつ建てられたのですか。
A主屋は17世紀前期、上の蔵は文政元年(1818年)、下の蔵は文政6年(1823年)頃です。主屋と蔵で約200年の開きがあります。
Q何が評価されているのですか。
A文化庁は主屋を「鳥取県内で最古級の農家住宅」とし、土蔵2棟を「限りある宅地を巧みに利用した上層農家の屋敷構えを伝える重要な建物」と記します。
Qどのような装飾がありますか。
A文化庁は「要所を海鼠壁や鏝絵で飾るなど家格にふさわしい意匠を持つ」と記します。海鼠壁は平瓦を貼り目地を漆喰で盛り上げる仕上げをいいます。

基本情報

名称福田家住宅(鳥取県鳥取市紙子谷)(ふくだけじゅうたく(とっとりけんとっとりしかごだに))/ふりがなは括弧のなかまで付く
所在地鳥取県鳥取市紙子谷60番地
指定区分重要文化財(建造物・近世以前その他)/国宝ではない/土蔵2棟と土地は追加して指定
指定年1974年(昭和49年)2月5日 重要文化財
員数主屋のほか、上の蔵と下の蔵が各1棟
寸法主屋は17世紀前期の建設とみられる。上の蔵は1818年の建設で、土蔵造、桁行14.4メートル、梁間3.9メートル、2階建、北面庇付、桟瓦葺。下の蔵は1823年頃の建設。要所を海鼠壁や鏝絵で飾る
所有者当サイトの記録では所有者名の欄が空
公開状況個人の住宅で、公開は所有者の定めによる

参考文献

文化遺産オンライン 福田家住宅(鳥取県鳥取市紙子谷) 上の蔵
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/377587
文化遺産オンライン 福田家住宅(鳥取県鳥取市紙子谷) 下の蔵
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/400278
鳥取県 とっとり文化財ナビ
https://db.pref.tottori.jp/
文化庁 国指定文化財等データベース
https://kunishitei.bunka.go.jp/

最終更新日: 2026.09.07