1件の庭園 ― 1987年に国の指定

玉川寺庭園は、山形県鶴岡市羽黒町玉川字玉川35の内ほかにある寺院の庭園で、1987年(昭和62年)8月1日に国の指定を受けた。区分は名勝である。

ふりがなは、ぎょくせんじていえんである。所有は玉川寺である。

山形県は、羽黒山西南麓の笹川扇状地、玉川の国見山玉川寺にある蓬莱型庭園である、と記す。蓬莱型は、仙人の住む島を池の中に表す庭の形をいう。

作った人と、直した人が別である

一つの庭に、立場の違う二人の手が入っている。

山形県は、享徳4年(1455年)、武藤氏の請により南栄謙宗禅師が同寺を再興した折庭園を作庭、と記す。

続けて、その後正保5年(1648年)に羽黒別当天宥が修築、幾度かの改修を経て江戸後期に完成したとされる、とある。

作ったのは寺を再興した禅師で、手を加えたのは羽黒の別当である。別当は、寺社の務めをまとめる役をいう。

1455年の作庭から193年後に修築があり、完成は江戸後期とされる。作り始めから仕上がりまで、数百年にわたることになる。

備後国府跡では、成立から衰退までの変遷が遺構から読み取られた。本件は、作られ続けた過程が記録に残る。

五つの池を、三つの中島がつなぐ

池が一つではなく、いくつもに分かれている。

山形県は、園池は山を背にして、小丘を築き、瓢箪池等5つの池を3つの中島で繋ぎ、大小の立石と石燈が配置されている、と記す。

中島は池のなかに設ける島をいう。本件では島が池と池とのつなぎ目になる。

瓢箪池は、くびれのある形の池をいう。五つの池のうちの一つとして名が挙げられる。

姫島の黒曜石産地では、島が七つの火山に分けて数えられた。あちらは自然の地形の数である。

本件は、人が掘った池と築いた島の数になる。五と三という数で、庭の骨組みが示されることになる。

植栽が、イチイを中心とする

庭の木が、この土地の色合いで選ばれている。

山形県は、植栽はイチイを中心に、ツツジ、カエデ、枝垂ザクラ等、地方色豊かである、と記す。

イチイは針葉樹の一種である。それが中心に据えられ、花や紅葉の木が添えられる。

慈光院庭園では、遠くの山並みを庭の景色に取り込む借景が評価された。あちらは庭の外を使う。

本件は、庭の内の木々が地方の色を示す。

山形県は、本園は随所に工夫を凝らした配慮があり、豊かな自然美と調和した庭景となっている、と結ぶ。

見学

所在は山形県鶴岡市羽黒町玉川字玉川35の内ほかで、所有は玉川寺である。

山形県は、庭園は本堂、庫裏の東側にあり、山裾までの東西約30メートル、南北約60メートルの広さである、と記す。南北に長く、山裾に沿って延びる。

山形県の資料では、公開の有無を有としている。

文化遺産オンラインの当該ページには、名称、ふりがな、区分、所在地、指定年月日が並ぶ。本記事の記述は、山形県の資料によっている。

寺院の境内にある庭園であり、拝観の時間や条件は所有者の定めによる。訪問前に確認したい。

Q&A

Q玉川寺庭園はいつ指定されましたか。
A1987年(昭和62年)8月1日に国の指定を受けました。区分は名勝です。
Q誰が作ったのですか。
A山形県は、享徳4年(1455年)に南栄謙宗禅師が寺を再興した折に作庭し、正保5年(1648年)に羽黒別当天宥が修築したと記します。
Q池はいくつありますか。
A山形県は「瓢箪池等5つの池を3つの中島で繋ぎ」と記します。
Qどのような木が植えられていますか。
A山形県は「植栽はイチイを中心に、ツツジ・カエデ・枝垂ザクラ等、地方色豊かである」と記します。
Qどのくらいの広さですか。
A本堂、庫裏の東側にあり、山裾までの東西約30メートル、南北約60メートルの広さです。

基本情報

名称玉川寺庭園(ぎょくせんじていえん)
所在地山形県鶴岡市羽黒町玉川字玉川35の内ほか
指定区分名勝/建造物や美術品ではなく庭園としての指定
指定年1987年(昭和62年)8月1日 指定
員数1件の庭園。5つの池と3つの中島からなる
寸法本堂・庫裏の東側にあり、山裾までの東西約30メートル、南北約60メートル。1455年に作庭、1648年に修築され、江戸後期に完成したとされる
所有者玉川寺
公開状況山形県の資料では公開の有無を有とする。拝観の時間や条件は所有者の定めによる

参考文献

山形県 山形の宝 検索navi 玉川寺庭園
https://www.pref.yamagata.jp/cgi-bin/yamagata-takara/?m=detail&id=1149
文化遺産オンライン 玉川寺庭園
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/201096
国見山玉川寺 庭園の紹介
https://gyokusenji.or.jp/teien/
文化庁 国指定文化財等データベース
https://kunishitei.bunka.go.jp/

最終更新日: 2026.09.22