昭和7年築の木造平屋建 ― 2003年に登録

武道館(旧水海道小学校雨天体操場兼講堂)は、茨城県常総市水海道栄町2680-1にある建物で、2003年(平成15年)7月1日に国の登録有形文化財に登録された。員数は1棟、構造は木造平屋建、スレート葺、建築面積541平方メートル。登録番号は第08-0077号である。

文化庁は年代を昭和前/1932とする。昭和7年の建築である。

名称に二つの用途が入っている。文化庁はこう記す。小学校の雨天体操場兼講堂として建設されたが、現在は武道館として活用。建てられたときの用途と、現在の用途が名称に併記されている。

雨天体操場兼講堂という建物

雨天体操場は、雨の日に体操をするための屋内の場である。校庭が使えないときに使う建物として設けられた。

それが講堂を兼ねている。式典や集会のための空間と、体を動かすための空間が一つの建物になっている。大きな無柱の空間という要件が両方に共通するためである。

建築面積541平方メートルは、木造平屋建としては大きい。この規模が、体操場と講堂を兼ねるという用途に対応している。

現在は武道館として使われている。用途が三度目に変わったわけではなく、大きな屋内空間という性格は保たれている。体操場、講堂、武道館はいずれも同じ要件を満たす。

外壁を部位で塗り分ける

文化庁は外観の仕上げを具体的に記す。木造平屋建、切妻造、スレート葺で、外壁は妻面破風と側面上部が真壁造、他は柱をあらわした下見板張にする。

真壁造は柱を見せて壁を塗る日本の構法である。下見板張は板を横に重ねて張る仕上げで、こちらは洋風の外壁にあたる。

妻面の破風と側面の上部が真壁造、それ以外が下見板張という配分である。上部が真壁、下部が板張りという上下の分けになる。

下見板張も「柱をあらわした」ものである。板を張りながら柱を見せるという扱いで、洋風の板張りに和の構法の考え方が組み合わされている。前件の無声堂主屋(明治村)も外壁が洋風下見板張、小壁が漆喰塗真壁造という同じ型であった。

なお茨城県教育委員会の記載は「妻面破風」ではなく「切妻破風」とする。同じ解説文で語が一字異なる。

所有者名は合併前の記録である

文化庁は所有者名を「水海道市」とする。茨城県教育委員会の記載も同じである。

水海道市は2006年に石下町と合併して常総市となり、現在は存在しない。登録は2003年7月1日で、合併の3年前にあたる。所在地の表記が「常総市水海道栄町」となっているのに対し、所有者名の欄は登録時のまま残っている。

公的記録の所有者名が現在の行政区画と一致しない例である。JR津山線の建部駅駅舎(所有者名は建部町、2007年に岡山市へ編入)と同じ型にあたる。

登録は「指定」とは別の制度で、届出制を基本とし、所有者が使い続ける自由を広く残す。武道館として使いながら建物を残せるのは、この枠組みによる。

評価と見学

文化庁の評価はこうである。保存状態も良好で、端正で品格のある外観は、地域景観のシンボル的存在。

評価が外観と景観に向けられている。内部の構造や意匠ではなく、町の中で建物がどう見えるかが挙げられている。

現在も武道館として使われている建物である。見学のための施設ではないので、内部の利用は施設の運用による。常総市の案内で確認したい。

外観は屋外から見られる。妻面と側面の上部が真壁造、それ以外が下見板張という塗り分けは、外から見上げると確かめやすい。所在は茨城県常総市水海道栄町2680-1である。

Q&A

Q武道館はいつ建てられ、いつ登録されましたか。
A文化庁は年代を昭和前/1932とし、昭和7年の建築です。2003年(平成15年)7月1日に国の登録有形文化財に登録されました。員数は1棟、木造平屋建、スレート葺、建築面積541平方メートル、登録番号は第08-0077号です。
Qなぜ名称に二つの用途が入っているのですか。
A文化庁は「小学校の雨天体操場兼講堂として建設されたが、現在は武道館として活用」と記します。建てられたときの用途と現在の用途が名称に併記されています。体操場、講堂、武道館はいずれも大きな無柱の空間という要件を満たします。
Q外壁の特徴は何ですか。
A文化庁は「外壁は妻面破風と側面上部が真壁造、他は柱をあらわした下見板張にする」と記します。上部が真壁、下部が板張りという分け方で、下見板張も柱を見せる扱いになっています。
Q所有者が水海道市となっていますが。
A水海道市は2006年に石下町と合併して常総市となり、現在は存在しません。登録は2003年7月1日で合併の3年前にあたり、所有者名の欄は登録時のまま残っています。所在地の表記は「常総市水海道栄町」となっています。
Q見学できますか。
A現在も武道館として使われている建物で、見学のための施設ではありません。内部の利用は施設の運用によるため、常総市の案内で確認してください。外観は屋外から見られ、真壁造と下見板張の塗り分けは外から見上げると確かめやすくなります。

基本情報

名称武道館(旧水海道小学校雨天体操場兼講堂)(ぶどうかん きゅうみつかいどうしょうがっこううてんたいそうじょうけんこうどう)
所在地茨城県常総市水海道栄町2680-1
指定区分登録有形文化財(建造物)/登録番号 第08-0077号
指定年2003年(平成15年)7月1日 登録
員数1棟
寸法木造平屋建、スレート葺、建築面積541平方メートル。切妻造で、外壁は妻面破風と側面上部が真壁造、他は柱をあらわした下見板張。1932年
所有者水海道市(文化庁データベースの記載。同市は2006年に石下町と合併して常総市となった)
公開状況武道館として使用中。見学のための施設ではなく、内部の利用は施設の運用による

参考文献

文化遺産オンライン 武道館(旧水海道小学校雨天体操場兼講堂)
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/149965
茨城県教育委員会 いばらきの文化財 武道館
https://kyoiku.pref.ibaraki.jp/bunkazai/bunkazai-registered-6397/
常総市 登録有形文化財 武道館
https://www.city.joso.lg.jp/kurashi_gyousei/kurashi/gakkou_kyouiku/isan/naregi_bunka_tangible/budokan.html
文化庁 登録有形文化財(建造物)の制度
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/

最終更新日: 2026.09.04