8棟の住宅 ― 2009年に重要文化財

石谷家住宅は、鳥取県八頭郡智頭町大字智頭396番地にある建造物で、2009年(平成21年)12月8日に重要文化財に指定された。国宝ではなく、重要文化財としての指定である。

指定されたのは主屋、座敷棟、家族棟、一号蔵、二号蔵、三号・四号蔵、五号・六号蔵、七号蔵の8件である。蔵は七つあるが、三号と四号、五号と六号がそれぞれまとめられ、5件として記録されている。

文化庁は、石谷家住宅は、山林経営を主として営んでいた旧家の住宅で、大正八年から昭和四年にかけて屋敷全体の造営が行われた、と記す。1919年から1929年までの11年をかけている。

建築面積が、漢数字で書かれている

数値の表記が、算用数字ではない。

主屋の構造の欄は、木造、建築面積三五〇・七七平方メートル、二階建、入母屋造、桟瓦葺とされる。

三五〇・七七である。小数点も中黒で書かれている。

三号・四号蔵は、土蔵造、建築面積六二・三〇平方メートル、二階建、切妻造とされる。こちらも漢数字である。

ニッカウヰスキー余市蒸溜所施設では、年代の欄が全角数字で書かれていた。八ツ沢発電所施設や神戸女学院では、建築面積が算用数字だった。

本件は漢数字で、附指定の記録も、附・棟札 一枚 大正一一年一〇月と漢数字で記される。

時代の欄が、棟ごとに分かれる

建てられた時期が、区分そのもので違っている。

主屋の時代の欄は昭和、年代は1928年である。

三号・四号蔵の時代の欄は大正、年代は1922年である。

年が六年違うだけでなく、時代の区分が昭和と大正に分かれている。

ニッカウヰスキー余市蒸溜所施設では、蒸溜棟が1935年頃、事務所棟が1942年頃と年代が違ったが、時代はどちらも昭和だった。北口本宮冨士浅間神社でも、時代はいずれも江戸中期である。

本件は時代の区分をまたいでいる。11年かけて造営されたことが、記録のうえに表れている。

所有者の記され方が、記録によって違う

持ち主の欄が、二つの記録で一致しない。

当サイトの記録では、所有者は智頭町、石谷樹人、石谷正樹の三者とされる。自治体と個人二名である。

一方、文化遺産オンラインの主屋と三号・四号蔵の記録は、いずれも所有者名を智頭町とのみ記す。

八ツ沢発電所施設では、第一号水路橋と取水堰堤で会社名が違っていた。あちらは同じ施設のなかでの揺れである。

本件は、記録の系統をまたいで所有者の書き方が違う。棟によって所有者が異なる可能性もある。

どちらが現状を示すかについては、人手による確認をお願いしたい。

見学

所在は鳥取県八頭郡智頭町大字智頭396番地である。

配置が記される。広大な敷地の中央に建つ主屋は昭和三年の竣工で、敷地内には、主屋を中心に座敷や米蔵などが並び建っている、とある。

材と技術についても、主屋は、智頭地方特産の良質な杉材などの銘木を用い、高度な架構技術により宏壮な土間空間を創る大型の建物で、座敷の細部意匠も洗練されたつくりになる、とされる。

地元の材が使われている。北口本宮冨士浅間神社では、地元の郡内大工が造営に当たっていた。あちらは人、本件は材である。

評価は、優れた意匠をもつ大型の近代和風建築として重要であるとともに、質の高い土蔵などの附属屋や庭園がよく残り、豪壮な屋敷構えを伝えている点でも価値が高い、と結ばれる。見学については所有者の定めによる。訪問前に確認したい。

Q&A

Q石谷家住宅はいつ指定されましたか。
A2009年(平成21年)12月8日に重要文化財へ指定されました。国宝ではなく重要文化財で、8件が対象です。所在は鳥取県八頭郡智頭町です。
Qどの建物が含まれるのですか。
A主屋、座敷棟、家族棟、一号蔵、二号蔵、三号・四号蔵、五号・六号蔵、七号蔵の8件です。蔵は七つありますが、5件としてまとめられています。
Qいつ建てられたのですか。
A文化庁は「大正八年から昭和四年にかけて屋敷全体の造営が行われた」(1919年から1929年)と記します。主屋は1928年で時代は昭和、三号・四号蔵は1922年で時代は大正です。
Qどのような材が使われていますか。
A文化庁は「智頭地方特産の良質な杉材などの銘木を用い、高度な架構技術により宏壮な土間空間を創る」と記します。地元の材が使われています。
Q何が評価されているのですか。
A文化庁は「優れた意匠をもつ大型の近代和風建築として重要であるとともに、質の高い土蔵などの附属屋や庭園がよく残り、豪壮な屋敷構えを伝えている」と記します。

基本情報

名称石谷家住宅(いしたにけじゅうたく)/8件が個別に記録され、同じ解説文を共有する
所在地鳥取県八頭郡智頭町大字智頭396番地
指定区分重要文化財(建造物・住居建築)/国宝ではない
指定年2009年(平成21年)12月8日 重要文化財
員数棟ごとに1棟、あわせて8件
寸法主屋は木造、建築面積350.77平方メートル、2階建、入母屋造、桟瓦葺で、時代は昭和、年代は1928年。三号・四号蔵は土蔵造、建築面積62.30平方メートル、2階建、切妻造で、時代は大正、年代は1922年。棟札1枚が附指定される。文化庁の記録では建築面積が漢数字で書かれる
所有者当サイトの記録では智頭町、石谷樹人、石谷正樹。文化遺産オンラインの記録では智頭町
公開状況見学は所有者の定めによる

参考文献

文化遺産オンライン 石谷家住宅 主屋
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/140667
文化遺産オンライン 石谷家住宅 三号・四号蔵
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/192902
石谷家住宅 公式サイト
https://www.ifs.or.jp/
文化庁 国指定文化財等データベース
https://kunishitei.bunka.go.jp/

最終更新日: 2026.09.06

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