1件の墓地遺跡 ― 1972年に国の指定
金隈遺跡は、福岡県福岡市博多区金の隈1丁目39番52号にある弥生時代の共同墓地の遺跡で、1972年(昭和47年)5月17日に国の指定を受けた。区分は史跡である。
所有は福岡市である。
福岡市は、福岡平野の東を御笠川に沿って南北にのびる月隈丘陵のほぼ中央にあり、弥生時代前期の中頃(紀元前2世紀)から後期の前半(2世紀)までの約400年間にわたって営まれた、と記す。
三つの葬り方が、順に現れる
一つの墓地のなかで、葬り方が時代とともに入れ替わっている。
福岡市は、この遺跡からは、348基の甕棺墓と119基の土壙墓、2基の石棺墓が発掘されている、と記す。
続けて、最初に土壙墓が作られ、その後に甕棺墓、最後に石棺墓が作られたものと考えられる、とある。
土壙墓は地面に穴を掘って葬る墓、甕棺墓は大きな甕を棺として葬る墓、石棺墓は石を組んだ棺の墓をいう。
鳥羽山洞窟では、三つの人骨の残り方が同じ洞窟に並んでいた。
本件は、三つの葬り方が順を追って現れる。数では甕棺墓が最も多く、石棺墓は2基にとどまる。
発掘したままの姿を、屋根の下で見せる
見つかった墓が、掘り出された場所でそのまま見られるようになっている。
福岡市は、昭和60年(1985年)3月には、遺跡を保存、展示するため、発掘調査現場に屋根をかけるような形で展示館が建てられ、甕棺や人骨が発見されたままの状態で見学することができる、と記す。
展示館では、甕棺墓91基、土壙墓34基、人骨4体を発掘した状態で見たり、出土した甕棺を触ったりできる、とされる。
文祢麻呂墓では、墓は宇陀にあり、墓誌などの中身は東京の博物館に収められていた。
本件は、墓と中身が掘られた場所から動かされず、その上に屋根が架けられる。遺跡そのものが展示になる。
福岡市は、弥生時代墓制の典型的な遺跡として、国の史跡として保存されることとなった、と記す。
人骨の背丈と、南の海の貝
墓の中身から、葬られた人々の姿と、その交わりが読み取られている。
福岡市は、甕棺墓から136体の人骨が出土し、平均身長は男性が162.7センチメートル、女性が151.3センチメートルで、縄文人と比較すると、顔も面長になり、身長も急に高くなっている、と記す。
続けて、朝鮮半島との交流による混血が行なわれていたのではないかと考えられる、とある。考えられる、という言い方で示される。
副葬品には、種子島からオーストラリアまでの海中にしか生息しないゴホウラ貝で作った腕輪や、石剣、石鏃、首飾り用の玉などが見つかり、中国大陸や南方文化との交流を物語っている、とされる。
ゴホウラ貝は、南の海にすむ大型の巻貝である。その殻で作った腕輪が、北部九州の墓から出る。
骨の形からは北の半島との、貝の腕輪からは南の海との交わりが読み取られることになる。
見学
所在は福岡市博多区金の隈1丁目39番52号で、所有は福岡市である。
福岡市は、展示館の開館時間を9時から17時、休館日を月曜日と年末年始とする。開館の条件は変わることがある。訪問前に確認したい。
文化遺産オンラインには、この史跡の項目は見当たらない。本記事は福岡市の文化財の記録によっている。
名称は金隈、所在地の表記は金の隈で、「の」の有無が異なる。データベースの英語名は Kanakuma とされる。
遺跡は約400年にわたって営まれた。
Q&A
- 金隈遺跡はいつ指定されましたか。
- 1972年(昭和47年)5月17日に国の指定を受けました。区分は史跡です。
- どのような墓が見つかっていますか。
- 348基の甕棺墓、119基の土壙墓、2基の石棺墓です。土壙墓、甕棺墓、石棺墓の順に作られたと考えられています。
- 発掘された状態を見られますか。
- 1985年に発掘調査現場に屋根をかけるように展示館が建てられ、甕棺墓91基、土壙墓34基、人骨4体を発掘した状態で見られます。
- どのような副葬品がありますか。
- 南の海にしか生息しないゴホウラ貝の腕輪、石剣、石鏃、首飾り用の玉などです。
- どのくらいの期間使われた墓地ですか。
- 弥生時代前期の中頃(紀元前2世紀)から後期の前半(2世紀)までの約400年間です。
基本情報
| 名称 | 金隈遺跡/所在地の表記は金の隈 |
|---|---|
| 所在地 | 福岡県福岡市博多区金の隈1丁目39番52号 |
| 指定区分 | 史跡/建造物や美術品ではなく遺跡としての指定 |
| 指定年 | 1972年(昭和47年)5月17日 指定 |
| 員数 | 1件の墓地遺跡 |
| 寸法 | 甕棺墓348基、土壙墓119基、石棺墓2基、人骨136体。月隈丘陵のほぼ中央にあり、約400年間営まれた。1985年に発掘調査現場に屋根をかける形で展示館が建てられた |
| 所有者 | 福岡市 |
| 公開状況 | 展示館で公開。開館時間や休館日は所有者の定めによる |
参考文献
- 福岡市の文化財 金隈遺跡
- https://bunkazai.city.fukuoka.lg.jp/cultural_properties/detail/431
- 文化庁 国指定文化財等データベース
- https://kunishitei.bunka.go.jp/
- 福岡市の文化財
- https://bunkazai.city.fukuoka.lg.jp/
- 福岡県 文化財
- https://www.pref.fukuoka.lg.jp/
最終更新日: 2026.09.22