建築面積180平方メートルの町家 ― 2014年に登録
吉田家住宅主屋は、京都府京都市中京区新町通六角下る六角町363他にある建物で、2014年(平成26年)4月25日に国の登録有形文化財に登録された。員数は1棟、構造は木造2階建、瓦葺、建築面積180平方メートルである。
文化庁は年代を「明治/1898年から1912年/1935年改修」とする。建築が14年の幅、改修が1935年である。
文化庁の評価は結びの一文にある。内外ともに良質な意匠になる、表屋造の町家。内と外の両方が挙げられている。
同名の別物件がある
注意を要する点がある。同じ「吉田家住宅主屋」という名の登録有形文化財が、岐阜県美濃加茂市にもある。
岐阜のものは中山道太田宿のもと旅籠で、2014年12月19日の登録、建築面積188平方メートルである。本件は京都市中京区にあり、2014年4月25日の登録、建築面積180平方メートルである。
登録年が同じ2014年で、建築面積も180と188と近い。混同しやすい。
絹本著色普賢延命像で同名の作品が三件あったのと同じく、名前だけでは物件を特定できない。所在地と登録年月日で区別する必要がある。
所在地の記載も特徴的である。「六角町363他」と「他」が付く。一つの地番に収まらないことを示す。
正面の一階が三つに分かれる
文化庁の解説は、正面の構成を詳しく記す。
通りに東面して構える表屋は、上下階とも出桁造で、一階南寄りを土間の戸口とし、北寄りに出格子をたてて中央に揚げ見世を設える。
一階の正面が三つに分かれている。南寄りが土間の戸口、北寄りが出格子、そして中央が揚げ見世である。
揚げ見世は、通りに面して跳ね上げ式の板を設け、商品を並べる台とするものをいう。使わないときは畳んで壁に納める。
嶋臺酒店では正面に連子格子を設け南寄りに入り口を開いていたが、こちらは戸口・格子・揚げ見世の三つが横に並ぶ。同じ京都の町家でも、正面の分け方が異なる。
二階は両端の半間を除き平格子とする。端だけ格子を外す。全面を格子で覆うのではなく、両端に半間ずつ格子のない部分を残す。
居住部は田の字形
奥の構成も記される。玄関奥の居住部は田字形四間取である。
田字形四間取は、四つの部屋を田の字のように二列二段に配する間取りをいう。中央で十字に区切り、四室を作る。
今林家住宅味噌蔵や須賀家住宅北蔵のような蔵と違い、この建物には人が住む部分がある。表屋が通りに面し、その奥に居住部が続く。
表屋造は、通りに面した表屋と、奥の居住部を分けて建て、両者をつなぐ形式をいう。文化庁が結びで「表屋造の町家」とするのは、この構成を指す。
上下階とも出桁造である。出桁造は桁を前に張り出して軒を深くする構造で、一階と二階の両方に用いられている。
見学
文化庁は公開についての記載を持たず、所有者名の欄も空欄である。登録有形文化財は所有者が使い続けている建物が多く、内部の公開が前提ではない。
訪問を計画する前に、京都市の案内などで公開の有無を確かめたい。
外観は通りから見られる。一階の三つの区分(南寄りの戸口、中央の揚げ見世、北寄りの出格子)と、二階の平格子で両端の半間だけ格子がない部分が確かめられる。
所在は京都市中京区新町通六角下る六角町363他である。通りに東面するため、午前は正面から日が当たる。
Q&A
- 吉田家住宅主屋はいつ登録されましたか。
- 2014年(平成26年)4月25日に国の登録有形文化財に登録されました。員数は1棟、木造2階建、瓦葺、建築面積180平方メートルです。文化庁は年代を明治の1898年から1912年、1935年改修とします。
- 同じ名前の建物が他にもあるのですか。
- あります。岐阜県美濃加茂市にも同名の吉田家住宅主屋があり、中山道太田宿のもと旅籠で2014年12月19日の登録、建築面積188平方メートルです。登録年が同じで面積も近いため、所在地と登録年月日で区別する必要があります。
- 正面はどのような構成ですか。
- 文化庁は「一階南寄りを土間の戸口とし、北寄りに出格子をたてて中央に揚げ見世を設える」と記します。一階の正面が三つに分かれ、二階は両端の半間を除き平格子とします。
- 揚げ見世とは何ですか。
- 通りに面して跳ね上げ式の板を設け、商品を並べる台とするものです。使わないときは畳んで壁に納めます。この建物では正面の中央に設けられています。
- 見学できますか。
- 文化庁は公開についての記載を持たず、所有者名の欄も空欄です。登録有形文化財は所有者が使い続けている建物が多く、内部の公開が前提ではありません。外観は通りから見られます。
基本情報
| 名称 | 吉田家住宅主屋(よしだけじゅうたくしゅおく) |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市中京区新町通六角下る六角町363他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物)/岐阜県美濃加茂市の同名物件とは別 |
| 指定年 | 2014年(平成26年)4月25日 登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、瓦葺、建築面積180平方メートル。通りに東面して構える表屋は上下階とも出桁造で、下階は南寄りを土間の戸口、北寄りに出格子、中央に揚げ見世を設える。2階は両端を除き平格子とする。玄関奥の居住部は田字形の4間取。明治時代 |
| 所有者 | 文化庁データベースの所有者名の欄は空欄 |
| 公開状況 | 公開についての記載はない。外観は通りから見られる |
参考文献
- 文化遺産オンライン 吉田家住宅主屋(京都市中京区)
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/230918
- 文化遺産オンライン 吉田家住宅主屋(岐阜県美濃加茂市)
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/274306
- 京都市 文化財の紹介
- https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000005962.html
- 文化庁 登録有形文化財(建造物)の制度
- https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/
最終更新日: 2026.09.05