専修寺如来堂:三重県が誇る国宝建造物の魅力
2017年11月28日、三重県津市の専修寺如来堂は御影堂とともに三重県初の国宝建造物として指定されました。東京ドーム約2個分という広大な境内の中心に佇むこの壮麗な建築は、日本の寺院建築史における傑作として、世界中から訪れる人々を魅了し続けています。
門信徒の篤い信仰が生んだ壮大な仏堂
専修寺如来堂は門信徒からの寄進により建立され、発願から25年後の延享元年(1744)に上棟されました。一重裳階付形式の仏堂として我が国で現存最大級の規模を持ち、外観を禅宗様とする建築様式が特徴的です。
堂内には「証拠の如来」と呼ばれる阿弥陀如来立像が安置されており、これは鎌倉時代を代表する仏師の一人である快慶の作品で、国指定重要文化財に登録されています。この貴重な仏像を拝観できることも、如来堂の大きな魅力の一つです。
禅宗様建築の最高峰
如来堂は和様を基調とする御影堂と明瞭な対比をみせながらも、内部の平面構成は真宗本堂に一般的な形式を保持し、巧妙な軸部構成により独創的で斬新な内部空間を構築しています。
禅宗様建築の特徴である詰組(つめぐみ)、花頭窓(かとうまど)、桟唐戸(さんからど)などの意匠が随所に見られ、垂直性を強調した力強いデザインが印象的です。門信徒の篤い信仰に応ずる雄大な仏堂の実現のため、近世に進展した様々な大規模木造建築技術が遺憾なく発揮されており、我が国の近世寺院建築における到達点を示す貴重な遺構として、深い文化史的意義を有しています。
高田本山専修寺の歴史と伝統
専修寺は真宗高田派の総本山で、栃木県真岡市に「本寺専修寺」があり、区別するときには「高田本山専修寺」と呼ばれます。
文明年間(1469年-1487年)に専修寺第10世真慧が伊勢国内の中心寺院として一身田に建立し、1522年に栃木の本寺が兵火によって炎上した後、次第に一身田の専修寺に歴代上人が居住するようになり、1550年前後に本山として定着しました。
一身田寺内町の歴史的景観
高田本山専修寺を中心に発展した一身田町には、寺内町の歴史的な町並みが今も多く残ります。一身田寺内町は、高田本山専修寺を中心にして発展した寺内町で、特に現在もほぼ完全な形で環濠が残されるなど、多くの文化財や歴史的な町並みを現在に伝えています。
寺内町を散策すると、江戸時代から続く商家や町家が立ち並び、当時の繁栄を偲ばせる風情ある街並みを楽しむことができます。環濠に囲まれた独特の都市構造は、日本の中世都市計画の貴重な遺産として高く評価されています。
蓮の名所としての魅力
専修寺は蓮の花でも名高く、境内の各所にて様々な種類の蓮を楽しむことができます。境内では35種類100鉢以上の蓮が栽培されており、お浄土に咲くとされる蓮の花が水面から凛として立ち、大輪の花を咲かせる高貴な姿は清らかさの象徴であり、心が洗われます。
初夏から夏にかけて、早朝に訪れると美しい蓮の花を観賞することができ、写真愛好家にも人気のスポットとなっています。
アクセスと拝観情報
JR「一身田駅」から徒歩5分、近鉄「高田本山」駅から徒歩20分、JR・近鉄津駅から「一身田」「三重病院」行きバス15分「本山前」下車すぐとアクセスも良好です。山門開門時間は5:00-17:30、両御堂開門時間は6:00-15:30で、拝観料は無料です。
車でお越しの場合は、JR一身田駅近くに大駐車場(無料、バス可)があります。伊勢自動車道津ICまたは芸濃ICから約15分でアクセスできます。
Q&A
- 専修寺如来堂はいつ国宝に指定されましたか?
- 2017年(平成29年)11月28日に御影堂とともに国宝に指定されました。これは三重県内では初めての国宝建造物となります。
- 如来堂に安置されている仏像は何ですか?
- 「証拠の如来」と呼ばれる阿弥陀如来立像が安置されています。これは鎌倉時代の名仏師・快慶の作品で、国指定重要文化財です。
- 拝観料はかかりますか?
- 拝観料は無料です。開門時間は6:00-15:30となっています。
- 専修寺へのアクセス方法を教えてください。
- JR一身田駅から徒歩5分が最も便利です。また、近鉄高田本山駅から徒歩20分、JR・近鉄津駅からバスで15分でもアクセス可能です。
- 蓮の花はいつ頃見ることができますか?
- 蓮の花は初夏から夏にかけて見ることができます。特に早朝の時間帯が観賞に最適です。境内では35種類100鉢以上の蓮が栽培されています。
参考文献
- 国宝、誕生。|三重県津市 専修寺 御影堂・如来堂
- https://www.info.city.tsu.mie.jp/www/senjuji/
- 専修寺如来堂 文化遺産オンライン
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/174532
- 高田本山専修寺が国宝になりました!| 観光三重
- https://www.kankomie.or.jp/report/253
- 真宗高田派本山 専修寺
- http://www.senjuji.or.jp/
- 親鸞800年の教えを紡ぐ三重県初の国宝建造物 - NIHONMONO
- https://nihonmono.jp/article/37074/
基本情報
| 名称 | 専修寺如来堂(せんじゅじにょらいどう) |
|---|---|
| 所在地 | 三重県津市一身田町2819番地 |
| 竣工 | 延享元年(1744年)/寛延元年(1748年) |
| 構造 | 桁行五間、梁間四間、一重もこし付、入母屋造、本瓦葺 |
| 建築様式 | 禅宗様 |
| 指定 | 国宝(2017年11月28日指定) |
| 本尊 | 阿弥陀如来立像(快慶作・重要文化財) |
| 開門時間 | 6:00-15:30 |
| 拝観料 | 無料 |
最終更新日: 2025.10.28
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