1基の鉄道橋 ― 1999年に登録有形文化財

内田三連橋梁は、福岡県田川郡赤村大字内田1804-1他にある明治時代の鉄道橋で、1999年(平成11年)11月18日に登録有形文化財(建造物)となった。指定された文化財ではなく、登録された文化財である。

員数は1基である。ふりがなは、うちださんれんきょうりょうである。所有は平成筑豊鉄道株式会社である。

構造は煉瓦造3連アーチ橋、橋長17メートル、幅員12メートルとされる。年代の欄は明治、西暦は1895年である。

上流と下流で、壁の仕上げが違う

一つの橋の両側の面が、別の材で仕上げられている。

文化庁は、上流側壁面には切石が貼られているが、下流側は複線化を考慮し凹凸をつけて煉瓦が積まれており、と記す。

切石は、形を整えて切り出した石をいう。上流の側は石の面、下流の側は煉瓦の面になる。

複線化は、線路を1本から2本に増やすことをいう。下流の側は、そのときに橋を広げてつなぎ足せるよう、煉瓦を平らに積み終えず、凹凸を残してある。

九州電力大田発電所本館では、名称と壁の紋とで、今と昔の持ち主が示されていた。

本件は、橋の両側の面が、完成した姿と、先を見込んだ途中の姿とを示す。

先に備えた凹凸が、飾りになった

つなぎ足すための形が、見た目の飾りとして受け取られている。

文化庁は、下流側の凹凸をつけた煉瓦積みについて、結果として装飾的になっている、と結ぶ。

結果として、という言い方で、飾るために作ったのではないことが示される。将来の工事に備えた形が、そのまま橋の見どころになる。

旧国鉄根北線越川橋梁は、線路が届かないまま、列車が一度も渡らなかった。あちらは計画そのものが止まった。

本件は、橋は使われながら、複線化に備えた煉瓦の凹凸が残る。記録は、複線化が行われたかどうかには触れない。

評価が、造り手のねらいではなく、結果の見え方で述べられることになる。

石炭を運ぶ鉄道のために架けられた

橋は、炭鉱の地域の輸送網の一部として造られている。

文化庁は、筑豊地方の運炭鉄道網拡充のために設立された豊州鉄道株式会社が油須原-香春間に建設した、と記す。運炭は、石炭を運ぶことをいう。

建てたのは明治の豊州鉄道で、いまの所有は平成筑豊鉄道株式会社である。建てた会社と持つ会社が異なる。

九州電力大田発電所本館も、建てたのは島津家の経営に係る鉱山で、名は後の事業者のものだった。

本件は、鉄道の橋が鉄道の会社に受け継がれる。用途は同じまま、持ち主の名が変わる。

橋の名の内田は、所在地の大字の名である。

見学

所在は福岡県田川郡赤村大字内田1804-1他で、所有は平成筑豊鉄道株式会社である。

橋長は17メートル、幅員は12メートルとされる。アーチは3連である。

員数の単位は基で、旧国鉄根北線越川橋梁や御坂隧道と同じく、土木構造物を数える単位になる。

鉄道会社が所有する橋であり、線路や敷地への立ち入りは所有者の定めによる。訪問前に確認したい。

油須原と香春は、この区間の両端の地名である。

Q&A

Q内田三連橋梁はいつ登録されましたか。
A1999年(平成11年)11月18日に登録有形文化財(建造物)となりました。指定ではなく登録で、員数は1基です。
Q上流側と下流側はどう違うのですか。
A上流側の壁面には切石が貼られ、下流側は複線化を考慮して凹凸をつけて煉瓦が積まれています。
Q凹凸は飾りですか。
A複線化に備えたものですが、文化庁は「結果として装飾的になっている」と記します。
Q誰が建てたのですか。
A筑豊地方の運炭鉄道網拡充のために設立された豊州鉄道株式会社が、油須原-香春間に建設しました。
Qどのくらいの大きさですか。
A煉瓦造3連アーチ橋で、橋長17メートル、幅員12メートルです。

基本情報

名称内田三連橋梁(うちださんれんきょうりょう)
所在地福岡県田川郡赤村大字内田1804-1他
指定区分登録有形文化財(建造物・近代その他)/指定ではなく登録
指定年1999年(平成11年)11月18日 登録
員数1基
寸法煉瓦造3連アーチ橋、橋長17メートル、幅員12メートル。上流側壁面に切石を貼り、下流側は複線化を考慮して凹凸をつけて煉瓦を積む。年代の欄は明治、西暦は1895年
所有者平成筑豊鉄道株式会社
公開状況鉄道会社が所有する橋で、立ち入りは所有者の定めによる

参考文献

文化遺産オンライン 内田三連橋梁
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/137228
文化庁 国指定文化財等データベース
https://kunishitei.bunka.go.jp/
赤村
https://www.akamura.net/
福岡県 文化財
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/

最終更新日: 2026.09.22