新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器とは:縄文土器で初の国宝
新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器は、新潟県十日町市の笹山遺跡から出土した縄文時代中期の深鉢形土器57点で、平成11年(1999年)に縄文土器として初めて国宝に指定された。
読みは「にいがたけんささやまいせきしゅつどふかばちがたどき」。中心となるのは、燃え上がる炎のような突起で口縁を飾った火焔型土器である。57点の本体に加えて、同じ時期の土器・土製品72点、石器・石製品791点、ベンガラ塊8点の計871点が附(つけたり)として指定されており、資料全体では928点にのぼる。
平成4年(1992年)6月22日に重要文化財に指定され、平成11年(1999年)6月7日に国宝となった。十日町市博物館によれば、新潟県内で初めての国宝でもある。現在は十日町市博物館が保管し、常設展示で公開している。
指定の理由:一括で残った火焔型土器の群
笹山遺跡は十日町市中条にあり、市営野球場や陸上競技場の建設に伴って、昭和55年(1980年)から昭和60年(1985年)にかけて7回の発掘調査が行われた。その結果、縄文時代中期、およそ5,500年前から4,500年前に栄えた集落の跡が見つかった。
文化庁の解説は、この指定を、まとまって出土した火焔形土器20個体を中心とする深鉢形土器の一群と説明している。火焔型土器は1点だけでも縄文土器を代表する造形だが、同じ集落から多数がまとまって出た例として、様式の広がりと変化を一括で示せる点が評価の核にある。
57点の中には、東北・北陸・中部高地・関東などの土器から器形や文様の影響を受けたものも含まれる。博物館は、これらを火焔型土器の成り立ちと、笹山に暮らした人々の他地域との交流を解き明かす資料と位置づけている。
指定番号1の火焔型土器は、全体の均整と残りのよさから「縄文土器の白眉」と呼ばれてきた。平成4年(1992年)にワシントンのアーサー・M・サックラー美術館、平成10年(1998年)にパリの日本文化会館、平成13年(2001年)にロンドンの大英博物館で展示され、日本の先史時代の造形を代表する作品として海外でも紹介されている。
見どころ:炎の突起と、煮炊きの跡
十日町市博物館の解説では、火焔型土器は紀元前3300年頃に信濃川中流域で成立し、紀元前2800年頃までに姿を消した様式とされる。口縁から立ち上がる鶏頭冠のような突起と、器面を隙間なく埋める立体的な文様が特徴で、全体の形は均整がとれている。
展示ケースの前では、まず口縁から立ち上がる大きな突起を正面と側面から見比べたい。突起の間を縫う隆起線が胴部の渦巻文へつながっていく流れを追うと、文様が器全体でひと続きに設計されていることが分かる。
火焔型土器は祭りなどの儀礼に使われたとも言われるが、博物館は、その使われ方を示す証拠はまだ得られていないとしている。一方で、内面に焦げが付いた例があることから、煮炊きに使われたことは確実という。華やかな造形の器が、実際には火にかけられていたことを念頭に置いて内側をのぞくと、見え方が変わってくる。
57点には、火焔型のほか王冠型と呼ばれる土器も含まれる。王冠型は火焔型と同じ信濃川流域に特有の様式で、口縁の突起の形が火焔型と異なる。火焔型と並べると同じ地域の中での造形の幅がよく分かる。
見学方法:十日町市博物館で見る
新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器は、十日町市西本町1丁目の十日町市博物館の常設展示「縄文時代と火焔型土器のクニ」で見ることができる。JR飯山線・北越急行ほくほく線の十日町駅西口から徒歩約10分で、無料駐車場もある。
開館時間は午前9時から午後5時で、入館は午後4時30分まで。休館日は月曜日(祝休日の場合は翌平日)と12月28日から1月3日で、12月から2月の冬期は月曜日と火曜日が休館になる。入館料は一般600円、中学生以下は無料。
国宝展示室の中央ケースでは、指定番号1と指定番号6の土器を時期によって入れ替えて展示している。特定の1点を見たい場合は、博物館のウェブサイトで展示スケジュールを確認してから訪れたい。
館内の撮影では三脚とフラッシュの使用ができず、営利目的の撮影は禁止されている。展示の状況によって撮影の扱いが変わる場合もあるので、現地の掲示に従ってほしい。
Q&A
- 新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器はどこで見られますか?
- 十日町市博物館(十日町市西本町1丁目448番地9)の常設展示で見られます。JR十日町駅西口から徒歩約10分です。
- 笹山遺跡の火焔型土器はいつ国宝に指定されましたか?
- 平成11年(1999年)6月7日です。縄文土器として初めての国宝で、平成4年(1992年)に重要文化財に指定されていました。
- 新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器は何点ありますか?
- 本体の深鉢形土器が57点です。これに土器・土製品、石器・石製品、ベンガラ塊の計871点が附として指定されています。
- 十日町市博物館の開館時間と入館料は?
- 午前9時から午後5時(入館は午後4時30分まで)で、月曜日が休館です。冬期(12月から2月)は月曜日と火曜日が休館になります。入館料は一般600円、中学生以下無料です。
- 有名な指定番号1の火焔型土器はいつでも展示されていますか?
- 国宝展示室の中央ケースでは指定番号1と指定番号6を入れ替えて展示しています。博物館のウェブサイトで展示スケジュールを確認してください。
基本情報
| 名称 | 新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器 |
|---|---|
| 所在地 | 新潟県十日町市西本町1丁目448番地9(十日町市博物館) |
| 指定区分 | 国宝(考古資料) |
| 指定年 | 平成11年(1999年)6月7日国宝指定(重要文化財指定は平成4年(1992年)6月22日) |
| 員数 | 深鉢形土器57点(附871点) |
| 寸法 | 個体により異なる(文化庁データベースに一括の記載なし) |
| 所有者 | 文化庁データベースに記載なし(十日町市博物館が保管) |
| 公開状況 | 十日町市博物館で常設展示。午前9時から午後5時、一般600円 |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/10315
- 文化遺産オンライン「新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器」
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/187852
- 十日町市博物館「新潟県笹山遺跡出土深鉢形土器」
- https://www.tokamachi-museum.jp/archives/bunka001/
- 十日町市博物館「縄文時代と火焔型土器のクニ」
- https://www.tokamachi-museum.jp/p-exhibition/p-ex01/
- 十日町市博物館「ご利用案内」
- https://www.tokamachi-museum.jp/guide/
最終更新日: 2026.09.27