旧小坂鉱山とは

旧小坂鉱山は、秋田県鹿角郡小坂町の中心部に残る小坂鉱山の建物群で、明治38年(1905年)に建てられた旧小坂鉱山事務所が平成14年(2002年)に国の重要文化財に指定されている(文化庁)。あわせて、明治37年(1904年)の旧小坂鉱山工作課原動室が平成29年(2017年)に、明治41年(1908年)の旧小坂鉱山病院記念棟が平成15年(2003年)に、それぞれ国の登録有形文化財に登録された。3件とも小坂町の所有である。

小坂まちづくり株式会社の年表によれば、小坂鉱山は文久元年(1861年)に見つかり、大島高任やドイツ人技師クルト・ネットーの手で開発が進められたのち、明治17年(1884年)に藤田組へ払い下げられた。明治35年(1902年)に黒鉱自溶製錬が本格操業に入り、明治40年(1907年)度には生産額が全国一になったという。旧小坂鉱山の3件は、いずれもこの藤田組経営期に建てられている。

明治百年通りに集められた3件

旧小坂鉱山の建物は、町が「明治百年通り」と呼ぶ通りとその周辺に並ぶ。事務所は旧所在地から約500メートル南へ移築されたもので(文化庁)、町によれば移築復原は平成13年(2001年)4月である。工作課原動室も鉱山内の工場施設から明治百年通りへ移され(文化庁)、町の記録では平成26年(2014年)4月の移築復原となっている。

病院記念棟は、事務所と同じ古館48番地2に建つ(文化庁)。町によれば、小坂鉱山病院は県内一の総合病院として創建されたが、昭和24年(1949年)に焼失し、記念棟だけが創建当時の姿を残した。原動室は、芝居小屋の康楽館と鉱山事務所の中間に位置する(小坂まちづくり株式会社)。

3件の性格はそれぞれ異なる。事務所は藤田組小坂鉱山の本部事務所で、ルネッサンス風の外観をもつ木造3階建。工作課原動室は機械の製作を担う鍛冶製罐場に動力を送った木骨煉瓦造の平屋。病院記念棟は病院の霊安施設として建てられた20平方メートルほどの小さな洋風建築である(文化庁)。各棟の構造と見学の条件は、それぞれのページで扱っている。

旧小坂鉱山を歩く

小坂町は明治百年通りの全12か所に、当時の写真と資料を載せた解説板を置き、通り全体を「青空の博物館」と名づけている。6月にはアカシアの並木が白い花を咲かせ、その香りの風景は環境省の「かおり風景100選」に選ばれている(小坂町)。旧小坂鉱山の3件は、この解説板をたどる途中で順に見られる。

3件は、旧小坂鉄道小坂駅(小坂鉄道レールパーク)から北へおよそ0.4〜0.6キロメートルの範囲にある(文化庁データベースの座標による)。小坂鉄道レールパークの案内によれば、JR大館駅から秋北バスの小坂行きで約60分、JR花輪線の十和田南駅からは約25分で「小坂小学校前」停留所に着く。車の場合は東北自動車道の小坂ICからレールパークまで約3分である。

内部を見られるのは事務所(有料の資料館)と、カフェとして営業する工作課原動室である。病院記念棟の内部公開については公的な案内が見つからなかった。小坂鉄道レールパーク・康楽館・小坂鉱山事務所の3館共通券もあり、大人(高校生以上)は1,480円である(小坂鉄道レールパーク)。

参考文献

旧小坂鉱山事務所(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3718
旧小坂鉱山工作課原動室(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011850
旧小坂鉱山病院記念棟(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003346
アカシア香る鉱山が遺した町並み「明治百年通り」(小坂町)
https://www.town.kosaka.akita.jp/machinososhiki/kankosangyoka/kankoshokohan/3/kosakakankouspot/1661.html
小坂鉱山事務所 歴史(小坂まちづくり株式会社)
https://kosaka-mco.com/pages/89/
営業時間・料金(小坂鉄道レールパーク、3館共通券)
https://kosaka-rp.com/pages/159/
交通アクセス(小坂鉄道レールパーク)
https://kosaka-rp.com/pages/7/

最終更新日: 2026.11.08

基本情報

名称旧小坂鉱山
所在地秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古館48番地2
所有者小坂町
指定重要文化財 1件・登録有形文化財 2件
座標40.32815, 140.74453