森長旅館とは

森長旅館(もりちょうりょかん)は、秋田県男鹿市船川港船川の男鹿駅前にある旅館建築で、昭和9年(1934年)に建てられた本館と、離れ・土蔵の3棟が、平成17年(2005年)2月9日に国の登録有形文化財(建造物)に登録されている(文化庁)。登録番号は05-0113から05-0115の連番で、3棟とも「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。所有者は株式会社中央建装である。

文化庁は本館について、船川港の往時のにぎわいを伝える建物と評している。角地に建つマンサード屋根の洋風の本館に、昭和24年(1949年)の和風の離れと、昭和初期の白漆喰の土蔵が組み合わさり、ひとつの敷地のなかで、洋風・和風・蔵という性格の違う3つの建物が並ぶ。

港町の宿としての歩み

船川は男鹿半島の南岸にある港町で、北前船の時代から物資の積み出しや風待ちの港として使われてきたと、森長旅館の公式サイトは紹介している。同サイトによれば、森長旅館は明治期に創業し、港の商いや漁業でにぎわった船川で旅人を受け入れてきたが、2006年に営業を終えた。

その後しばらく人の出入りがほとんど無い状態が続いたが、建物を改修して2024年に「蔵サウナと文化財の宿 森長」として再び客を迎えるようになった(公式サイト)。各室の間取りは当初のものを残し、旅館に伝わってきた椅子や卓、箪笥を磨き直して客室に置いているという。

敷地と3棟の配置

本館は街路に面した角地に建ち、玄関は北面にある。本館の東南に離れが立ち、本館側の附属棟と2階の渡廊下でつながる。土蔵は本館から庭を挟んだ敷地の北東の隅にあり、街路に面した窓まわりに漆喰の彫刻を見せる(文化庁)。

3棟に囲まれた庭は、美術家の藤浩志が、もとからあった庭石を分類し並べ直してつくった石庭で、「育つ庭」と名づけられている(公式サイト)。本館1階のラウンジや2階の廊下から、この庭越しに土蔵と離れを見ることになる。

各棟の構造と見どころは、それぞれのページで扱っている。

泊まる・訪ねる

森長旅館は現在も宿として営業しており、建物の内部に入るには宿泊するか、デイユースのサウナを利用するのが基本になる。客室は本館の個室9室とドミトリー1室、離れのスイートルーム1室で、チェックインは午後3時、チェックアウトは午前10時である(公式サイト)。大浴場やエレベーターは無く、宿の食事は予約制の朝食のみで、夕食は町の飲食店を案内する方式をとる。

宿泊しない人も、土蔵と本館のサウナをデイユースで使える。料金は一般3,500円(2時間30分まで、タオルやサウナハット付き)で、利用できる人数に限りがあり、時間帯によっては待つことがある(公式サイト、2026年10月確認)。建物だけを見学する受け入れについて、公的な案内は見当たらなかった。外観は前の街路から眺められる。

交通はJR男鹿線の終点、男鹿駅から徒歩およそ1分(公式サイト)。住所は男鹿市船川港船川字栄町82で、問い合わせ先は宿の公式サイトに載っている。撮影の可否について公的な案内は見当たらないので、館内では事前にスタッフに確かめたい。

参考文献

森長旅館本館(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004494
森長旅館離れ(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004495
森長旅館土蔵(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004496
蔵サウナと文化財の宿 森長(公式サイト)
https://morichoryokan.com/
森長旅館について(蔵サウナと文化財の宿 森長)
https://morichoryokan.com/about/
お部屋について(蔵サウナと文化財の宿 森長)
https://morichoryokan.com/room/
館内のご案内(蔵サウナと文化財の宿 森長)
https://morichoryokan.com/guide/
サウナについて(蔵サウナと文化財の宿 森長)
https://morichoryokan.com/sauna/

最終更新日: 2026.10.28

基本情報

名称森長旅館
所在地秋田県男鹿市船川港船川字栄町82
所有者株式会社中央建装
指定登録有形文化財 3件
座標39.88386, 139.84724