鴨川市西町の鈴木家住宅 ― 茅葺の主屋と酒蔵が並ぶ造り酒屋の屋敷

鴨川市西町の鈴木家住宅は、千葉県鴨川市西町にある造り酒屋の屋敷で、明治初期の主屋から大正12年(1923年)頃の離れ・石蔵まで5棟が、平成14年(2002年)2月14日にそろって登録有形文化財となった。登録されたのは主屋・離れ・石蔵・火入れ蔵・穀蔵の5棟である。

千葉県教育委員会によれば、鈴木家は元禄年間(1688〜1704年)から続くとされる旧家で、明治期からは酒造業を営んできた。屋敷は東条海岸と平行に走る旧道から少し奥まった場所にあり、農家造りの主屋を中心に、酒造りのための蔵と、大正期に加えられた住まいの棟が並ぶ。

5棟の建築年代は半世紀ほどにわたる。明治初期の主屋、明治後期の火入れ蔵と穀蔵、そして大正12年(1923年)頃の離れと石蔵である。離れと石蔵は地元の大工・石井政吉が棟梁を務めたと伝えられ、石蔵は関東大震災をはさんで建てられたという。

屋敷の構成 ― 住まいの棟と酒造の蔵

屋敷の中心は茅葺の主屋である。その西北の隅に離れが取り付き、離れの縁側を西へたどった突き当たりに石蔵が建つ。住まいに関わる3棟は敷地の西寄りにまとまっている。

酒造に関わる蔵は東側に並ぶ。主屋の東南、敷地東辺の門の近くに火入れ蔵が建ち、東門へ向かう通路をはさんでその北に穀蔵が建つ。酒米を納める穀蔵と、仕上がった酒を貯える火入れ蔵が通路の両側に向き合い、造り酒屋の屋敷景観をつくっている。

  • 主屋:明治初期、木造平屋建、茅葺、建築面積126平方メートル
  • 離れ:大正12年(1923年)頃、木造平屋建、瓦葺、建築面積66平方メートル
  • 石蔵:大正12年(1923年)頃、大谷石の石造平屋建、瓦葺、建築面積13平方メートル
  • 火入れ蔵:明治後期、土蔵造平屋建、瓦葺、建築面積121平方メートル
  • 穀蔵:明治後期、土蔵造2階建、瓦葺、建築面積99平方メートル

アクセスと見学の条件

鈴木家住宅は個人が所有する屋敷で、一般には公開されていない。敷地内への立ち入りはできず、建物の内部を見る機会も設けられていない。屋敷は旧道から奥まった位置にあるため、道路から見える範囲も限られる。

最寄り駅はJR外房線・内房線の安房鴨川駅で、東口から歩いて20分ほどかかる。現地では住まいの出入口をふさがないようにし、撮影は道路からに限ってほしい。棟ごとの見え方は、それぞれの棟のページにまとめた。

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「鈴木家住宅主屋」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002609
文化庁 国指定文化財等データベース「鈴木家住宅離れ」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002610
文化庁 国指定文化財等データベース「鈴木家住宅石蔵」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002611
文化庁 国指定文化財等データベース「鈴木家住宅火入れ蔵」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002612
文化庁 国指定文化財等データベース「鈴木家住宅穀蔵」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002613
千葉県教育委員会「鈴木家住宅主屋ほか」(鴨川市)
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/q111-067.html

最終更新日: 2026.09.25

基本情報

名称鈴木家住宅(鴨川市西町)
所在地千葉県鴨川市西町1139-3
所有者個人
指定登録有形文化財 5件
座標35.11641, 140.11463