福山市旧佐波浄水場とは

福山市旧佐波浄水場は、広島県福山市佐波町にある大正14年(1925年)完成の浄水場跡で、配水池・浄水井上屋・門の3件が平成25年(2013年)3月29日に国の登録有形文化財(建造物)となった(文化庁)。読みは「ふくやましきゅうさばじょうすいじょう」で、佐波は「さば」と読む。

福山市上下水道局は、この浄水場を「福山近代水道の始まりの地」と位置づけている。福山市で初めての近代的な浄水場で、人口が増えつつあった福山が近代都市へ育つ土台になったと、市の文化財マップは説明する。

市制施行と近代水道

福山の城下には、江戸時代のはじめに芦田川から水を引いた旧水道があった。明治に入って人口が増えると、その老朽化と衛生面の問題が目立ち、近代水道の建設が急がれた(福山市上下水道局)。

建設には国庫補助が欠かせず、補助を受けるには市制の施行が条件だった。福山町は大正5年(1916年)7月1日に市制を施行し、初代市長の阿武信一のもとで計画が動き出す。上下水道局の年表では、大正10年(1921年)3月に内務大臣の認可を受け、大正12年(1923年)1月に佐波浄水場の工事を始め、大正14年(1925年)9月に完成、同年11月の通水式で給水が始まった。

水源は熊野町の渓谷に築いた貯水池で、佐波町城山の浄水場から自然流下で市内へ配った。計画給水人口は5万人、一日最大給水量は6,250立方メートル、総工費は約170万円である(福山市上下水道局)。

のちに水源を芦田川へ広げ、拡張事業のたびに導水の経路が足されたが、給水の中心はやがて中津原浄水場などへ移る。佐波浄水場は昭和52年(1977年)10月に休止し、平成元年(1989年)4月に廃止された(福山市上下水道局)。

3件の配置

登録された3件は、城山の上の浄水場の東側にまとまっている(文化庁)。浄水場の東端を占めるのが、2つの池を東西に並べた配水池で、東面の上部に初代市長の揮毫による記念額を掲げる。

配水池の西側には浄水井があり、その東側中央に小さな煉瓦造の浄水井上屋が建つ。門は浄水場の東面の北寄りに開き、煉瓦と石を交互に積んだ縞模様の門柱が施設の正面を整えている。各件の構造と見どころは、それぞれのページで扱う。

見学について

旧佐波浄水場は現在、佐波城山公園として一般に公開されている。市の文化財マップによれば開場は常時、入場料は無料である。

経路は、国道2号の神島橋西詰めから明王台団地の方へ、坂道をおよそ530メートル登る(福山市の文化財マップ)。JR福山駅からは西南西へ直線でおよそ2キロメートルの位置にある。駐車場の有無について公的な案内は確認できなかった。

参考文献

福山市旧佐波浄水場配水池(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009533
福山市旧佐波浄水場浄水井上屋(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009534
福山市旧佐波浄水場門(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009535
福山の上下水道(福山市上下水道局、2026年6月発行)
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/uploaded/attachment/342014.pdf
福山市上下水道事業中長期ビジョン(経営戦略)(福山市上下水道局)
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/uploaded/attachment/214637.pdf
福山市の文化財マップ(福山市)
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/uploaded/attachment/155581.pdf

最終更新日: 2026.10.29

基本情報

名称福山市旧佐波浄水場
所在地広島県福山市佐波町字城山202-7他
所有者福山市
指定登録有形文化財 3件
座標34.48145, 133.34411