3つの駅舎が登録された、1962年の索道
城崎温泉ロープウェイは、兵庫県豊岡市城崎町湯島字寺ノ谷806-1にある索道で、3つの駅舎が2017年(平成29年)10月27日に登録有形文化財(建造物)となった。指定された文化財ではなく、登録された文化財である。3棟とも1962年に建てられている。
3棟は、山麓駅、温泉寺駅、山頂駅である。所有は城崎観光株式会社である。
文化庁は山麓駅を、温泉街を一望する大師山山頂への便を図るため敷設されたロープウェイの起点駅舎、と記す。
起点・中間点・終点として書き分けられる
3棟が、一本の路線の位置で説明されている。
山麓駅は起点駅舎、温泉寺駅は中間点駅舎、山頂駅は終点駅舎とされる。
路線のどこにあたるかが、それぞれの書き出しになっている。建物の種類ではなく、路線上の役割で呼び分けられる。
観音正寺では本堂・地蔵堂・護摩堂と堂の名で分かれ、古川家住宅では主屋・客間棟・離れ・蔵と用途で分かれていた。
本件は上り下りの順序で並ぶ。山麓から温泉寺を経て山頂へ、という一方向の並びになる。
3棟とも年代の欄は昭和中、西暦は1962年である。登録年月日も2017年10月27日で揃う。一度に敷かれた索道の駅であるためと読める。
三棟に共通する屋根の形がある
乗降場の屋根が、三つとも同じ作りとされる。
山麓駅について文化庁は、ヴォールト状の屋根は緩やかな曲線を描き、両側に梁を延ばして庇を受ける意匠とする、と記す。
温泉寺駅では、乗降場は吹放ちで、傾斜に応じて柱を延ばし、ヴォールト状の屋根を架けるシンプルな外観、とされる。
山頂駅では、乗降場の構造は他の駅舎と同様であるが、とされる。他の駅舎と同じと明記される。
ヴォールトはかまぼこ型に湾曲した屋根をいう。三棟が同じ形の屋根で結ばれていることになる。
萬福寺鐘堂では、延暦寺鐘楼と共通する構造とされた。あちらは別の寺の建物との一致である。本件は同じ路線の駅どうしで揃う。
構造が、駅によって違う
屋根は共通しながら、躯体の作り方は分かれる。
山麓駅は、鉄骨造2階建及び鉄筋コンクリート造平屋一部地下1階建、建築面積309平方メートルである。鉄骨造の駅舎と鉄筋コンクリート造の乗降場からなる、とされる。
温泉寺駅は鉄筋コンクリート造2階建、建築面積141平方メートルである。
山頂駅は鉄筋コンクリート造2階建、建築面積187平方メートルである。
山麓駅だけが鉄骨と鉄筋コンクリートの二種を併せ、地階も持つ。乗降場の東に地階付の機械室を設ける、とされる。
面積も309、141、187平方メートルと分かれる。起点の駅がいちばん大きい。
山頂駅には展望台が設けられる
終点の駅だけが、景色を見るための場所を備える。
文化庁は山頂駅について、西側は陸屋根で展望台を設ける、と記す。陸屋根は平らな屋根をいう。
他の二駅の屋根はヴォールト状だが、山頂駅の西側だけが平らで、その上が展望台になる。
続けて、景観に配慮された外観で、山頂の景観を良好にかたちづくる、と結ばれる。
行形亭土蔵では、道から見た眺めが親しまれていることが評価の理由になった。あちらは建物が見られる側である。
本件は山頂の景観をかたちづくるとされ、見られる側であると同時に、展望台から見る側でもある。
見学
所在は兵庫県豊岡市城崎町湯島字寺ノ谷806-1で、所有は城崎観光株式会社である。3棟とも同じ地番で記される。
山麓駅と山頂駅の間はおよそ659メートル離れる。温泉寺駅はその中間にあたる。
営業している索道の駅舎であり、乗車すれば三つとも通ることになる。
温泉寺駅には、二階の中央と北側の温泉寺側にも乗降場を設ける、とされる。
運行の状況や時間は運営者の定めによる。訪問前に確認したい。
参考文献
- 文化遺産オンライン 城崎温泉ロープウェイ山麓駅
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/275442
- 文化遺産オンライン 城崎温泉ロープウェイ温泉寺駅
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/294880
- 文化遺産オンライン 城崎温泉ロープウェイ山頂駅
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/290043
- 文化庁 国指定文化財等データベース
- https://kunishitei.bunka.go.jp/
最終更新日: 2026.09.13
基本情報
| 名称 | 城崎温泉ロープウェイ |
|---|---|
| 所在地 | 兵庫県豊岡市城崎町湯島字寺ノ谷806-1 |
| 所有者 | 城崎観光株式会社 |
| 指定 | 登録有形文化財 3件 |
| 座標 | 35.62397, 134.80054 |