清水寺(加東市)とは

清水寺(加東市)は、兵庫県加東市平木の御嶽山(みたけさん)の山上にある天台宗の寺院で、大正2年(1913年)の火災ののち大正6年(1917年)に再建された根本中堂など境内の建物5棟が、平成11年(1999年)6月7日に登録有形文化財となった。

西国三十三所観音霊場の第25番札所で、同じ霊場の第16番札所である京都市東山区の清水寺と区別するため、寺と札所会は「播州清水寺(ばんしゅうきよみずでら)」の名で案内している。加東市の文化財の案内でも読みは「きよみずでら」である。西国三十三所札所会によれば、寺は標高約500メートルの山上にあり、晴れた日には瀬戸内海や淡路島まで見渡せる。

清水寺の縁起

寺に伝わる縁起では、開山はインドから中国・朝鮮を経て御嶽山に入ったとされる法道仙人である。推古35年(627年)に推古天皇の勅願で根本中堂が建てられ、仙人が刻んだという十一面観音が安置されたと伝える。

寺号の由来も縁起に語られる。水に乏しい山上で仙人が水神に祈ったところ霊泉が湧き、その恵みに感謝して「清水寺」と名付けたという。この霊泉は今も「おかげの井戸」として根本中堂の左裏に残る。

縁起はさらに、神亀2年(725年)に聖武天皇が行基に命じて大講堂を建てたこと、のちに花山法皇が西国巡礼の途中で参って歌を詠み、それ以来この寺が西国25番の札所とされたことを記す。いずれも寺の伝えであり、建物としての年代を示すものではない。

大正2年の焼失と武田五一の全山再建

大正2年(1913年)、清水寺は山上の堂塔と僧坊をほぼすべて火災で失った。文化庁の解説によれば、復興は建築家の武田五一が立てた全山の再建計画に沿って進められ、施工は伊藤平左衛門が担った。天台宗の寺院紹介サイト「巡り」は、伊藤を名古屋の大工棟梁と紹介し、根本中堂には御嶽山に生えていた杉が使われたと伝えている。

文化庁のデータベースでは、根本中堂・大講堂・本坊・客殿の4棟が大正6年(1917年)、鐘楼が大正8年(1919年)の建築である。ただし寺の境内案内は、鐘楼の再建を大正9年(1920年)としている。火災から4年で中心伽藍の4棟がそろって完成したことになる。

寺の案内には、火災のとき本尊の十一面観音が「自ら避難」したという話が載る。本尊は焼失を免れ、再建された根本中堂に戻された。

5棟の登録

清水寺(加東市)の5棟は、平成11年(1999年)6月7日の第17回登録でそろって登録有形文化財となり、同年7月19日に告示された。登録番号は根本中堂が28-0047、大講堂が28-0048、鐘楼が28-0049、本坊が28-0050、客殿が28-0051の連番である。5棟とも、登録基準は「造形の規範となっているもの」である。

5棟の性格ははっきり分かれる。本尊を祀る根本中堂、札所の本尊を祀り巡礼者を迎える大講堂、梵鐘を吊る鐘楼、寺務所が置かれた本坊、本坊に付いた客殿である。仏堂の格式、寺の暮らしの場、来客をもてなす場という役割の違いが、屋根の形や規模の違いとして一つの再建計画のなかに描き分けられている。

境内の配置と歩く順序

文化庁の解説とデータベースの座標を合わせると、清水寺(加東市)の5棟は次の順に並ぶ。座標の上では、5棟は互いにおよそ120メートルの範囲に収まる。

  • 山上の駐車場から仁王門をくぐり、大講堂へ向かう参道を進む。参道の北側、擁壁の上の平地の西寄りに本坊が建ち、唐破風の玄関を東の大講堂へ向けている。
  • 本坊と大講堂のあいだに客殿がある。本坊の大広殿から渡廊下でつながる、東西に長い低い建物である。
  • 参道の先、石段の下に南を向いて建つのが大講堂で、西国25番の札所の堂で、寺の公式サイトによれば御朱印帳や御守もここで扱っている。
  • 大講堂から根本中堂へ上る石段の途中、踊場の西側に、東を向いて鐘楼が建つ。
  • 石段を上りきった最も高い場所に根本中堂が建つ。寺の案内では、大講堂から根本中堂までの石段は80段である。

参道沿いの本坊と客殿は寺の生活と接客の場で、仏堂の大講堂と根本中堂は石段の上下に分かれる。低い場所から順に、暮らしの建物、札所の堂、本尊の堂と高さを上げていく構成になっている。

清水寺(加東市)の拝観と行き方

開門は午前8時から午後5時までで、入場は午後4時30分までである。拝観料は令和8年(2026年)10月1日に改定され、一般800円、高校生500円、中学生以下は無料となった(改定前は一般500円、高校生300円)。団体割引があり、寺に問い合わせて確かめる。

公共交通では、JR福知山線(JR宝塚線)の相野駅前から神姫バスの清水寺行きに乗り、終点で降りる。バスは1日2便しかない。所要は寺や札所会の案内で約35分とされるが、寺の公式サイトに載る時刻例(相野午前10時15分発・午後1時10分発)では48分かかる。帰りの例は清水寺午後0時3分発と午後2時50分発で、乗り遅れると次の便がないため、帰りの時刻を先に決めておきたい。寺の案内では、相野駅からタクシーを使うと片道4000円ほどである。

車では、舞鶴若狭自動車道の三田西ICからも、中国自動車道のひょうご東条ICからも約20分である。西国三十三所札所会の案内では、山上に乗用車340台と大型バス20台を止められる無料の駐車場がある。堂内の撮影の可否は公表されていないので、現地の掲示や受付で確かめてほしい。

参考文献

国指定文化財等データベース 清水寺根本中堂(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001131
国指定文化財等データベース 清水寺大講堂(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001132
国指定文化財等データベース 清水寺鐘楼(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001133
国指定文化財等データベース 清水寺本坊(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001134
国指定文化財等データベース 清水寺客殿(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001135
文化遺産オンライン 清水寺根本中堂
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/138401
文化遺産オンライン 清水寺大講堂
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/166442
文化遺産オンライン 清水寺鐘楼
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/181043
文化遺産オンライン 清水寺本坊
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/114014
文化遺産オンライン 清水寺客殿
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/147745
加東市 清水寺根本中堂
https://www.city.kato.lg.jp/kakukanogoannai/kyouikushinkoubu/shogaigakushuka/bunkazai/siteibunkazai/tourokuyuukeibunkazai/1545375286630.html
加東市 清水寺大講堂
https://www.city.kato.lg.jp/kakukanogoannai/kyouikushinkoubu/shogaigakushuka/bunkazai/siteibunkazai/tourokuyuukeibunkazai/1545443396610.html
加東市 清水寺鐘楼
https://www.city.kato.lg.jp/kakukanogoannai/kyouikushinkoubu/shogaigakushuka/bunkazai/siteibunkazai/tourokuyuukeibunkazai/1545444257869.html
加東市 清水寺本坊
https://www.city.kato.lg.jp/kakukanogoannai/kyouikushinkoubu/shogaigakushuka/bunkazai/siteibunkazai/tourokuyuukeibunkazai/1545444796181.html
加東市 清水寺客殿
https://www.city.kato.lg.jp/kakukanogoannai/kyouikushinkoubu/shogaigakushuka/bunkazai/siteibunkazai/tourokuyuukeibunkazai/1545445731473.html
播州清水寺 公式サイト(拝観料・境内マップ・アクセス)
https://kiyomizudera.net/
播州清水寺 公式サイト 縁起
https://kiyomizudera.net/enki
西国三十三所札所会 第二十五番 播州清水寺
https://saikoku33.gr.jp/place/25
巡り(天台宗) 播州清水寺
https://www.1200meguri.jp/places/56
加東市観光協会 播州清水寺
https://www.kato-kanko.jp/tourist_information/kiyomizu-temple/

最終更新日: 2026.10.04

基本情報

名称清水寺(加東市)
所在地兵庫県加東市平木1194
所有者宗教法人清水寺
指定登録有形文化財 5件
座標34.97263, 135.08157