木造雲中供養菩薩像(所在鳳凰堂)とは
木造雲中供養菩薩像(所在鳳凰堂)は、京都府宇治市宇治蓮華の平等院鳳凰堂のために天喜元年(1053年)に定朝工房で造られた52躯の菩薩像群で、昭和30年(1955年)6月22日に国宝に指定された。明治37年(1904年)に旧法で指定され、文化財保護法のもとで国宝となった。
平等院によれば、像は鳳凰堂中堂内部の長押の上の小壁に懸け並べられ、本尊の阿弥陀如来坐像を南北それぞれコの字形に囲む。南北に半数ずつ分けて懸けられ、各像には南北それぞれ1から26までの番号が付けられている。
国宝に指定された理由
平等院の解説によれば、各像はいずれも頭光(輪光)を負い、飛雲の上に乗って変化に富んだ姿勢をとる。5躯は僧の姿の比丘形で、ほかは菩薩形である。楽器を奏でる像、舞を舞う像、持物をとる像、合掌する像があり、阿弥陀如来が来迎する浄土の情景を堂内に表している。
同じ群像のうち、現在は国(文化庁)が所有する1躯の解説で、文化庁は、本来は截金を交えた彩色像であり、軽快で優美な姿に、浮彫的な手法を用いながら各所を彫りくぼめて巧みに立体感を与える手法に、定朝工房の優れた技量が見て取れると評価している。本尊阿弥陀如来坐像と同じ工房、同じ年の作として、11世紀の堂内荘厳がまとまって伝わる点に大きな価値がある。
見どころ
平等院は、いくつかの像の特徴を紹介している。北25号は左手に持った蓮台を右手で包み込むような仕草の像で、蓮台が本体と共木で彫り出され、当初の持物を唯一残す例である。南20号は右手で天衣をつかみ、左足を持ち上げて舞う姿で、背面の「満月」の墨書から満月菩薩として造られたとされる。南21号は雲の上に正面を向いて坐り、笙を奏でている。
僧形の南12号には、衣の肩のあたりに截金の丸菱文が残り、当初のきらびやかさをしのばせる。現在、彩色はほとんど残っていないが、復元模刻像の北26号は、かつての鮮やかな色を伝えている(平等院)。
拝観について
52躯のうち26躯は平等院ミュージアム鳳翔館に収蔵・展示されている(平等院)。鳳翔館の開館は午前9時から午後5時(受付は午後4時45分まで)で、庭園と鳳翔館の拝観料は大人700円、中高生400円、小学生300円。鳳凰堂に残る像は、鳳凰堂の内部拝観(1人300円の志納、午前9時30分から午後4時10分、先着順)で見ることができる。
平等院によれば、2026年10月16日から鳳凰堂内部拝観の定員は各回50名から35名に変わり、繁忙期は待ち時間が長くなると見込まれている。法要や行事で内部拝観を休むことがある。平等院の専用駐車場はなく、近隣のコインパーキングなどを利用する。所在地は京都府宇治市宇治蓮華116(電話0774-21-2861)。
Q&A
- 雲中供養菩薩像は全部で何躯ありますか?
- 52躯です。平等院によれば、半数の26躯はミュージアム鳳翔館に収蔵・展示されています。
- 木造雲中供養菩薩像はいつ造られましたか?
- 天喜元年(1053年)に、本尊阿弥陀如来坐像を造った定朝の工房で制作されました。
- 木造雲中供養菩薩像(所在鳳凰堂)はいつ国宝に指定されましたか?
- 昭和30年(1955年)6月22日に国宝に指定されました。
- 雲中供養菩薩像はどのような姿をしていますか?
- 雲に乗り、楽器を奏でたり舞ったり、持物をとったり合掌したりしています。5躯は僧形で、ほかは菩薩形です。
- 雲中供養菩薩像はどこで見られますか?
- 26躯は平等院ミュージアム鳳翔館で、残りは鳳凰堂の内部拝観で見られます。内部拝観は先着順で、2026年10月16日から定員が35名になります。
基本情報
| 名称 | 木造雲中供養菩薩像(所在鳳凰堂)(もくぞううんちゅうくようぼさつぞう) |
|---|---|
| 所在地 | 京都府宇治市宇治蓮華116(平等院) |
| 指定区分 | 国宝(美術工芸品・彫刻) |
| 指定年 | 昭和30年(1955年)6月22日国宝指定(明治37年(1904年)2月18日旧法指定) |
| 員数 | 52躯 |
| 寸法 | 記録なし |
| 所有者 | 平等院 |
| 公開状況 | 26躯は鳳翔館で展示、ほかは鳳凰堂の内部拝観で拝観可 |
参考文献
- 木造雲中供養菩薩像(所在鳳凰堂)(国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/259
- 木造雲中供養菩薩像(国指定文化財等データベース、文化庁所有の1躯)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/00011830
- 彫刻&工芸(世界遺産 平等院)
- https://www.byodoin.or.jp/learn/sculpture/
- ミュージアム鳳翔館(世界遺産 平等院)
- https://www.byodoin.or.jp/museum/
- 拝観案内(世界遺産 平等院)
- https://www.byodoin.or.jp/guide/
- 2026年10月16日以降の鳳凰堂内部拝観 定員数の変更について(世界遺産 平等院)
- https://www.byodoin.or.jp/news/cat23/20261016/
最終更新日: 2026.10.04