千歳文庫とは

千歳文庫は、三重県津市垂水の千歳山にある、昭和5年(1930年)に川喜田半泥子が同家の所蔵品を収めるため自邸内に建てた鉄筋コンクリート造4階建の収蔵庫で、平成18年(2006年)3月2日に国の登録有形文化財(建造物)となった。読みは「ちとせぶんこ」。現在も石水博物館の収蔵庫として使われている(石水博物館)。

文化庁の記録では、鉄筋コンクリート造4階建、銅板葺、建築面積157平方メートル。登録番号は24-0057で、所有者は財団法人石水会館(現在の公益財団法人石水博物館)である。

川喜田半泥子と石水博物館

津市によれば、川喜田半泥子は明治11年(1878年)に川喜田久太夫家15代の長男として生まれた。川喜田家は寛永年間(1624〜1644年)創業の木綿問屋で、伊勢国に本拠を置き江戸大伝馬町に店を持つ豪商だった。半泥子は百五銀行の頭取などを務める一方、茶道や絵画、俳句に親しみ、陶芸では独自の世界を築いた。

石水博物館によれば、半泥子は昭和5年に地域文化の振興と社会福祉の拠点として財団法人石水会館を設立した。博物館は平成23年(2011年)に半泥子ゆかりの千歳山へ移転し、川喜田家の旧蔵品や半泥子の作品を展示している。設計者の前田健二郎は高島屋日本橋店や京都市美術館を手がけた建築家で、施工は安藤組と伝わる。

登録有形文化財としての価値

千歳文庫は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。文化庁の解説は、装飾を抑えた堅牢な外観を示すとしている。石水博物館は、高床式、二重壁、二重窓など収蔵庫としてよく考えられた構造のため、一年を通して湿度の変動がゆるやかであると紹介している。

見どころ

千歳文庫は南北に長い平面で南端を半円形とし、西に階段室が付く。外壁は煉瓦タイル張りで、各階の同じ位置に窓を配し、3階と4階の南面にバルコニーを設ける。屋根は鉄骨トラスを組んだ銅板瓦棒葺である(文化庁)。

石水博物館によれば、総床面積は636.53平方メートルで、当初は三重県で2例目といわれるエレベーターを備えていた。平成21年(2009年)には内側からコンクリートを打ち増す耐震補強が行われた。

見学について

千歳文庫は収蔵庫として使われているため内部は非公開である。石水博物館の駐車場からエントランスへ続くスロープやガラス張りのロビーから、森の中に建つ外観を眺められる(石水博物館、津市)。

石水博物館は10時から17時(入館16時30分まで)、月曜日(祝日の場合は翌日)・展示替え期間・年末年始は休館。一般500円。JR阿漕駅から徒歩12分、津駅から三重交通バス「青谷口」下車徒歩8分(観光三重)。

Q&A

Q千歳文庫はいつ建てられましたか?
A昭和5年(1930年)に川喜田半泥子が建てました(文化庁、石水博物館)。
Q千歳文庫を設計したのは誰ですか?
A高島屋日本橋店や京都市美術館を手がけた前田健二郎です(石水博物館)。
Q千歳文庫の収蔵庫としての工夫は?
A高床式、二重壁、二重窓の構造で、一年を通して湿度の変動がゆるやかです(石水博物館)。
Q千歳文庫の内部は見学できますか?
A現在も収蔵庫のため非公開です。石水博物館のスロープやロビーから外観を眺められます(石水博物館)。
Q千歳文庫が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成18年(2006年)3月2日です。

基本情報

名称千歳文庫(ちとせぶんこ)
所在地三重県津市大字垂水字千歳3032-21
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成18年(2006年)3月2日登録
員数1棟
寸法鉄筋コンクリート造4階建、銅板葺、建築面積157平方メートル
所有者公益財団法人石水博物館(登録時は財団法人石水会館)
公開状況内部非公開、石水博物館から外観を眺望可

参考文献

千歳文庫(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00005277
石水博物館(千歳文庫)
https://sekisui-museum.or.jp/
川喜田半泥子(津市)
https://www.info.city.tsu.mie.jp/www/sp/contents/1001000011153/index.html
石水博物館(観光三重)
https://www.kankomie.or.jp/spot/3120

最終更新日: 2026.10.10