東阿倉川イヌナシ自生地とは:原始的な野生ナシの自生地

東阿倉川イヌナシ自生地は、三重県四日市市東阿倉川にある野生ナシの一種イヌナシの自生地で、大正11年(1922年)に国の天然記念物に指定された。

読みは「ひがしあくらがわいぬなしじせいち」。指定年月日は大正11年(1922年)10月12日で、翌大正12年(1923年)12月13日から四日市市が管理団体となっている。

指定の理由:日本の野生ナシで最も原始的

文化庁の指定時の解説は、イヌナシを日本産の野生ナシの中で最も原始的なもので、果実の直径は1センチメートルほどにすぎないと記している。

四日市市によると、明治35年(1902年)、四日市市立高等小学校に勤めていた植松栄次郎が同僚とともにこの木を見つけ、植物学者の牧野富太郎に鑑定を依頼したところ、新種のナシと判定されてイヌナシと名付けられた。命名の舞台となった場所そのものが守られている点に、この自生地の意味がある。

見どころ:4月の白い花と小さな実

四日市市によれば、自生地には当初からの木が2株、観察のために移植した木が6株あり、アイナシも1株ある。毎年4月中頃に小さな白い花を咲かせ、夏に直径1センチメートルほどの実をつける。実は小さいが、外見は食用のナシとほとんど変わらない。

かつては中央の低地を流れる小川のおかげで水分を得やすく、南へ緩やかに傾いて水はけもよい土地に多くのイヌナシが育っていた。戦後の開発や汚水で環境が悪化し、当初の木は2株にまで減った。現在は地元の保存会や子ども会、中学校の生徒会の奉仕活動で守られている。

見学方法:自生地を訪ねる

自生地は四日市市立山手中学校の東にある。見学の時間や料金の定めはなく、案内施設もない。

木に触れたり枝や実を取ったりすることは避け、保存活動の妨げにならないよう見学してほしい。問い合わせは四日市市の文化課へ。

Q&A

Q東阿倉川イヌナシ自生地はどこにありますか?
A三重県四日市市東阿倉川で、市立山手中学校の東にあります。
Qイヌナシとはどんな植物ですか?
A日本の野生ナシの中で最も原始的とされる種類で、4月中頃に白い花を咲かせ、夏に直径1センチメートルほどの実をつけます。
Qイヌナシはどのように発見されましたか?
A明治35年(1902年)に植松栄次郎らが見つけ、牧野富太郎の鑑定で新種と判定されてイヌナシと名付けられました。
Q東阿倉川イヌナシ自生地はいつ天然記念物に指定されましたか?
A大正11年(1922年)10月12日です。
Q東阿倉川イヌナシ自生地のイヌナシは何株ありますか?
A四日市市によると当初からの木が2株、移植した木が6株あり、アイナシも1株あります。

基本情報

名称東阿倉川イヌナシ自生地
所在地三重県四日市市大字東阿倉川
指定区分天然記念物
指定年大正11年(1922年)10月12日指定
員数イヌナシ当初木2株(移植木6株)
寸法果実の直径約1センチメートル
所有者管理団体 四日市市
公開状況屋外。見学施設なし

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「東阿倉川イヌナシ自生地」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/401/1493
文化遺産オンライン「東阿倉川イヌナシ自生地」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/162941
四日市市「東阿倉川イヌナシ自生地」
https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1001000002673/index.html

最終更新日: 2026.09.27