伊勢河崎商人館サイダー検査室とは

伊勢河崎商人館サイダー検査室は、三重県伊勢市河崎にある昭和初期の鉄筋コンクリート造平屋建で、平成13年(2001年)8月28日に国の登録有形文化財に登録された。建築面積は12平方メートル。伊勢河崎商人館の12棟の中で、木造でも土蔵造でもない建物は、この検査室とサイダーろ過施設の2棟だけである。

文化庁の解説によれば、小川酒店は昭和期に入って酒卸業に加えてサイダー工場を併設し、生産と販売を行っていた。伊勢河崎商人館サイダー検査室は、その製造ラインに付属した小さな建物である。

登録の理由と価値

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。伊勢河崎商人館サイダー検査室は12平方メートルしかないが、屋敷の中で近代の製造業が動いていたことを示す数少ない痕跡として評価された。文化庁は、小規模ながら近代における製造業の証左となる建物と記している。

登録された12棟のうち、江戸から明治の商家建築が10棟を占める中で、昭和の工場設備に属する建物が2棟含まれている。屋敷の年表が酒問屋の時代で止まっていない点が、この蔵屋敷を単なる商家の遺構と違うものにしている。

見どころ

屋根は陸屋根である。ただし平らな屋根で終わらせず、パラペットの上に瓦を載せている。鉄筋コンクリートという当時の新しい構法を使いながら、周囲の瓦屋根の並びから浮かないようにしている。伊勢河崎商人館サイダー検査室の外観で最初に見るべきはこの取り合わせである。

外壁の下部は洗い出し仕上げとする。セメントが固まりきる前に表面を洗い、混ぜた骨材の粒を浮き上がらせる仕上げで、近づくと石の粒が見える。上部と下部で表情を変える処理は、小さな建物にかけられた手間の量を示している。

見学方法

伊勢河崎商人館サイダー検査室は、伊勢市によればまちなみ広場を利用するときの準備室として使われており、内部は一般には公開されていない。見学は外観に限られる。

まちなみ広場の側に立つので、広場から全体を見渡せる。見るべきは、パラペットの上に載る瓦の線と、外壁下部の洗い出しの肌である。どちらも近づかないと分からないので、広場を横切るときに足を止めたい。撮影の可否は受付で確認できる。

よくある質問

Q伊勢河崎商人館サイダー検査室はどんな建物ですか?
A昭和初期の鉄筋コンクリート造平屋建で、建築面積は12平方メートルです。陸屋根のパラペットに瓦を載せ、外壁下部は洗い出し仕上げとしています。
Q伊勢河崎商人館サイダー検査室は何のための建物でしたか?
A文化庁の解説によれば、小川酒店が昭和期に酒卸業に加えて併設したサイダー工場に付属する建物です。製造したサイダーの検査を行う場でした。
Q伊勢河崎商人館サイダー検査室の中に入れますか?
A内部は公開されていません。伊勢市によれば、現在はまちなみ広場を利用するときの準備室として使われており、見学は外観に限られます。
Q伊勢河崎商人館サイダー検査室はなぜ登録有形文化財なのですか?
A「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で平成13年(2001年)8月28日に登録されました。小規模ながら近代の製造業を示す建物として評価されています。
Q伊勢河崎商人館サイダー検査室はどこにありますか?
Aまちなみ広場の周辺です。かつてサイダーの製造場と出荷通路があった一帯が、現在は広場になっています。

基本データ

名称伊勢河崎商人館サイダー検査室
所在地三重県伊勢市河崎2-25-32
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成13年(2001年)8月28日登録
員数1棟
寸法鉄筋コンクリート造平屋建、建築面積12平方メートル
所有者伊勢市
公開状況外観のみ見学可、内部は非公開(伊勢河崎商人館の入館料は大人350円、毎週火曜休館)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「伊勢河崎商人館サイダー検査室」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002268
伊勢市「伊勢河崎商人館サイダー検査室」
https://www.city.ise.mie.jp/cul_spo_edu/culture/bunkazai_shiseki/bunkazai/yukei/1005923.html
伊勢市「伊勢河崎商人館 施設概要と管理運営方法」
https://www.city.ise.mie.jp/cul_spo_edu/culture/shisetsu/syouninkan/1005012.html
伊勢市「施設案内 伊勢河崎商人館」
https://www.city.ise.mie.jp/cul_spo_edu/culture/shisetsu/syouninkan/index.html

最終更新日: 2026.09.14