古澤醸造麹室・検定室及び作業場 ― 酒造りの起点

古澤醸造の敷地中央に、南北へ棟を通して建つのが、すべての工程の起点となる麹室・検定室及び作業場である。創業と同じ明治25年(1892年)ごろの建築とされ、昭和30年頃に増築、昭和36年(1961年)に改修された。一棟の切妻屋根のもとに、土蔵造の麹室・作業場と、木造の検定室が組み合わさる。

登録の理由と価値

発酵を担う麹菌を米に繁殖させる麹造りには、温もりと安定した湿度が欠かせない。麹室はそのために設えられている。内壁と天井は板張とし、板の裏に籾殻を詰めて断熱する。採光の硝子窓を西面に二箇所、東面に一箇所開け、天井には熱と湿気を逃がす換気口を一つ設ける。平成30年(2018年)11月2日、伝統的な醸造業に欠かせない施設の一つとして、登録有形文化財(建造物)に登録された。

見どころ

古澤醸造は今も手作業で麹をつくる。この室では、種付けした米を棚で世話し、機械ではなく小さな天窓を開けて室温を下げる。隣の検定室は、造り手が焼酎を計り検(あらた)める場である。

5代目杜氏の古澤昌子は、先代からこの技を受け継ぎ、季節ごとに繰り返してきた。麦と米とそばは5月から、芋は10月から仕込む。

Q&A

Q麹室とは何ですか。
A米に麹菌を繁殖させる部屋で、焼酎造りの最初の工程を担います。古澤醸造では今も、この室で棚を使って手作業で麹を育てます。
Qなぜ壁に籾殻が詰められているのですか。
A籾殻は断熱材の役目を果たし、麹に必要な温かく安定した環境を保ちます。硝子窓と天井の換気口で、造り手が室内の環境を細かく調えます。
Q検定室は何のための部屋ですか。
A造り手が焼酎を計り、確かめるための木造の部屋です。麹室・作業場と同じ屋根の下にあります。
Q麹造りを見学できますか。
A麹造りは現役の生産工程であり、展示ではありません。見学を希望する場合は事前に蔵元へご連絡ください。店舗は営業時間内に開いています。

基本情報

名称古澤醸造麹室・検定室及び作業場(ふるさわじょうぞうこうじむろ・けんていしつおよびさぎょうじょう)
所在地宮崎県日南市大堂津四丁目4748(登録上)/蔵元は大堂津4-10-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
登録年月日平成30年(2018年)11月2日
員数1棟
構造・形式土蔵造及び木造平屋建、瓦葺、建築面積116平方メートル
年代明治25年(1892年)頃/昭和30年頃増築、昭和36年改修
所有者古澤醸造合名会社
見学店舗8:00〜17:00、不定休/大堂津駅から徒歩約10分

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース ― 古澤醸造麹室・検定室及び作業場
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012668
古澤醸造合名会社 ― 公式サイト
https://nichinan-yaezakura.jp/
日南市観光協会 観光にちなん ― 古澤醸造合名会社
https://www.kankou-nichinan.jp/tourisms/792/

最終更新日: 2026.07.03