常敬寺とは

常敬寺(じょうきょうじ)は、新潟県上越市寺町二丁目にある真宗大谷派の寺院で、弘安7年(1284年)に親鸞の孫の唯善が開いたと伝わり、境内の本堂・鐘楼・山門の3棟が令和7年(2025年)8月6日に登録有形文化財となった。山号と院号をあわせて中戸山西光院(なかとさんさいこういん)と称し、本尊は阿弥陀如来。弁柄で赤く塗った山門にちなんで、地元では「赤門さん」と呼ばれている。

常敬寺は旧高田城下の西の外れに寺院が連なる寺町の一画にあり、山門は裏寺町通りに東を向いて開く。文化庁の登録上の所在地は地番の「寺町二丁目117-1」だが、寺や上越市の案内は住居表示の「寺町2丁目7-28」を使っている。どちらもこの境内を指している。

下総から信濃を経て越後高田へ

常敬寺の由緒によれば、寺の始まりは唯善が下総国中戸(現在の千葉県)に構えた西光院である。はじめは常敬寺の寺号を持たなかった。寺伝では、西光院は後宇多天皇の勅願所とされ、それに伴って赤い門を許されたという。第4世の善栄が「弥陀本願寺」を名乗ったのち、第6世の善鷲が本願寺の蓮如に帰順し、蓮如から「常敬寺」の寺号を受けた。

天正2年(1574年)の関宿での合戦で堂宇を焼かれ、寺地も失った。天正4年(1576年)に信濃へ移り、慶長年間の初め頃に堀氏の招きで越後に入る。高田の寺町に移ったのは寛文6年(1666年)で、延宝7年(1679年)には本願寺派から真宗大谷派へ転じた。

千葉県野田市関宿にも本願寺派の常敬寺がある。常敬寺の説明では、こちらは旧地に建った福泉寺が元禄14年(1701年)に同じ寺号へ改めた寺で、上越の常敬寺とは血縁のつながりがないという。

常敬寺の3棟の登録と年代

常敬寺の3棟は、令和7年(2025年)3月21日の文化審議会の答申を経て、同年8月6日にそろって登録有形文化財となった。登録番号は15-0606から15-0608までの連番である。文化庁のデータベースが示す年代と登録基準は次のとおり。

  • 本堂:享保16年(1731年)建築、昭和63年(1988年)改修。登録基準は「造形の規範となっているもの」
  • 鐘楼:寛政4年(1792年)建築、昭和60年(1985年)頃改修。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」
  • 山門:江戸後期建築、昭和30年代改修。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」

寺町に移ってから65年後に本堂が建ち、その61年後に鐘楼が加わった。山門は江戸後期とされるだけで、建てられた年は分かっていない。常敬寺の副住職は、寺町の寺院に現存する本堂のなかで、常敬寺本堂は建築年が2、3番目に古いとみられると寺のブログに記している。雪国では冬の厳しさから古い木造建築が残りにくい、というのがその添え書きである。

建造物のほかに、常敬寺には上越市の文化財である木造聖徳太子立像がある。16歳の太子の姿を表した孝養像で、「鼻取り太子」の名でも知られる。

常敬寺の境内の配置と歩く順序

常敬寺の境内は裏寺町通りの西側にある。通りに面して東向きに立つのが山門で、門を入った奥、西側に本堂が東を正面にして建つ。鐘楼は本堂の南東、境内の南寄りに基壇を築いて立つ。3棟は70メートルほどの範囲に収まっている。

通りから山門の赤い軸部と妻の蟇股を見上げ、門をくぐって本堂の正面と向拝の前に立ち、そこから左手(南)の鐘楼へ回ると、3棟をひととおり見られる。各棟の見どころと見学の条件は、それぞれのページにまとめた。

常敬寺の参拝と行き方

常敬寺は、誰でも気軽に参拝してよいと案内しており、境内には自由に入れる。寺の公式サイトには拝観料や拝観時間の定めは示されていない。本堂の内部に上がりたい場合は、事前に電話をするよう寺が求めている。

上越は豪雪地帯で、常敬寺の参拝記念印の受付も12月下旬から3月中旬頃までは休みになる。冬に訪ねる場合は、境内や寺町の道が雪で歩きにくいことも考えておきたい。

最寄り駅はえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの高田駅で、寺の案内では歩いて約12分かかる。車の場合は上信越自動車道の上越高田インターチェンジから約10分、北陸自動車道の上越インターチェンジから約20分。上越市の寺町の案内図には、寺町駐車場も載っている。

参考文献

国指定文化財等データベース 常敬寺本堂(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015429
国指定文化財等データベース 常敬寺鐘楼(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015430
国指定文化財等データベース 常敬寺山門(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015431
登録有形文化財(建造物)に関する答申が出されました(新潟県)
https://www.pref.niigata.lg.jp/site/bunka/tourokutoushin250321.html
今回登録の物件概要(新潟県、PDF)
https://www.pref.niigata.lg.jp/uploaded/attachment/438007.pdf
登録有形文化財(建造物)に関する告示が出されました(新潟県)
https://www.pref.niigata.lg.jp/site/bunka/tourokutoushin250821.html
上越市の登録有形文化財(建造物)一覧(上越市、PDF)
https://www.city.joetsu.niigata.jp/uploaded/attachment/273003.pdf
城下町高田ガイド 寺町界隈(上越市、PDF)
https://www.city.joetsu.niigata.jp/uploaded/attachment/265080.pdf
お寺の歴史(常敬寺公式サイト)
https://saikoinjyokyoji.wixsite.com/temple/blank
アクセス(常敬寺公式サイト)
https://saikoinjyokyoji.wixsite.com/temple/blank-1
御朱印(常敬寺公式サイト)
https://saikoinjyokyoji.wixsite.com/temple/blank-2
当山常敬寺が「国登録有形文化財」に登録されました(常敬寺ブログ)
https://saikoinjyokyoji.livedoor.blog/archives/39576397.html
中戸山西光院 常敬寺(上越観光Navi)
https://joetsukankonavi.jp/spot/detail.php?id=406

最終更新日: 2026.09.29

基本情報

名称常敬寺
所在地新潟県上越市寺町二丁目117-1
所有者宗教法人常敬寺
指定登録有形文化財 3件
座標37.11103, 138.23788