鴉宮とは:伝法の河岸に鎮まる港の神社

鴉宮(からすのみや)は、大阪府大阪市此花区伝法にある神社で、昭和6年(1931年)に建てられた本殿・拝殿・中門及び透塀と、天明元年(1781年)の稲荷社(旧本殿)の4件が国の登録有形文化財に登録されている。

此花区によると、建保3年(1215年)、海運に携わる人々が港の繁栄を願って土地の鎮守として伝母頭(もりす)神社を創建したのが始まりという。豊臣秀吉が出兵する際に3本足の鴉が先導し、海路が平安であったことから、本宮鴉宮と改められたと伝えられる。

文化庁の登録記録によると、境内は淀川の下流部の南側、河岸に位置している。

境内の4件

昭和6年(1931年)に一体で整えられた社殿群は、境内の奥の本殿と、その前の中門及び透塀、境内の中央の拝殿からなる。本殿は桁行2.8メートル、梁間2.3メートルの小さな神明造で、低い亀腹の上に建ち、総円柱とし、妻柱の外側に棟持柱を立て、棟に千木と鰹木を載せる。文化庁は、小規模ながら昭和初期の神明造本殿として価値があると評価している。

中門は拝殿の後方の切石積みの基壇に建つ四脚門で、両側に延びる延長30メートルの透塀が本殿を囲む。菱格子の桟唐戸を開き、軒と屋根は本殿と同じく直線的に構成される。これに対して拝殿は、雲龍の彫刻や彫刻付きの蟇股で飾った華やかな意匠で、本殿の簡素さと対照をなす。

境内の東隅には、平成31年(2019年)に登録された稲荷社(旧本殿)が建つ。天明元年(1781年)の一間社流造で、高い切石積みの基壇の上に南を正面として建ち、擬宝珠高欄付きの縁を廻らす。蟇股や妻飾りを躍動感のある彫刻で飾り、小社ながら豊かな細部をもつと文化庁は評価している。昭和6年(1931年)の3件は平成20年(2008年)に登録された。

参拝と訪問

此花区によると、鴉宮へは阪神なんば線の千鳥橋駅から北西へ約400メートルである。参拝の料金や時間について公式の案内は見当たらなかった。社殿は現役の神社の建物なので、参拝の妨げにならないよう静かに見学したい。

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「鴉宮本殿」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007081
文化庁 国指定文化財等データベース「鴉宮拝殿」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007082
文化庁 国指定文化財等データベース「鴉宮中門及び透塀」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007083
文化庁 国指定文化財等データベース「鴉宮稲荷社(旧本殿)」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/000012762
大阪市此花区「本宮鴉宮」
https://www.city.osaka.lg.jp/konohana/page/0000001454.html

最終更新日: 2026.09.27

基本情報

名称鴉宮
所在地大阪府大阪市此花区伝法2-1-1
所有者宗教法人鴉宮
指定登録有形文化財 4件
座標34.68728, 135.45546