旧柿原商店石塀とは

旧柿原商店石塀(きゅうかきはらしょうてんいしべい)は、埼玉県秩父市本町にある銘仙問屋の屋敷の北辺を区切る昭和5年(1930年)築造の石造の塀で、平成14年(2002年)8月21日に登録有形文化財となった。延長は約30メートル、員数は1基である。

旧柿原商店の屋敷は市街地の角地にあり、正面の東側を店舗及び主屋が、北側をこの旧柿原商店石塀が受け持つ。建物ではなく工作物だが、屋敷の輪郭を道に向けて示すという点で、主屋と同じく表の役を担っている。

切石の布積と、玉石の基礎

旧柿原商店石塀の石は凝灰岩系の切石で、布積に積まれている。布積は、高さをそろえた石を横に通して並べ、目地が水平に一直線に通るようにする積み方で、整った横縞が塀の表情になる。凝灰岩は火山灰が固まった石で、軟らかく加工しやすいため、切石として形を整えやすい。

敷地の北辺は平らではなく、傾斜している。文化庁の解説によれば、旧柿原商店石塀はその傾きを基礎の玉石積で処理している。玉石積は丸みのある石を積む方法で、形のそろわない石でも地面の高低になじませやすい。坂に沿って歩くと、切石の塀の下にのぞく玉石積の見え方が場所によって変わることに気づくだろう。

アーチの通用口

旧柿原商店石塀のなかほどには、出入りのための通用口が開き、その上部はアーチ形につくられている。文化庁の解説がわざわざ「アーチ式開口部」と書き留めている部分で、水平の目地が続く布積の面に、曲線がひとつだけ入る。

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」、登録番号は11-0045である。文化庁は、昭和初期の商家建築の外構をよく整えている点を評価している。

秩父市の解説には、この塀を「明治期の商家建築の外構」とする一文がある。同じページの建築年代欄は昭和5年としており、文化庁のデータベースも昭和5年(1930年)とするので、本記事はそちらに従った。市のページは員数を「1棟」とするが、文化庁の記載は「1基」である。

見学のしかた

旧柿原商店石塀は屋敷の北側の道に面しており、道から時間を問わず見られる。秩父ふるさと館の営業時間や水曜日の定休日に関係なく、外から眺められる。

見るなら、まず塀の端から端まで歩いてみたい。約30メートルのあいだに、布積の水平の目地、傾斜を受け止める玉石積の基礎、そしてなかほどのアーチの通用口が順に現れる。道から撮影するぶんには問題になりにくいが、通行の妨げにならないよう気をつけたい。施設全体の行き方は旧柿原商店のページにまとめてある。

Q&A

Q旧柿原商店石塀はいつ築かれましたか。
A文化庁のデータベースでは昭和5年(1930年)です。平成14年(2002年)8月21日に登録有形文化財となりました。
Q旧柿原商店石塀はどんな石でできていますか。
A凝灰岩系の切石を布積にしています。基礎は玉石積で、敷地の傾斜はこの基礎で処理しています。
Q旧柿原商店石塀の長さはどのくらいですか。
A延長は約30メートルです。屋敷の北辺を区切っています。
Q旧柿原商店石塀の見どころはどこですか。
A塀のなかほどにある通用口です。上部がアーチ形につくられ、水平の目地が続く布積の面に曲線が入ります。
Q旧柿原商店石塀はいつでも見られますか。
A北側の道に面しているので、道から時間を問わず見られます。秩父ふるさと館の定休日である水曜日でも外から眺められます。

基本データ

名称旧柿原商店石塀(きゅうかきはらしょうてんいしべい)
所在地埼玉県秩父市本町1404-4
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 11-0045
指定年平成14年(2002年)8月21日登録
員数1基
寸法石造、延長約30m
所有者秩父市
公開状況外観は道から常時見学可

参考文献

国指定文化財等データベース 旧柿原商店石塀(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00002891
旧柿原商店石塀(秩父市)
https://www.city.chichibu.lg.jp/4258.html

最終更新日: 2026.09.27