絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉とは:一滴の水が海へ至るまでを描いた水墨画巻

絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉(けんぽんぼくがせいせいるてんず)は、東京都千代田区の東京国立近代美術館が所蔵する、横山大観が大正12年(1923年)に描いた絹本墨画の画巻で、昭和42年(1967年)6月15日に重要文化財に指定された。

文化庁の記録では、員数は1巻で、所有者は独立行政法人国立美術館、東京国立近代美術館が所蔵している。

東京国立近代美術館の作品解説によると、大きさは縦55.3センチメートル、長さ4070センチメートルで、第10回院展に出品された。英語名は「Metempsychosis」である。

絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉の画面

東京国立近代美術館によると、雲や霧の漂う山中で葉先に宿った霧のしずくが渓流となり、水勢を増して岩壁にしぶきを上げ、山あいの人里を抜け、支流を集めて川となり、水郷をつくる大河となって海へ注ぎ、逆巻く怒涛の中から雲を呼ぶまでが描かれている。

同館は、画面に次々と現れる水の姿はかたちを借りた「生々流転」の相にすぎず、その奥にある、かたちのない水の本質を見るべき作品だと解説している。

同館によると、大観は1910年の〈楚水の巻〉以来いくつかの水墨画巻を描いており、その過程で得た水墨表現と絵巻物形式の原理を、この作品で実在の奥をきわめた自由な精神の表現へと進めたとみられる。

絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉の価値

文化庁の解説は、明治維新以後の近代美術の代表的な遺産を挙げる中で、大観の「生々流転」を、新しい水墨画の様式を形づくろうとした努力が雄大な構想のうちに結実した、生涯をかけた大作と評価している。

岡倉天心の指導のもとで新しい日本画の創造を目指した画家たちの成果の一つとして、下村観山の「弱法師」などとともに、近代美術の流れの中で古典的な評価を得ている作品である。

絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉の見学方法

絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉は東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3-1)が所蔵している。長大な画巻で、常に公開されているわけではないため、展示の予定は同館の公式サイトで確かめたい。

Q&A

Q絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉はいつ描かれたのですか?
A大正12年(1923年)に描かれ、第10回院展に出品されました。
Q絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉の大きさは?
A東京国立近代美術館によると、縦55.3センチメートル、長さ4070センチメートルの画巻です。
Q絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉には何が描かれていますか?
A山中の霧のしずくが渓流、川、大河となって海へ注ぎ、雲を呼ぶまでの水の姿が描かれています。
Q生々流転図はどこにありますか?
A東京国立近代美術館が所蔵しています。展示の予定は同館の公式サイトで確認してください。
Q絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉はいつ重要文化財に指定されましたか?
A昭和42年(1967年)6月15日に指定されました。

基本情報

名称絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉(けんぽんぼくがせいせいるてんず)
所在地東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3-1)
指定区分重要文化財(絵画)
指定年昭和42年(1967年)6月15日指定
員数1巻
寸法縦55.3センチメートル、長さ4070センチメートル(東京国立近代美術館)
所有者独立行政法人国立美術館
公開状況展示時期は東京国立近代美術館に要確認

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/2336
文化遺産オンライン「絹本墨画生々流転図〈横山大観筆〉」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/179952
文化遺産オンライン「生々流転」(東京国立近代美術館)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/94153

最終更新日: 2026.09.28