根津の路地に残る大正の教会

日本基督教団根津教会は、東京都文京区根津にあるプロテスタント教会で、大正8年(1919年)に建てられたと伝わる木造の礼拝堂と、煉瓦造の門及び塀が、平成13年(2001年)に国の登録有形文化財に登録された。根津神社の門前町の一画、不忍通りから一本入った路地に面している。

教会の紹介によれば、礼拝堂は大正8年(1919年)の建築で、大正12年(1923年)の関東大震災にも、その後の東京への空襲にも、周囲の町並みとともに焼け残った。文化庁の国指定文化財等データベースは建築年代を大正中期と記録しており、細かな年は教会の伝えによる。

古くは幼稚園が併設され、近隣にはその卒園生が多いと教会は記している。平成21年(2009年)には文化財である既存部分を修復し、隣に新しい建物を調和させて建て足す大規模な再生工事を行った。その経過は教会の手で一冊の本にまとめられ、出版されている。

設計者ははっきりしない。キリスト教専門紙の連載は設計を「不詳」としている。

登録された2件

登録されているのは、平成13年(2001年)8月28日付の2件である。1件は礼拝堂(登録番号13-0104)、もう1件は敷地の北辺を区切る煉瓦造の門及び塀(登録番号13-0105)。どちらも宗教法人日本基督教団根津教会の所有である。

2件は別々に登録されているが、見え方は一体である。白い下見板張りの礼拝堂の前に赤い煉瓦の塀が低く伸び、文化庁の解説は、会堂の白と煉瓦の赤の対比が地域のシンボルになっていると述べる。塀が会堂の妻面を隠さない高さに抑えられているのも、この組み合わせを前提にした設計である。

教会は、礼拝堂と煉瓦積みの門・塀がそろって残ることを、東京では珍しい例として紹介している。個々の建物の説明は、礼拝堂と門及び塀それぞれのページにある。

歩き方と町並み

根津駅から不忍通りを北へ歩き、根津神社入口の交差点の手前で西の路地に入ると、正面に礼拝堂の妻面と角塔が見えてくる。路地は幅が狭く、敷地いっぱいに建物が建っているので、全体を一度に見る場所は限られる。塀の前の道を少し引いて、角塔と妻面と煉瓦塀が重なる位置を探したい。

キリスト教専門紙の連載は、この礼拝堂が近隣の歴史的な建物の多くより古く、街並みの基調をなしていると指摘する。前庭を持たない教会が窮屈に見えないのは、路地全体が教会の庭のようにはたらいているからだ、という見方である。

根津神社の楼門や社殿は北へ数分の距離にある。教会との関係は、門前町の中に建てられたという位置関係に限られる。

見学とアクセス

日本基督教団根津教会は現在も礼拝が行われている教会で、観光向けの公開時間や拝観料はない。教会は、建築の見学に来た人には外からの見学を求めており、礼拝や集会の時間には会堂内を見学できないとしている。

礼拝に出席する場合、連絡は不要で気軽に来てよいと教会は案内している。取材や撮影の依頼は、教会のウェブサイトの問い合わせフォームを使う。

撮影は公道からの外観にとどめたい。周囲は住宅が密集しているので、路地をふさがないよう気を配る。

最寄りは東京メトロ千代田線の根津駅で、1番出口から徒歩5分。

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)日本基督教団根津教会
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002220
国指定文化財等データベース(文化庁)日本基督教団根津教会門及び塀
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002221
日本基督教団 根津教会(公式サイト)
https://neduchurch.wixsite.com/nezu
【教会建築ぶらり旅】日本基督教団 根津教会(キリスト新聞社)
https://www.kirishin.com/2018/02/02/10722/

最終更新日: 2026.09.24

基本情報

名称日本基督教団根津教会
所在地東京都文京区根津1-19-6
所有者宗教法人日本基督教団根津教会
指定登録有形文化財 2件
座標35.71919, 139.76289