猪谷の背斜向斜とは:神通川の河岸に現れた地層の褶曲
猪谷の背斜向斜(いのたにのはいしゃこうしゃ)は、富山県富山市猪谷の神通川左岸にある地層の褶曲の露頭で、昭和16年(1941年)10月3日に国の天然記念物に指定された。
文化庁の記録では、指定基準は「岩石、鉱物及び化石の産出状態」と「地層の褶曲及び衝上」である。富山県の文化遺産サイトによると、所在地は猪谷字川原の3で、所有・管理は富山市。
指定時の説明は、手取統の猪ノ谷層(砂岩と頁岩の互層)の地層が典型的な背斜と向斜をつくり、神通川の左岸によく露出していると記している。
背斜と向斜
富山県の文化遺産サイトによると、褶曲とは地層の曲がりのことで、地層が高く盛り上がった部分を「背斜」、低く沈んだ部分を「向斜」と呼ぶ。猪谷の背斜向斜では、この両方が一つの崖に連続して現れている。
地層は、中生代白亜紀前半に堆積した手取統の猪谷互層で、厚さ1メートルほどの砂岩と30センチメートルほどの頁岩が交互に重なる。富山県は、河岸段丘の崖にある見事な露頭を、学術上貴重な資料と評価している。
砂岩と頁岩は硬さと色が異なるため、交互に重なった層が縞模様として見える。この縞が弧を描いて曲がることで、地層が横から押されて変形したことが目に見える形で分かる。
猪谷の背斜向斜の現状と見学方法
富山県の文化遺産サイトによると、指定地の見事な褶曲はダム湖に沈んでいて見ることができない。北陸電力の猪谷発電所の対岸で、その一部を見ることができるという。
褶曲は対岸から観察するのが基本である。天然記念物のため、露頭の岩を叩いたり削ったりしてはならない。川岸は足場が悪く、ダムの放流で水位が変わることもあるので、近づく際は十分に注意したい。
Q&A
- 猪谷の背斜向斜はいつ天然記念物に指定されましたか?
- 昭和16年(1941年)10月3日に指定されました。
- 背斜と向斜とは何ですか?
- 地層が曲がった褶曲のうち、高く盛り上がった部分が背斜、低く沈んだ部分が向斜です。
- 猪谷の背斜向斜の地層はどのくらい古いのですか?
- 中生代白亜紀前半に堆積した手取統の猪谷互層です。
- 猪谷の背斜向斜は今も見られますか?
- 指定地の褶曲はダム湖に沈んでいますが、北陸電力の猪谷発電所の対岸で一部を見ることができます。
- 猪谷の背斜向斜はどこにありますか?
- 富山県富山市猪谷の神通川左岸です。
基本情報
| 名称 | 猪谷の背斜向斜(いのたにのはいしゃこうしゃ) |
|---|---|
| 所在地 | 富山県富山市猪谷字川原の3 |
| 指定区分 | 天然記念物 |
| 指定年 | 昭和16年(1941年)10月3日指定 |
| 員数 | 文化庁データベースに記載なし |
| 寸法 | 砂岩層の厚さ約1メートル、頁岩層の厚さ約30センチメートル |
| 所有者 | 富山市(所有・管理) |
| 公開状況 | 指定地の大部分はダム湖に水没。一部を対岸から観察可 |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「猪谷の背斜向斜」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/401/956
- 文化遺産オンライン「猪谷の背斜向斜」
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/205203
- とやまの文化遺産「猪谷の背斜・向斜」
- https://toyama-bunkaisan.jp/search/2183/
最終更新日: 2026.09.27