岡家住宅とは

岡家住宅は、和歌山県伊都郡九度山町入郷にある屋敷で、明治4年(1871年)に建てられた主屋と門屋を中心とする5棟が、令和元年(2019年)9月10日に国の登録有形文化財に登録された(文化庁)。読みは「おかけじゅうたく」。

和歌山県教育委員会によれば、岡家は高野山のもっとも中心的な荘園であった官省符荘(かんしょうふしょう)の管理を担い、高野山と強く結びついてきた家で、現在の当主は第47代と伝えられている。屋敷は個人の住まいである。

屋敷は紀ノ川中流の南岸、河岸段丘の上にあり、入郷の集落のいちばん高いところに南を向いて構えている(文化庁)。県は、かつての荘園を見渡せる場所だと記している。

屋敷の配置

敷地の中央に主屋が建つ(和歌山県)。主屋の正面、西半分の前は主庭で、これを中門と袖塀が区切る。東側の南寄りには長屋門形式の門屋が主屋と直角に並び、南西には渡廊下で主屋につながる離れ座敷の部屋、北西の隅には西蔵及び米蔵が東を向いて建つ(文化庁、和歌山県)。

建てられた時期には幅がある。最も古いのは江戸末期の西蔵で、明治4年(1871年)に主屋と門屋が同時に建ち、明治後期に部屋と米蔵、大正前期に中門が加わった(文化庁、和歌山県)。主屋と門屋は平成7年(1995年)に改修されている。和歌山県は、各建物が建設時の状況をよく伝え、当地の歴史的景観に寄与していると評価している。

入母屋造でつし2階建の大きな主屋が屋根を高く上げ、その前に門屋の長い屋根と中門が低く並ぶ。表から見ると、高さの違う屋根が重なって屋敷の構えをつくっている。

登録された5棟

5棟はいずれも令和元年(2019年)9月10日の登録で、登録番号は30-0262から30-0266まで続いている(文化庁)。登録の基準は、中門が「造形の規範となっているもの」、ほかの4棟が「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

  • 主屋(30-0262):明治4年(1871年)、木造平屋建、瓦葺、建築面積112平方メートル。大棟に越屋根を載せた大型民家
  • 部屋(30-0263):明治後期、木造平屋建、瓦葺、建築面積60平方メートル。8畳2室の離れ座敷
  • 西蔵及び米蔵(30-0264):江戸末期、明治後期増築、土蔵造2階建、瓦葺、建築面積45平方メートル
  • 中門(30-0265):大正前期、木造、銅板葺、間口1.6メートル、左右袖塀付
  • 門屋(30-0266):明治4年(1871年)、木造平屋建、瓦葺、建築面積69平方メートル。納屋・男部屋・牛小屋を備えた長屋門

各棟の構造と見どころは、それぞれのページで扱っている。

見学とアクセス

岡家住宅は個人の住まいで、一般公開や内部見学についての公的な案内は確認できなかった。訪れる場合は敷地に立ち入らず、住む人の暮らしに配慮したい。

最寄りは南海高野線の九度山駅で、屋敷は駅から西北西へ直線で約1.1キロメートルの位置にある(所在地の座標と駅の位置からの概算)。駐車場の案内は見当たらない。

名称について

文化庁の名称は各棟とも「岡家住宅」に棟名を付けた形で、主屋は「しゅおく」と読む。滋賀県蒲生郡日野町にも同じ名称の登録有形文化財「岡家住宅主屋」があるが、別の家の建物である(文化庁)。

参考文献

岡家住宅主屋(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012975
岡家住宅部屋(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012976
岡家住宅西蔵及び米蔵(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012977
岡家住宅中門(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012978
岡家住宅門屋(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012979
岡家住宅(わかやまの文化財/和歌山県教育庁文化遺産課)
https://wakayama-bunkazai.jp/bunkazai/bunkazai_879/

最終更新日: 2026.10.15

基本情報

名称岡家住宅
所在地和歌山県伊都郡九度山町大字入郷字西上ノ山288-1
指定登録有形文化財 5件
座標34.29141, 135.55364