帳場を中心に据えた商家の住居

福西本店主屋は、福島県会津若松市中町にある商家の住居棟で、大正4年頃(1915年)に建てられ、令和元年(2019年)12月5日に登録有形文化財となった。木造2階建、瓦葺の一部を金属板葺とし、建築面積は274平方メートルある。

店蔵の東に接続して建つ。南西の玄関には店蔵へ通じる戸口が設けられており、商いの場と住まいが戸一枚で行き来できる。この戸口の位置が、商家の建物としての性格をよく示している。

平成28年(2016年)に改修を受けている。登録番号は07-0215で、同じ敷地の7件のうち3番目にあたる。

なぜ登録されたのか

福西本店主屋の登録基準は「造形の規範となっているもの」である。景観への寄与ではなく、建物そのもののつくりが評価された。

評価の対象は上質な造作にある。日常の生活の場でありながら、材も仕事も手を抜いていない。文化庁の解説は、この棟を上質な造作の住居と短く記す。大正期の地方都市で、商家がどこまで住まいに手をかけたかを示す例として扱われている。

35畳の座敷と、便所まで延びる廊下

1階の中心はガラス障子をめぐらせた帳場である。北に店主室、南に水回りを配する。特徴的なのは廊下で、離座敷を経て座敷蔵の東にある屋外便所まで延びる。敷地の奥深くまで屋内を通って行ける構成になっている。

2階には接客用の座敷が3室あり、合わせて35になる。3室は一直線ではなく矩折れに配されるため、襖を開け放つと広間になり、閉じれば独立した部屋として使える。福西本店主屋のこの2階が、家の行事や客を迎える場だった。

見るなら1階と2階の性格の違いを確かめたい。1階は働く場所で、動線が優先される。2階は見せる場所で、畳の数と襖の開き方が優先される。同じ棟のなかで設計の基準が切り替わる。

見学方法

福西本店主屋は有料で公開されている屋敷の中心にあたる棟で、内部は見学の順路に含まれる。入館料と開館時間は敷地全体で共通である。

公開の範囲や順路は時期によって変わることがある。撮影の可否も含め、受付で確認してから進みたい。

入館料・開館時間・休館日・行き方は、福西本店のページにまとめてある。

Q&A

Q福西本店主屋はいつ建てられましたか。
A大正4年頃(1915年)です。平成28年(2016年)に改修を受けています。
Q福西本店主屋の2階には何がありますか。
A接客用の座敷が3室あり、合わせて35畳になります。矩折れに配されているため、襖を開けると広間として使えます。
Q福西本店主屋の内部は見学できますか。
Aできます。有料で公開されている屋敷の見学順路に含まれています。公開範囲は時期により変わることがあります。
Q福西本店主屋と店蔵はつながっていますか。
Aつながっています。主屋は店蔵の東に接続し、南西の玄関に店蔵への戸口が設けられています。
Q福西本店主屋の登録番号は何番ですか。
A07-0215です。令和元年(2019年)12月5日に、同じ敷地の7件がまとめて登録有形文化財となりました。

基本データ

名称福西本店主屋
所在地福島県会津若松市中町321他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和元年(2019年)登録
員数1棟
寸法木造2階建、瓦葺一部金属板葺、建築面積274平方メートル
所有者会津若松まちづくり株式会社
公開状況有料公開。見学の順路に含まれる

参考文献

国指定文化財等データベース 福西本店主屋(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00013022
福西本店 公式サイト
https://fukunishi-honten.com/

最終更新日: 2026.09.17