庭に向かって開く数寄屋風の座敷
福西本店離座敷は、福島県会津若松市中町にある商家の座敷棟で、昭和5年頃(1930年)に建てられ、令和元年(2019年)12月5日に登録有形文化財となった。木造2階建、瓦葺の一部を金属板葺とし、建築面積は78平方メートルある。
主屋の東に接続して建つ。同じ敷地の7件のなかでは最も新しく、明治19年(1886年)の3棟から数えて44年後の建物にあたる。文化庁の記録は、若夫婦のために建てたと伝わると記す。
平成28年(2016年)に改修を受けている。登録番号は07-0218。
なぜ登録されたのか
福西本店離座敷の登録基準は「造形の規範となっているもの」である。
評価されたのは丁寧な造作である。文化庁の解説は、この棟を丁寧な造作の数寄屋造風住宅と記す。土蔵造の蔵が並ぶ敷地のなかで、この1棟だけが柱の細い、軽い造りの建築になっている。
昭和5年頃(1930年)という年代も意味を持つ。明治から大正にかけて蔵と主屋を整えた家が、最後に建てたのが接客と住まいを兼ねる数寄屋風の座敷だった。敷地の建物を古い順に見ていくと、この棟で構成が完結する。
1階と2階で雰囲気を変える
1階は6畳の2室からなる。2階は8畳と6畳の続き間の座敷とする。規模としては小さいが、部屋の質はいずれも高い。
縁は北から東へ廻らせ、ガラス障子を建て込む。ここから東の庭を望む。福西本店離座敷は敷地の東端に近く、庭に面する唯一の棟である。障子を開けたときに何が見えるかを前提に建てられている。
仕上げは階で変えてある。1階は木部を透漆塗とし、2階は素木のままとする。艶のある1階と、木の色のままの2階。同じ棟のなかで、上がるにつれて仕上げが軽くなる。
見学方法
福西本店離座敷は主屋の東に接続しており、街路からは見えない。有料公開の見学に入ってから見ることになる。
見るなら2階の縁から東の庭を眺めたい。1階と2階の仕上げの違いは、階段を上がって木部の色を比べると分かる。公開範囲は時期によって変わることがあるため、受付で確認したい。
入館料・開館時間・休館日・行き方は、福西本店のページにまとめてある。
Q&A
- 福西本店離座敷はいつ建てられましたか。
- 昭和5年頃(1930年)です。同じ敷地の7件のなかでは最も新しく、平成28年(2016年)に改修されています。
- 福西本店離座敷は何のために建てられましたか。
- 文化庁の記録には、若夫婦のために建てたと伝わると記されています。主屋の東に接続する座敷棟です。
- 福西本店離座敷の1階と2階はどう違いますか。
- 1階は6畳2室で木部を透漆塗とし、2階は8畳と6畳の続き間で素木のままとします。階が上がるにつれて仕上げが軽くなります。
- 福西本店離座敷から庭は見えますか。
- 見えます。北から東へ廻らせた縁にガラス障子を建て込んでおり、そこから東の庭を望みます。敷地で庭に面する唯一の棟です。
- 福西本店離座敷の登録番号は何番ですか。
- 07-0218です。令和元年(2019年)12月5日に登録有形文化財となりました。
基本データ
| 名称 | 福西本店離座敷 |
|---|---|
| 所在地 | 福島県会津若松市中町321他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 令和元年(2019年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、瓦葺一部金属板葺、建築面積78平方メートル |
| 所有者 | 会津若松まちづくり株式会社 |
| 公開状況 | 内部は見学の順路による。外観は敷地内から |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 福西本店離座敷(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00013025
- 福西本店 公式サイト
- https://fukunishi-honten.com/
最終更新日: 2026.09.17