井上合名会社とは

井上合名会社は、福島県喜多方市南町にある醸造業の商家の屋敷で、江戸末期(1830〜1868年)の店舗蔵、大正後期の座敷蔵、昭和3年(1928年)の醸造蔵の3棟が、平成25年(2013年)3月29日に国の登録有形文化財に登録されている(文化庁)。登録番号は07-0136から07-0138の連番である。

文化庁は座敷蔵を「老舗醸造蔵の屋敷構え」をかたちづくる建物とし、醸造蔵を醸造業の盛んな喜多方を特徴付ける大型の土蔵と評している。3棟とも土蔵造で、建てられた時代は江戸から昭和初めまでおよそ1世紀にわたる。

井上合名会社の3棟の配置

店舗蔵は通りに西面して建ち、下階を店舗、上階を座敷とする(文化庁)。座敷蔵はその北側に東西棟で建ち、下階に座敷飾りを備えた和室を2室並べる。座敷蔵の上階は家財蔵に用いる。

通りに面した井上合名会社店舗蔵の外観
通りに面した井上合名会社店舗蔵の外観皓月旗 / CC BY 4.0 / Wikimedia Commons

醸造蔵は桁行30.6メートル、梁間11.5メートル、建築面積350平方メートルの大型の土蔵で、3棟のなかで最も大きい(文化庁)。文化庁データベースの所在地は、店舗蔵と座敷蔵が字南町2854他、醸造蔵が字長面3055他と、字が分かれている。各棟の構造と見どころは、それぞれのページで扱っている。

小田付の町並みと井上合名会社

南町を含む小田付は、天正10年(1582年)に町割が行われて近村から市が移され、近世には酒や味噌・醤油の醸造で栄えた町である(文化庁)。店蔵など多様な土蔵が並ぶ町並みは、平成30年(2018年)に重要伝統的建造物群保存地区に選定された。

喜多方市の文化財保存活用地域計画は、井上合名会社の3棟を、若喜商店や矢部家住宅の蔵などとともに、北方の中心部をなす区域の歴史文化資源に挙げている。

井上合名会社の見学について

喜多方市の資料では3棟とも個人の所有で、見学の受け入れについて公的な案内は確認できなかった。通りに面した店舗蔵の外観は道路から見ることができるが、敷地への立ち入りは控えたい。

井上合名会社のある南町は、JR磐越西線の喜多方駅から北東へ直線でおよそ1.6キロメートルの位置にあり、歩くと20分あまりかかる。

参考文献

井上合名会社店舗蔵(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009429
井上合名会社座敷蔵(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009428
井上合名会社醸造蔵(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009430
重要伝統的建造物群保存地区の選定について(文化庁 報道発表)
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/1405021.html
喜多方市文化財保存活用地域計画 第6章(喜多方市)
https://www.city.kitakata.fukushima.jp/uploaded/attachment/43024.pdf
国登録有形文化財一覧(喜多方市)
https://www.city.kitakata.fukushima.jp/uploaded/attachment/40835.pdf

最終更新日: 2026.11.02

基本情報

名称井上合名会社
所在地福島県喜多方市字南町2854他
所有者個人
指定登録有形文化財 3件
座標37.65401, 139.88072