鵜沼宿の角地に建つ町家
丹羽家住宅主屋は、岐阜県各務原市鵜沼西町の旧中山道・鵜沼宿にある昭和5年(1930年)建築の木造2階建町家で、平成18年(2006年)に国の登録有形文化財に登録された。旧街道の北側、角地に建つ。鵜沼宿は江戸日本橋から数えて52番目の宿場である。
この物件に適用された登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」だった。造形の規範でも、再現困難な技術でもない。どこに建っているか、そして街道の景観に対して何をしているか。評価の軸はそこに置かれている。
間取りが語りかけてくるもの
屋根は切妻造、出入口は棟と平行な側、すなわち平入である。軸部は桁行8間、梁間4間。メートルに直せばおよそ14.5メートル×7.3メートルで、表と裏の両方に下屋が付く。
1階は東側が土間。商家が荷を受け、煮炊きをし、履物のまま街道と裏庭を行き来した働く空間である。背面には水屋が突き出す。土間の西側は8畳規模の整形四間取、いわゆる田の字型の居室で、こちら側の下屋は縁として使われている。
注意しておきたいのは建築年である。昭和5年。中山道が国家の幹線としての役目を終えてから、すでに60年以上が経っていた。それでもこの家は、街道沿いの町家がずっと保ってきた平面と寸法を踏襲している。
その連続性こそが登録の理由になった。鵜沼宿の残る一画を歩くと、周囲から浮いた保存建築が一軒だけ立っているのではなく、揃った軒の線が続いているのが分かる。
なお丹羽家は江戸期に「大阪屋」という旅籠を営んでいたと地元では伝えられている。ただしこれは文化庁のデータベースには記載がなく、また現在の建物は昭和の再建であるため、家としての来歴と建物の年代は分けて考える必要がある。
見学のしかたと街道歩き
個人の住宅である。文化庁のデータベースには所有者名の記載がなく、登録有形文化財でこの状態は通常、個人所有を意味する。内部は公開されていない。できるのは、そしてこの登録が本来求めているのは、街道から眺めて、複数の家並みのひとつとして理解することである。
各務原市はこの区間の整備に20年近くをかけてきた。水路の復元、景観重要建造物の保存改修、脇本陣の復元。歩き始めるなら中山道鵜沼宿町屋館が起点として使いやすい。旧街道のほぼ中央に位置し、平成18年に武藤家から市へ寄附された建物を修復して平成20年5月から公開している。入館無料、開館は9時から17時、休館日は月曜日(祝日の場合はその翌日)、祝日の翌日、および12月28日から1月4日まで。ここに歴史民俗資料館の事務所が置かれ、鵜沼宿全体の案内も受けられる。
名鉄各務原線の鵜沼宿駅から徒歩約15分、新鵜沼駅またはJR高山本線の鵜沼駅からはそれぞれ20分ほど。鵜沼宿の駐車場は15台程度である。
外観の撮影は公道からであれば問題ない。敷地には立ち入らないこと。人が暮らしている建物である。
Q&A
- 丹羽家住宅主屋は見学できますか。
- 丹羽家住宅主屋の内部は公開されていません。個人の住宅であり、文化庁のデータベースにも所有者名の記載がありません。外観は旧中山道の街道側から見ることができ、公道からの撮影に制限はありませんが、敷地には立ち入らないでください。
- 丹羽家住宅主屋はどこにありますか。
- 丹羽家住宅主屋は岐阜県各務原市鵜沼西町1-923にあります。旧中山道・鵜沼宿の旧街道の北側角地に建っており、鵜沼宿は江戸日本橋から52番目の宿場にあたります。
- 丹羽家住宅主屋はいつ建てられ、いつ登録されたのですか。
- 丹羽家住宅主屋の年代は昭和5年(1930年)です。国の登録有形文化財への登録は平成18年(2006年)11月29日、登録番号は21-0108で、適用された登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」でした。
- 丹羽家住宅主屋はどのような構造の建物ですか。
- 丹羽家住宅主屋は木造2階建、瓦葺の切妻造平入の町家です。桁行8間、梁間4間で表裏に下屋が付き、1階の東側が土間、背面に水屋が突出します。西側の居室は8畳規模の整形四間取で、建築面積は174平方メートルです。
- 丹羽家住宅主屋の周辺にはほかに何がありますか。
- 丹羽家住宅主屋は保存整備された鵜沼宿の町並みの中にあります。近くの中山道鵜沼宿町屋館は入館無料で9時から17時まで開いており、月曜日と祝日の翌日が休館です。ほかに復元された脇本陣、二ノ宮神社の拝殿、複数の登録有形文化財や市指定文化財の住宅が同じ街道沿いに並びます。
基本情報
| 名称 | 丹羽家住宅主屋(にわけじゅうたくしゅおく) |
|---|---|
| 所在地 | 岐阜県各務原市鵜沼西町1-923 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) 登録番号21-0108 |
| 指定年 | 平成18年(2006年)11月29日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、瓦葺、建築面積174平方メートル。桁行8間、梁間4間(年代・昭和5年) |
| 所有者 | 文化庁データベースに記載なし(個人所有とみられる) |
| 公開状況 | 内部非公開。旧中山道の街道側から外観のみ見学可、料金なし |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「丹羽家住宅主屋」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005976
- 文化遺産オンライン「丹羽家住宅主屋」
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/143241
最終更新日: 2026.08.06