片廊下とは

片廊下は、廊下の片側にだけ部屋を並べ、もう片側を外壁や窓とする平面の形式である。廊下に沿って部屋が一列に並ぶため、各部屋が外気に面し、廊下側と外側の両方から光と風を取り入れやすい。

明治時代以降の学校の教室棟に広く用いられ、南側に教室、北側に廊下を置く構成が多い。寮や社宅、病院などにも使われた。対になる形式が中廊下で、廊下の両側に部屋を並べる。中廊下は同じ建物の幅により多くの部屋を納められる一方、廊下が暗くなりやすい。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では「片廊下型平面」「片廊下とし」のように書かれる。香川県三豊市の粟島海洋記念館の資料館と研修棟は、いずれも旧粟島海員学校の片廊下型の教室棟を転用したものと記録される。広島県庄原市のヤマモトロックマシン(旧山本鉄工所)の自治寮家族棟は、内部を片廊下として一・二階を和室の居室とし、独身棟は西に片廊下を通して東に十畳の居室を並べ、廊下・居室とも開口を広くとる。

現地では、建物の長手方向の一方の面に窓が連続し、その内側が廊下になっているかを見る。外から見て、片側の面だけに等間隔の大きな窓が並ぶ建物は、片廊下の教室棟や寮であることが多い。

参考文献

粟島海洋記念館資料館(旧粟島海員学校教室)|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001141
粟島海洋記念館研修棟(旧粟島海員学校教室)|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001142
ヤマモトロックマシン(旧山本鉄工所)自治寮家族棟|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/221057
ヤマモトロックマシン(旧山本鉄工所)自治寮独身棟|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/243748

最終更新: 2026.09.26