光背とは
光背は、仏像の背後に立てて光明を表す飾りである。頭部の後ろだけに置く頭光と、全身を覆う挙身光があり、舟形や円形など形にも名がある。
東京都の光得寺に伝わる厨子入木造大日如来坐像は鎌倉時代の作で、重要文化財の解説に「頭体幹部はヒノキの一材を前後に割矧ぎ、像底を上底式に残して、内刳りを施し、割首として、表面を漆箔で仕上げる。光背は木造、白色彩、圏帯部などに金銅製の紐、花飾などを付ける。台座は木造、漆箔」と記されている。
この記述は、光背が像本体とは別に材と仕上げを記録される部分であることを示す。像は漆箔、光背は木造に白色の彩色と金銅の飾りと、仕上げが違う。
同じ解説には「厨子内壁には木造金泥塗りの乗雲の仏、菩薩像三十六躯を取りつけ、光背中央上方の宝塔とあわせて、金剛界曼荼羅の主要尊である成身会の諸尊をあらわしている」とあり、光背の上部に宝塔を配して図像の一部をなしている。
向拝との区別
光背は建築の向拝と読みが同じである。向拝は社殿や仏堂の正面に張り出す屋根の部分で、仏像の光背とは全く別のものを指す。記事に書くときは、彫刻の話か建物の話かを文脈で明示したい。
光背は失われやすい部分でもある。像本体が古くても光背が後補である例は多く、記録は光背が当初のものかどうかを区別して書く。光得寺の像は「厨子外面の漆塗り等を除いて、製作当初のものとみられ」と評価されており、光背も当初のものにあたる。
現地では像の背後を見るとよい。頭の後ろに円盤があれば頭光、全身を包む舟形の板があれば挙身光である。透彫や彩色の有無が、光背の格を示す。
参考文献
- 文化遺産オンライン 厨子入木造大日如来坐像/光得寺、表面を漆箔で仕上げ、光背は木造で金銅製の紐や花飾を付ける
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/202433
- 文化遺産オンライン 中尊寺金色堂/堂は縁側から軒先に至る内外すべてに黒漆を塗り、金箔を押す
- https://online.bunka.go.jp/db/heritages/detail/199039
最終更新: 2026.09.02