雷文とは

雷文は、直線を直角に折り曲げながら内側へ巻き込んで方形の渦巻をつくり、それを帯状に連ねた幾何学文様である。雷紋とも書き、稲妻や雷雲をかたどったものとされる。中国古代の青銅器以来の文様とされ、陶磁器、染織、金工、漆工、建築の装飾など、さまざまな分野で用いられてきた。

器の口縁や帯の部分を縁取る連続文様として使われることが多く、雷文を途切れなく連ねたものを雷文繋と呼ぶ。染織品の名称では「かみなりもん」と読まれることもある。西洋の古典建築にも、方形に折れ曲がる線を連ねたメアンダー(雷文に似た文様)があり、近代の洋風建築では両者が重ねて意識されることもある。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では、文様を刻んだ部位や、作品の名称の一部として書かれる。三重県四日市市の旧平田家住宅門柱は、花崗岩製の門柱で、本柱・脇柱とも基礎・柱身・柱頭からなり、柱頭のコーニスの下に雷文を刻む、旧家の表構えにふさわしい豪壮な門とされる。工芸品では、九州国立博物館の青磁雷文碗(中国・龍泉窯、明時代)、京都国立博物館の雲に雷文文様繻珍などがあり、国立劇場の染象牙笄は雷文繋を染め表す。

現地や展示では、直角に折れる線が方形の渦巻をつくっているかを見る。曲線の渦巻であれば唐草や渦文、斜めの線が連なるものは別の幾何学文様である。

参考文献

旧平田家住宅門柱|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010824
青磁雷文碗|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/515807
雲に雷文文様繻珍|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/513077
染象牙櫛・雷文染象牙笄|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/530867

最終更新: 2026.09.27