たたらとは

たたらは、砂鉄を木炭で燃やしながら精錬して鉄をつくる、日本の伝統的な製鉄法とその精錬場をいう。たたら製鉄とも呼ぶ。文化庁の菅谷たたら山内の解説は、「たたら」を砂鉄精錬場の総称とし、精錬場の中心に高殿があって、その中に送風装置が構築されると説明している。粘土でつくった炉に砂鉄と木炭を交互に入れ、強い風を送り続けて鉄を得る。

たたらの語は、炉に風を送る足踏み式の大型の送風装置(鞴)を指しても使われる。板を足で踏んで上下させて風を送るもので、踏みたたらとも呼ぶ。製鉄だけでなく、鋳物をつくるために鉄を溶かす炉にも用いられた。記事では、製鉄の場を指すのか、送風装置を指すのかを文脈に応じて書き分けたい。

記録と実物で見分ける手がかり

島根県雲南市の菅谷たたら山内は、送風装置を備えた高殿を中心に、元小屋、米倉、長屋などをもつ地域で、たたら製鉄に携わった人々が暮らした「山内」の姿を伝える重要有形民俗文化財である。解説によれば、たたらには移動式と固定式があり、菅谷は固定式に属する。

送風装置としてのたたらは、鋳物の町の資料にも見られる。埼玉県川口市では、鋳物の溶解炉に風を送った「だるま鞴(踏たたら)」が市の文化財に指定されている。川口の鋳物業者の中には、明治時代に人力の踏みたたらに代えて蒸気機関による送風を取り入れた家もあった。

参考文献

菅谷たたら山内|文化遺産オンライン
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/254563
川口市指定文化財一覧|川口市
https://www.city.kawaguchi.lg.jp/material/files/group/185/R80709cul.pdf

最終更新: 2026.09.27