突上げ窓とは
突上げ窓は、上端で吊り、下から突き上げて開ける窓である。開けたときに窓自体が庇となり、雨を防ぎながら視界と射線を確保する。
城郭の櫓に用いられる。愛媛県の松山城太鼓門は昭和47年の復元で登録有形文化財にあたり、松山市の文化財ページに「正面に当たる東壁は矢や鉄砲に備えた太鼓壁となっており、2連の突上げ窓を備える。また、矢狭間、鉄砲狭間を配するほか、門扉の直上の床にはスリットを開け、門扉に取り付いた敵を攻撃する構えとなっている。背面となる西壁には正面と同様、2連の突上げ窓を備える」と記されている。
この記述から、突上げ窓が防御の構えの一部として狭間と併せて設けられることが分かる。狭間が固定の小さな穴であるのに対し、突上げ窓は開閉できる大きな開口で、視界を得る役割を担う。
同じページは「内部は、天井を張らず、小屋の構造材、屋根の垂木・野地板が現しとなっていて、先述の攻撃の構えとともに、武装建築の勇壮さをよく表している」と記す。和小屋を見せる内部と、開閉する窓が一続きの構えをなしている。
記録での扱い
突上げ窓は、国指定文化財等データベースの建造物レコードには現れません。同じ松山城太鼓門の記録は「上階正背面には窓、正面廻りには狭間を開き」と記すにとどまり、窓の形式までは書かれていません。
そのため、この語を調べるときは自治体の文化財ページや調査報告に当たることになります。松山市のページは窓の連数と設置面まで記しており、データベースより詳しい情報を持っています。
民家では、つし二階や蔵の小窓に同じ仕組みが用いられることがあります。ただし記録に語として現れる例は少なく、城郭の記述で目にすることが多い語です。
参考文献
- 松山市 国登録有形文化財 松山城太鼓門/正面に当たる東壁は太鼓壁となっており、2連の突上げ窓を備える
- https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kanko/kankoguide/rekishibunka/bunkazai/kunitouroku/shiro_taikomon.html
- 国指定文化財等データベース(文化庁)松山城太鼓門/筒井門とともに堅固な枡形を構成し、大手防御の要となる
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015256
- 文化庁 文化財の紹介 登録有形文化財(建造物)
- https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/toroku_yukei.html
最終更新: 2026.09.03