旧玉置家住宅とは

旧玉置家住宅は、兵庫県三木市本町2丁目にある文政9年(1826年)創建の町家の屋敷で、館林藩の切手会所として建てられたのち明治8年(1875年)に玉置家の住まいとなり、主屋・離れ・廊下・北土蔵・東土蔵・西土蔵の6棟が平成14年(2002年)2月14日に登録有形文化財に登録された。読みは「きゅうたまおきけじゅうたく」で、「たまき」ではない。

6棟の登録番号は28-0095から28-0100までの連番で、いずれも「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録有形文化財になった。6棟とも三木市の所有で、入館無料の公開施設として使われ、市の観光案内の拠点も兼ねている。

館林藩の切手会所から玉置家の住まいへ

三木町は延享4年(1747年)から天保13年(1842年)まで、遠く上州(いまの群馬県)に本拠を置く館林藩の飛び地領だった。三木市の説明では、天明年間(1780年代)に三木の金物が伸び盛りを迎え、文政6年(1823年)、藩の財政を立て直すために町の中町に切手会所が開かれた。3年後の文政9年(1826年)、会所はいまの旧玉置家住宅の場所へ移っている。

切手会所は、藩札にあたる切手札を出し、金銀との引き換えや貸し付けを扱った役所である。三木市は「今の銀行」にたとえる。三木市立みき歴史資料館によると、主屋には「文政九年」と書かれた棟札が残る。

明治8年(1875年)、建物は払い下げを受けた玉置家の住宅になった。玉置家初代の大器と三代目の福蔵が、離れ座敷と渡り廊下を建て増したと三木市は伝える。市はこの屋敷を、文政9年に建った第一期(道路側の母屋2棟と、中庭に面した土蔵1棟)と、明治以降に加わった第二期とに分けて紹介している。

旧玉置家住宅の敷地と6棟の配置

旧玉置家住宅の敷地は南北に細長い。南は旧街道、北は美嚢川で、兵庫県の景観ガイドラインは有馬道と姫路道が交わる地点の近くと位置を説明する。主屋は敷地の南寄りで街道に南面し、表の玄関棟と奥の座敷棟を式台玄関がつないでいる。

主屋の土間からは、通り庭のように便益棟が北へ延びる。その北端に東土蔵が建ち、裏門をはさんで突き当たりに北土蔵がある。西側では座敷棟から廊下が北へ延び、離れに届く。座敷棟の縁側、廊下、離れの南縁側、東の便益棟の四方に囲まれた中庭が、屋敷の真ん中にあたる。

西土蔵は座敷棟の西側にある増築部分の北に建つ。文化庁の解説によれば西隣の敷地にある蔵で、玉置家が屋敷を西へ広げていった経過を示している。敷地の北端では北土蔵と離れが美嚢川に面し、川沿いの景観をつくる。

見学は街道側の主屋から入る。座敷棟、廊下、離れと奥へ進めば、江戸の会所から明治の住まいへ、建物が建った順におおむね沿って歩くことになる。土蔵は中庭や川側から外観を眺める形になる。

旧玉置家住宅の年代をめぐる資料の違い

6棟の年代は、資料によって書き方が異なる。文化庁の記録は、主屋を江戸末期の建築(明治後期に増築)とし、ほかの5棟をすべて明治後期とする。

一方、三木市とみき歴史資料館は主屋を文政9年(1826年)の建築とし、さらに母屋の奥で中庭に面した土蔵1棟も同じ江戸期の建物で、扉に館林藩主松平家の家紋である琴柱紋をあしらっていると説明する。登録された3棟の土蔵は文化庁の記録ではいずれも明治後期なので、市のいう江戸期の土蔵がどの蔵に当たるのかは、公開されている資料からは確かめられなかった。現地ではガイドに尋ねてみたい。

旧玉置家住宅の見学案内(開館時間・アクセス)

旧玉置家住宅は入館無料で、開館時間は午前10時から午後4時、毎週火曜日が休館日である。ボランティアガイドは毎週月・金・土・日曜日に、喫茶は毎週水・木・土・日曜日に入る。年末年始やお盆には臨時休館することがある(2026年10月2日に三木市の案内で確認)。

三木市の観光サイトは、神戸電鉄粟生線の三木上の丸駅から徒歩7分と案内している。市のアクセスマップには、美嚢川の北岸にある三木駅から橋を渡って歩く道順も描かれている。車なら山陽自動車道の三木小野インターチェンジから約4キロで、三木市観光協会の東側に20台分の駐車場がある。

離れ座敷の1階・2階と外庭は貸館として借りることができ、光熱水費などの実費としてそれぞれ1日1,000円がかかる。利用する前日までに市役所で申し込む。館内ではガイドボランティアによる観光案内や古民家カフェ、襖の下張りから見つかった古文書の解読といった活動が続けられ、旧玉置家住宅は三木のまち歩きの出発点にもなっている。問い合わせは三木市観光振興課(0794-82-2000)へ。

参考文献

旧玉置家住宅主屋(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002676
旧玉置家住宅北土蔵(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002677
旧玉置家住宅東土蔵(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002678
旧玉置家住宅西土蔵(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002679
旧玉置家住宅離れ(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002680
旧玉置家住宅廊下(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002681
旧玉置家住宅(三木市 観光振興課)
https://www.city.miki.lg.jp/soshiki/33/2986.html
旧玉置家住宅(国登録文化財)(三木市立みき歴史資料館)
https://www.city.miki.lg.jp/site/mikirekishishiryokan/12180.html
三木市観光の案内拠点 旧玉置家住宅(広報みき2023年2月号)
https://www.city.miki.lg.jp/site/mikinoeetoko/56670.html
三木歴史さんぽ(三木市観光情報サイト mikiおでかけplus)
https://www.city.miki.lg.jp/odekakeplus/odekake-06.html
旧玉置家住宅・旧小河家別邸 アクセスマップ(三木市)
https://www.city.miki.lg.jp/uploaded/attachment/34278.pdf
三木市三木城下町地区 歴史的景観形成地区及び景観形成重点区域 景観ガイドライン(兵庫県)
https://www.city.miki.lg.jp/uploaded/attachment/50874.pdf

最終更新日: 2026.10.02

基本情報

名称旧玉置家住宅
所在地兵庫県三木市本町2-454
所有者三木市
指定登録有形文化財 6件
座標34.79882, 134.98391