平尾家住宅庭南塀

平尾家住宅の規模を最もよく伝えるのは、幾重にも巡らされた塀と門である。大庄屋を務めた但馬屈指の大地主の屋敷は約四千平方メートルに及び、庭・作業場・私的な諸室を細かく区画する。江戸から昭和前期に至る整備の積み重ねが、屋敷内の空間秩序として結晶している。

建造物の概要

中門脇の板塀から南へ延び、川沿いで折れ曲がる総延長約十九メートルの土塀である。南北は板塀と同じ高さにそろえ、川沿いの一画だけを一段高くして、単調にならない立面をつくる。

乱石積の基礎の上に切石の布礎石を据え、そこから壁を立ち上げる。庭側は柱を見せる真壁の土壁とし、外側は柱を塗り込める黒漆喰の大壁で仕上げる。荒々しい乱石積の基礎が力強い足元をつくり、庭の南縁を引き締めている。

登録の意義

平尾家住宅は平成二十年(二〇〇八)に登録有形文化財となった。主屋・諸室・蔵・塀・水利施設に至るまで、大地主の屋敷構えが一つのまとまりとして良好に遺る点が評価されている。個々の登録物件は、単独の記念物としてよりも、この一体の屋敷を構成する部分としてこそ意味をもつ。

訪ねる際に

平尾家住宅は現に人の住まう個人住宅であり、原則として非公開である。内部の見学はできず、居住者の生活への配慮が求められる。外観と川沿いの構えは近隣の公道からうかがうことができる。あわせて但馬を訪れる際には、柳並木の城崎温泉、辰鼓楼と出石そばで知られる城下町の出石、円山川沿いに柱状節理の玄武岩が並ぶ玄武洞公園など、公開されている周辺の見どころと組み合わせるとよい。

Q&A

Q平尾家住宅は見学できますか。
A原則非公開の個人住宅です。内部の見学はできません。外観や森尾川沿いの構えは近隣の公道から望めますが、居住者の生活に配慮してください。
Qこの造作はいつのものですか。
A昭和前期のものです。屋敷全体は江戸期の蔵から明治二十九年の主屋、昭和前期の増築まで代を重ねて整えられており、各部の年代には幅があります。
Qこの建造物の構造・形式は。
A土塀、瓦葺、延長19mです。員数は1棟。登録有形文化財(建造物)として平成二十年に登録されました。
Q周辺に立ち寄れる場所はありますか。
A豊岡市内には城崎温泉、城下町の出石、柱状節理で知られる玄武洞公園などがあり、いずれも森尾から無理なく巡れます。

基本情報

名称平尾家住宅庭南塀
所在地兵庫県豊岡市森尾字安藤958
指定区分登録有形文化財(建造物)
登録年月日平成20年3月7日登録(平成20年3月19日告示)
員数1棟
構造及び形式等土塀、瓦葺、延長19m
年代昭和前期
所有・公開状況個人所有/原則非公開

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)— 平尾家住宅庭南塀
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006914
文化遺産オンライン — 平尾家住宅主屋
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/186783
ザ・たじま(但馬事典)— 平尾家住宅
https://the-tajima.com/spot/393/

最終更新日: 2026.07.02