一家の主屋
西岡本店から歩いてほど近い真壁の通りに、もう一群、西岡の名を掲げる建物がある。上宿町(かみじゅくまち)のこの一画は酒造蔵として建てられ、明治後期からは味噌や醤油の醸造と、「花の井」の酒の小売に使われた。主屋は、その敷地の奥にある一家の住まいである。
主屋は店舗の北側に接し、東西棟で建つ。木造2階建、瓦葺で、建築面積は約108平方メートル。寄棟造(よせむねづくり)とし、規模は桁行9間半、梁間2間半である。
1階は、帳場(ちょうば)に続く8畳の東に6畳2室を、西に床付きの8畳と6畳を配する。2階は10畳2室とする。外壁は簓子下見板張(ささらこしたみいたばり)とし、開口部の上部を漆喰で塗り込めた、伝統的な和風住宅の構えである。地元の資料では明治中期の建築とされる。
登録と西岡家の屋敷
主屋が国の登録有形文化財となったのは平成16年(2004年)6月9日、官報告示は同月24日である。登録は、日本の文化財保護で用いられる二つの大きな区分のうち、より緩やかな仕組みにあたる。国宝や重要文化財の指定とは異なり、明治期以降を中心とした、町の日常を形づくる数多くの建物を広く守るために設けられた。
この屋敷はもと酒造の場として築かれた。明治後期からは味噌・醤油の醸造と、近くの西岡本店の「花の井」の酒の小売に使われている。通りから少し奥まり、門柱を構えた敷地の中で、主屋はその住まいの中心であり、同時に登録された店舗・土蔵とともに一群をなす。
見どころ
ここは個人の住まいであり、見学は通常、外観からとなる。通りからは、低く長い寄棟の屋根と、上部を漆喰で塗り込めた下見板張の壁が見える。この地方の商家らしい、控えめな仕上げである。前には真壁産の御影石でつくられた登録文化財の標識が立つ。
接する店舗や西方の土蔵と合わせて見れば、主屋がひとつの家・ひとつの商いの一部であることがわかる。二つの西岡の屋敷のあいだの通りを歩くと、真壁で醸造を営んだ家々の暮らしと仕事の様子が見えてくる。
よくある質問
- 「花の井」を造る西岡本店と同じですか。
- つながりがあります。この西岡家住宅は、近くで醸される「花の井」の酒の小売を担い、あわせて味噌・醤油の醸造も行っていました。酒蔵そのものは少し離れた場所にあります。
- 主屋の中に入れますか。
- 個人の住まいのため、通常は通りからの外観見学となります。真壁の登録文化財には、外から見られても内部は公開していないものが多くあります。
- もともと何のために建てられたのですか。
- はじめは酒造蔵として築かれました。明治後期からは味噌・醤油の醸造と、西岡本店の酒の小売に使われています。
- 主屋が建てられたのはいつですか。
- 地元の文化財資料では明治中期とされます。国の登録有形文化財となったのは2004年です。
- 真壁へのアクセスは。
- 現在、町に鉄道は通っていません。車なら桜川筑西インターチェンジから20〜25分ほど、公共交通ではJR水戸線・岩瀬駅からの路線バスが便利です。
基本情報
| 名称 | 西岡家住宅主屋(にしおかけじゅうたくしゅおく) |
|---|---|
| 所在地 | 茨城県桜川市真壁町真壁字上宿町56-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 登録年月日 | 平成16年(2004年)6月9日(告示 同月24日) |
| 員数 | 1棟 |
| 構造 | 木造2階建、瓦葺、寄棟造 |
| 建築面積 | 約108平方メートル |
| 時代 | 明治(1868-1911年)/地元資料では明治中期 |
| 公開・見学 | 個人住宅のため外観のみ(通りから見学) |
参考資料
- 国指定文化財等データベース(文化庁)西岡家住宅主屋
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004115
- 文化遺産オンライン(国立情報学研究所)西岡家住宅主屋
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/142108
- 桜川市観光協会 真壁と登録文化財
- https://www.kankou-sakuragawa.jp/page/page000255.html
- 桜川市公式サイト 真壁のひなまつり
- https://www.city.sakuragawa.lg.jp/data/hina_fes/hina_low.html
最終更新日: 2026.06.25