弥勒石穴とは

弥勒石穴は、香川県さぬき市大川町富田中にある、安政4年(1857年)に完成した弥勒池への導水路の一部で、三ツ石山の岩盤を掘り抜いた延長189メートルの隧道であり、平成12年(2000年)2月15日に国の登録有形文化財(建造物)となった。読みは「みろくせっけつ」。現在も弥勒池への導水路として使われている(文化庁、農林水産省)。

文化庁の記録では、石造坑口、延長189メートル。登録番号は37-0025で、所有者は富田中央水利組合である。

器あれど盛る水なし

農林水産省によれば、弥勒池は水不足の解消を図って天保6年(1835年)に改良工事を終えたが、その後20年ほどは「器あれど盛る水なし」の状態が続いた。これを憂えた庄屋の軒原庄蔵は、安政2年(1855年)に高松藩へ石穴工事を願い出て「石穴掘抜方御用掛」に任じられ、三ツ石山の岩盤を東西の両側から掘り進めた。

昼夜を問わず手ノミ一つで掘り抜く大工事で、着工から3年後の安政4年に石穴が貫通し、砕石谷からの導水に成功した。この功績により、軒原庄蔵はのちの明治2年(1869年)に満濃池の底樋隧道の工事を命じられた(農林水産省)。文化庁は、地元の数学者萩原栄次郎の協力を得て軒原庄蔵が設計し、多田信蔵が工事の監督を担当したとしている。

登録有形文化財としての価値

弥勒石穴は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。江戸時代末期に手掘りでつくられ、今も現役で農業用水を運ぶ導水トンネルである(文化庁、農林水産省)。

見どころ

弥勒石穴の坑口は、石材と石積の擁壁で保護されている(文化庁)。農林水産省によれば、石穴はほぼ直線に貫通し、中は人がようやくかがんで歩ける程度の大きさである。

取水源は津田川水系の大川ダムから約500メートル下流の砕石谷で、みろく自然公園の中の弥勒池へ通じる水口には案内板と登録有形文化財のプレートが設けられている(農林水産省)。弥勒池の名は、かつてこの地から弥勒菩薩などの石仏が掘り出されたことに由来する。

訪れるには

弥勒石穴の水口は、さぬき市大川町富田中のみろく自然公園の中にある(農林水産省)。香川県観光協会によれば、公園は入園自由(一部有料施設あり)で、無料駐車場がある。JR高徳線讃岐津田駅や高松自動車道津田東インターチェンジから車で約10分。

Q&A

Q弥勒石穴はいつ造られましたか?
A安政2年(1855年)に着工し、安政4年(1857年)に貫通しました(農林水産省)。
Q弥勒石穴はなぜ造られたのですか?
A改良後も水が足りなかった弥勒池に、砕石谷から水を引くためです(農林水産省)。
Q弥勒石穴はどのように掘られましたか?
A三ツ石山の岩盤を東西の両側から、昼夜を問わず手ノミで掘り進めました(農林水産省)。
Q弥勒石穴は今も使われていますか?
Aはい。現在も弥勒池への導水路として使われています(農林水産省)。
Q弥勒石穴が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成12年(2000年)2月15日です。

基本情報

名称弥勒石穴(みろくせっけつ)
所在地香川県さぬき市大川町富田中3519-1地先
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成12年(2000年)2月15日登録
員数1基
寸法石造坑口、延長189メートル
所有者富田中央水利組合
公開状況みろく自然公園内で水口を見学可(入園自由)

参考文献

弥勒石穴(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001536
弥勒石穴(農林水産省 疏水・農業水利施設)
https://www.maff.go.jp/j/nousin/sekkei/museum/m_bunka/yuukei16/index.html
みろく自然公園(うどん県旅ネット 香川県観光協会)
https://www.my-kagawa.jp/point/211/

最終更新日: 2026.10.10