6棟が登録された、まんのうの農家

重田家住宅は、香川県仲多度郡まんのう町山脇字上平534にある農家で、6棟が2003年(平成15年)9月19日に登録有形文化財(建造物)となった。指定された文化財ではなく、登録された文化財である。6棟はいずれも1877年に建てられている。

6棟は、主屋、長屋門、取合廊下、米蔵、道具蔵及び雪隠、土塀及び石垣擁壁である。

文化庁は長屋門を、上層農家に相応しい佇まいをみせる、と記す。ふりがなは、しげたけじゅうたく、である。

6棟の年代が、すべて同じ年である

建てられた時期に、隔たりがない。

主屋、長屋門、取合廊下、米蔵、道具蔵及び雪隠、土塀及び石垣擁壁の6棟とも、年代の欄は明治、1877年である。

道具蔵及び雪隠だけが、1914年に増築されている。雪隠を後から加えたことになる。

大石家住宅は約70年、楠森河北家住宅は111年、観音正寺は132年に散っていた。

樟徳館は6棟がすべて1939年で、幅がなかった。本件も同じく6棟で、同じ年にそろう。

屋敷の構えが、一時にまとめて整えられたことになる。

廊下が、庭を二つに分ける

通路が、そのまま塀の役を果たしている。

文化庁は取合廊下を、主屋座敷部と長屋門を結ぶ連絡廊下で、主屋南面の広庭を東方の作業場と西方の庭園とに分ける、と記す。

続けて、廊下と庭塀を兼ね、農家としては稀な屋敷構えをつくる、とある。

廊下幅は半間、桁行長8間規模とされる。人が通る道が、東の作業の場と西の観賞の場との境になる。

大石家住宅内蔵では、渡廊下が一棟の構造の一部として数えられた。あちらは蔵につく廊下である。

本件は、廊下が独立した一棟として登録され、しかも庭を仕切る塀を兼ねる。

石垣と水路が、環濠屋敷を思わせる

屋敷の周りが、堀を巡らせた構えに見える。

文化庁は土塀及び石垣擁壁を、屋敷地西辺に築かれた高さ約1.5メートルの谷積石垣と高さ2メートル規模の屋根付土塀と、屋敷地東辺の斜面に築かれた高さ2メートルの石垣から成る、と記す。

続けて、石垣沿いには水路を廻らせており、長屋門や道具蔵とともに環濠屋敷を思わせる屋敷景観をつくりだす主要素になる、とある。

環濠屋敷は、周りに堀を巡らせた屋敷をいう。水路と石垣がその姿をつくる。

大石家住宅では、築地塀と東塀が敷地の縁をつくっていた。

本件は、塀に加えて水路が巡る。水の線が、屋敷の縁を示すことになる。

見学

所在は香川県仲多度郡まんのう町山脇字上平534である。6棟とも同じ地番で記される。

主屋は屋敷地中央北寄りに南面して建つ。建築面積158平方メートルで、茅葺に鉄板を仮に葺いている。

米蔵は建築面積84平方メートルで、内部は南から米蔵、納屋、道具入の3室とされる。北妻面側に3メートル×2メートル規模の石積貯水槽を付属させる。

長屋門は桁行8間規模、入母屋造で、西方に8畳の座敷を配し、東寄りに門を開ける。外装は腰海鼠壁、上部黒漆喰塗である。

所有者の記録がなく、公開の有無や条件は所有者の定めによる。訪問前に確認したい。

参考文献

文化遺産オンライン 重田家住宅主屋
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/139398
文化遺産オンライン 重田家住宅取合廊下
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/168942
文化遺産オンライン 重田家住宅土塀及び石垣擁壁
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/183543
文化庁 国指定文化財等データベース
https://kunishitei.bunka.go.jp/

最終更新日: 2026.09.21

基本情報

名称重田家住宅
所在地香川県仲多度郡まんのう町山脇字上平534
指定登録有形文化財 6件
座標34.12168, 133.82192