木造十一面観音立像(本堂安置)とは:空也が951年に造立した「金色一丈観音像」にあたる、10世紀半ばの基準作
木造十一面観音立像(本堂安置)(もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう(ほんどうあんち))は、京都府京都市東山区ロクロ町の六波羅蜜寺の本堂の本尊である平安時代の十一面観音立像で、平成11年(1999年)6月7日に国宝に指定された。
文化庁の記録では、員数は1躯、所有者は六波羅蜜寺である。
文化庁によると、六波羅蜜寺はもと西光寺といい、初期の念仏行者として著名な空也(903年から972年)が創建した。空也の没後まもなく成立した『空也誄』にある「金色一丈観音像一体」がこの像にあたり、天暦5年(951年)の造立と考えられる。
木造十一面観音立像(本堂安置)の造り
文化庁の詳細解説によると、木心を中心に籠めた一材から頭体の根幹部を彫り、背後から大きく内刳りを施す。表面は錆下地の漆箔とする。頂上面からの像高は258.0センチメートル(曲尺で八尺五寸一分)で、文献の「一丈」は髪際高で周一丈にあたる。
頭上面の配置は、髻の基部に五、地髪部に五、化仏を正面の菩薩面の背後とする通例と異なるもので、『覚禅鈔』に記された観世音寺講堂の十一面観音像と同じである。現状では両手に持物はないが、左手に蓮華、右手に数珠を持っていたと考えられる。
木造十一面観音立像(本堂安置)の見どころ
文化庁は、一木造の常として大きな動勢を控えつつも腰や股間のくびれは強く、目鼻や衣文の彫りは浅く、和様表現の模索期にあたる10世紀半ばの作風をよく表しているとしている。
文化庁によると、9世紀末から10世紀初めの重厚さを引き継ぎつつ軟らかみを加えたこの像は、10世紀半ばの基準作であり、やがて登場する康尚による和様の前段階として重要な意義をもつ、10世紀の彫刻を代表する作品である。
木造十一面観音立像(本堂安置)の見学方法
六波羅蜜寺によると、開門は午前8時30分、閉門は午後4時30分である。宝物館の令和館は午前9時から午後4時15分(受付は午後4時まで)で、拝観料は大人700円である。
本尊の公開の状況は、六波羅蜜寺の案内で確かめたい。問い合わせは六波羅蜜寺(075-561-6980)へ。
Q&A
- 六波羅蜜寺の十一面観音立像はいつ国宝に指定されましたか?
- 平成11年(1999年)6月7日に国宝に指定されました。
- この像はいつ造られたのですか?
- 空也が天暦5年(951年)に造立したと考えられます。
- この像の大きさは?
- 頂上面からの像高258.0センチメートルです。
- この像の頭上面の配置の特徴は?
- 通例と異なり、観世音寺講堂の十一面観音像と同じ配置です。
- この像の評価は?
- 10世紀半ばの基準作で、10世紀の彫刻を代表する作品とされます。
基本情報
| 名称 | 木造十一面観音立像(本堂安置)(もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう(ほんどうあんち)) |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市東山区ロクロ町81-1(六波羅蜜寺) |
| 指定区分 | 国宝(彫刻) |
| 指定年 | 平成11年(1999年)6月7日指定 |
| 員数 | 1躯 |
| 寸法 | 像高258.0センチメートル(頂上面から) |
| 所有者 | 六波羅蜜寺 |
| 公開状況 | 開門午前8時30分から午後4時30分 |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「木造十一面観音立像(本堂安置)」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/201/3492
- 六波羅蜜寺 公式サイト
- https://rokuhara.or.jp/
最終更新日: 2026.10.01