小社群のなかで最も小さい

若宮社の北側には小社が列をなして並び、その小社群の南端に、東を向いて日吉社が建つ。今宮神社の登録建造物のうち最も小さく、建築面積は約1.6㎡。江戸後期、おおむね18世紀半ばから19世紀初頭の建立である。

この規模では見過ごしやすいが、これほど小さな空間に何を収めているかを思うと、日吉社は少し足を止める価値がある。

極小の見世棚造

形式は一間社流見世棚造で、屋根は銅板葺。身舎の内部を前後に二分し、室境に板唐戸を開き、前室の前面には格子をたてる。

身舎は円柱に舟肘木をおき、庇は角柱の上の連三斗で桁を受け、中備に蟇股を置く。いわば社殿の作法一式を、人形の家のような小さな寸法で仕立てた社である。

登録

日吉社は平成30年(2018)3月27日、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。単独で際立つというより、境内北部の趣を形づくる小社の列の一つとして、長く続く社の重層的な景観のなかに位置づけられる。

Q&A

Qどのくらい小さい?
A建築面積は約1.6㎡で、社の登録建造物11棟のうち最も小さい。
Q見世棚造とは?
A流造の系統の極小の社殿形式。ここでは身舎を前後の室に分け、前面に格子をたてる。
Qいつのもの?
A江戸後期、おおむね18世紀半ば〜19世紀初頭。境内の明治・大正期の建物より古い。
Qなぜ登録された?
A国土の歴史的景観に寄与するため。単体の記念物としてより、境内北部の小社の列の一つとして評価される。

基本データ

名称今宮神社日吉社
所在地京都府京都市北区紫野今宮町21
指定区分登録有形文化財(建造物)/平成30年(2018)3月27日登録
登録番号26-548
年代江戸後期(およそ1751〜1830)
員数・構造1棟/木造平屋建、銅板葺、建築面積約1.6㎡
所有者宗教法人 今宮神社
交通市バス「今宮神社前」下車すぐ/「船岡山」下車 徒歩約7分
公開境内自由。境内から拝観

参考文献

国指定文化財等データベース — 今宮神社日吉社
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012200
紫野 今宮神社 公式サイト — 境内
http://www.imamiyajinja.org/guide/
京都十六社朱印めぐり — 今宮神社
https://kyoto-16sha.jp/imamiyajinja/

最終更新日: 2026.07.02