本社本殿と混同しないこと
若宮社は今宮神社境内の摂社で、その本殿は明治35年に再建された本社本殿と混同してはならない。この社殿ははるかに古く、元禄7年(1694)、元禄年間の建立である。徳川五代将軍の生母桂昌院の後援による造営期に属する。
境内中ほどの西寄りに、東面して建つ。若宮社には社の草創にかかわる神々が祀られ、愛宕の信仰につながる神や、歴代賀茂斎院(斎王)の御霊などを含む。
寄り道の価値がある屋根
建物は三間社で、その屋根がまことに珍しい。春日造の屋根を左右に並べ、棟を繋いで、上から見ると「エ」の字を成す形とする。社殿建築では稀な形で、境内全体でもっとも特徴的な部分といってよい。
正側面には榑縁を廻らせて脇障子をたて、身舎の正面各間には板唐戸をたてる。庇は総桁行を一間とし、虹梁形の桁で軒を受ける。小規模な社殿ながら、造形の工夫に富む。
登録
若宮社本殿は平成30年(2018)3月27日、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。国の記録は、その特異な形式と優美な意匠を挙げる。
前面の若宮社拝殿、周囲を画す門・透塀とあわせ、後に再建された大きな本社のなかに、元禄期の小さな神域の姿を留めている。
Q&A
- これは本社の本殿?
- 違う。これは摂社・若宮社の本殿である。今宮神社の本社本殿は境内北方に建つ別の明治35年の建物。
- 屋根はなぜ珍しい?
- 春日造の屋根を左右に並べ、棟を繋いでエ字形とする。社殿建築では稀な形式。
- いつのもの?
- 元禄7年(1694)の建立。徳川五代将軍の生母桂昌院の後援による元禄再興期にあたる。
- 若宮社に祀られるのは?
- 社の草創にかかわる神々で、愛宕の信仰につながる神や歴代賀茂斎院の御霊などを含む。
基本データ
| 名称 | 今宮神社若宮社本殿 |
|---|---|
| 所在地 | 京都府京都市北区紫野今宮町21 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物)/平成30年(2018)3月27日登録 |
| 登録番号 | 26-538 |
| 年代 | 元禄7年(1694) |
| 員数・構造 | 1棟/木造平屋建、銅板葺、建築面積約9.6㎡ |
| 所有者 | 宗教法人 今宮神社 |
| 交通 | 市バス「今宮神社前」下車すぐ/「船岡山」下車 徒歩約7分 |
| 公開 | 境内自由。境内から拝観 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース — 今宮神社若宮社本殿
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012190
- 紫野 今宮神社 公式サイト — 歴史
- http://www.imamiyajinja.org/history/
- 京都十六社朱印めぐり — 今宮神社
- https://kyoto-16sha.jp/imamiyajinja/
最終更新日: 2026.07.02