松谷家住宅大豆蔵 縦縞の外観をもつ豆の商品蔵

大崎市古川の松谷家が扱った商品のうち、豆類を納めたのが大豆蔵である。屋敷の西辺、砂糖蔵の北隣に、これと同じ南北棟で建つ。建立は明治中期、一八八三年から九七年頃で、敷地内八棟の登録有形文化財の一棟にあたる。

当家の土蔵造の蔵とは異なり、大豆蔵は木造平屋建で、屋根は鋼板葺、建築面積は約四十一平方メートル。その関心はほぼ外壁の扱いに集中しており、この一点が敷地内の他のどの建物とも異なる性格を与えている。

柱と漆喰の対比

登録は平成二十七年八月四日、他の松谷家の建物とともに、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」による。外壁は林立する柱の律動を基調とし、その柱間に白漆喰を塗込める。結果として縦方向の強い縞、木と漆喰で織った縦格子のような対比が生まれ、庭越しにも目を引く。

これは異例の選択である。多くの蔵は軸部を平滑な漆喰の被膜の奥に隠す。ここでは軸部を表に読ませ、構造をそのまま意匠へと転じている。

見どころ

妻壁に目を上げたい。ここを塞がず、重層する梁と束を見せ、構造材が意匠を兼ねるように組んでいる。積み重なる部材はそれ自体で一つの構成をなし、建物の組み立て方を率直に示す。

付庇にも目を留めたい。絵様を付した腕木と、これを受ける持送の扱いに丁寧な手が入る。簡素な木造の蔵に対してこれらの仕口に払われた配慮は際立っている。大豆蔵は個人住宅の一部のため非公開だが、縞状の外壁と見せる妻壁は、周辺の街路から読み取れる見どころである。

Q&A

Q大豆蔵は何に使われたのか。
A豆類を納めた蔵で、松谷家が扱った食品の一部を収めた。名称のとおり豆の商品倉庫である。
Qなぜ外壁が縞に見えるのか。
A林立する柱を見せ、その柱間に白漆喰を塗込めるためである。縦格子のような対比を生み、蔵としては異例で、敷地内でも際立つ外観となっている。
Q他の蔵との違いは。
A砂糖蔵や文庫蔵のような土蔵造ではなく、木造平屋建である。軸部を隠さず表に見せる点が特色である。
Q見学できるか。
A個人住宅の一部のため非公開である。外観は周辺の街路からうかがえる。

基本情報

名称松谷家住宅大豆蔵(まつやけじゅうたくだいずぐら)
所在地宮城県大崎市古川七日町15-1
指定区分登録有形文化財(平成27年8月4日登録)
登録番号04-0107
員数1棟
構造木造平屋建、鋼板葺、建築面積約41㎡
年代明治中期(1883~1897)/昭和53年・平成26年改修
公開状況個人住宅のため非公開

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)— 松谷家住宅大豆蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010545
大崎市 — 国登録文化財
https://www.city.osaki.miyagi.jp/shisei/soshikikarasagasu/kyoikuiinkaijimukyoku/bunkazaika/4/1/3402.html
松谷家住宅 — ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/松谷家住宅

最終更新日: 2026.07.02