巣山家住宅とは
巣山家住宅は、長野県塩尻市木曽平沢にある漆器製造の家の屋敷で、昭和8年(1933年)に上棟した主屋と東西2棟の土蔵の計3件が、平成12年(2000年)12月4日に国の登録有形文化財(建造物)となった(文化庁)。3件とも「造形の規範となっているもの」として登録され、所有者は酒井産業株式会社である。
文化庁の解説によれば、木曽路の平沢は奈良井宿の北に続く集落で、巣山家は代々漆器の製造に携わってきた。読みは「すやまけじゅうたく」。
屋敷の構成
通りに面して平入・2階建の主屋が建ち、その奥に庭を挟んで、敷地の中央に東土蔵が建つ(文化庁)。西土蔵は東土蔵と通路を挟んで並び、2棟には一続きの鉄板葺の屋根が架かる。
東土蔵は「シモノクラ」と呼ばれて什器などを納めてきた蔵で、棟木の墨書から昭和7年(1932年)の上棟とわかる。西土蔵は「カミノクラ」と呼ばれ、もとは穀物の蔵だった。棟木には明治32年(1899年)上棟の墨書が残るが、昭和初期に今の場所へ移されたもので、文化庁の解説では工房として使われているとされる。
主屋と東土蔵がほぼ同じ時期に建ち、古い蔵を移して脇に据えた、という順で屋敷が整えられたことになる。各棟の構造と見どころは、それぞれのページで扱っている。
漆工町・木曾平沢の屋敷構え
巣山家住宅のある木曽平沢の集落は、平成18年(2006年)7月5日に「塩尻市木曾平沢伝統的建造物群保存地区」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された(塩尻市)。種別は漆工町で、塩尻市は重伝建地区で唯一の漆工町としている。
文化庁と塩尻市の資料によれば、この町は江戸時代から日常の什器を主とする漆器業で栄え、中山道沿いに漆器店が軒を連ねる。短冊状に割られた敷地の通り側に主屋を建て、中庭を介して奥に漆塗りの作業場である塗蔵や付属屋を連ねるのが、町の屋敷の基本形である。
巣山家住宅も、通りの主屋、奥の庭、その先に並ぶ土蔵という同じ順に棟が並ぶ。工房として使われる西土蔵を含め、漆器づくりの家の敷地がどう使われてきたかを3棟で追うことができる。
見学について
巣山家住宅は会社が所有する建物で、内部の公開について公的な案内は確認できなかった。見学は通りから外観を眺める形になり、敷地には立ち入らないようにしたい。土蔵2棟は主屋の奥に建つため、通りからの見え方は確かめられていない。
最寄りはJR中央本線の木曽平沢駅で、塩尻市観光協会によれば町並みは駅を降りてすぐである。巣山家住宅までは、地図上の直線距離で駅から北西へおよそ120メートル。車の場合は「うるしの里広場」の駐車場を使い、町並みまでは徒歩3分ほどとされる。
参考文献
- 巣山家住宅主屋(国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00002035
- 巣山家住宅東土蔵(国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00002036
- 巣山家住宅西土蔵(国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00002037
- 塩尻市木曾平沢(塩尻市公式ホームページ)
- https://www.city.shiojiri.lg.jp/site/bunkazaihouhou/29587.html
- 保存地区の概要 塩尻市奈良井・木曾平沢(文化庁)
- https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/hozonchiku/pdf/94428201_39.pdf
- 木曽平沢(漆工町/国選定重要伝統的建造物群保存地区)(塩尻市観光協会)
- https://tokimeguri.jp/guide/kisohirasawa/
最終更新日: 2026.10.19
基本情報
| 名称 | 巣山家住宅 |
|---|---|
| 所在地 | 長野県塩尻市大字木曽平沢字西町1561-1 |
| 所有者 | 酒井産業株式会社 |
| 指定 | 登録有形文化財 3件 |
| 座標 | 35.97936, 137.83017 |