内野家住宅石段とは

内野家住宅石段は、長崎県平戸市岩の上町の旧城下の武家屋敷地にある江戸後期(1751〜1829年)の石段で、平成17年(2005年)に登録有形文化財に登録された。

内野家住宅石段は、敷地の東側を南北に通る道路から、主屋の玄関前に立つ門柱までを結ぶ。幅員3.6m、長さ3.6mの直線の石段で、段数は10段、面積は13㎡ある。途中で折れたり踊場を設けたりせず、道路から門柱へまっすぐ上がる。

踏み段の中央部には、幅33cm、厚さ15cm、長さ130cmほどの砂岩の切石を2〜3個並べ、両端には形を整えない自然石を据えている。加工した石と自然のままの石を一段のなかで使い分けた構成である。

内野家住宅石段が登録された理由

内野家住宅石段の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁は、両側の石垣や塀、生垣とともに平戸の武家屋敷の面影を残すものと評価している。

平戸の旧城下の武家屋敷は、道路より一段高い敷地に建ち、石段で通りとつながるものが多い。石段は道から屋敷へ入る最初の場所であり、屋敷の格がまず表れるところでもある。内野家住宅石段は、その入口の姿を江戸後期から保ってきた。

敷地の他の部分との関係も大きい。主屋と煉瓦塀は大正15年(1926年)に建てられ、門柱もその頃に造り直されたとされるが、石段は手を入れられずに残った。屋敷の表構えのなかで、江戸の形をもっともそのままとどめている部分の一つといえる。

内野家住宅石段の見どころ

まず踏み段の中央と両端を見比べたい。中央の砂岩は長さ130cmほどの細長い切石で、角を立てて平らに据えられている。両端の自然石は大きさも形もまちまちで、切石の列を左右から押さえる役を果たしている。

寸法から段の形も読める。長さ3.6mを10段で割ると、1段の奥行きはおよそ36cmになる。切石の幅33cmとほぼ一致するので、中央部では切石1本の幅がそのまま一段の踏み面になっていると考えられる。段の高さも、切石の厚さ15cm前後とみてよいだろう。

砂岩は比較的柔らかい石で、長い年月のあいだに表面が摩耗しやすい。踏み面の角の丸みや色の違いに、人が上り下りしてきた跡を探してみたい。

内野家住宅石段の見学方法

内野家住宅石段は道路から見ることができるが、石段そのものは個人の住宅の敷地の一部である。上り下りはせず、道路の端から眺めてほしい。門柱から奥は住まいで、内部も庭も通常は公開されていない。

撮影は道路上から外観を写す範囲にとどめたい。石段を正面から撮るなら、道路の向かい側に立つと10段と門柱が一枚に収まる。庭の特別公開の経緯や敷地までの行き方は、内野家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q内野家住宅石段はいつ造られたものですか?
A文化庁によれば江戸後期(1751〜1829年)のものです。大正15年(1926年)に主屋が建て替えられた後も、石段は江戸の形のまま残りました。
Q内野家住宅石段はどのような石で造られていますか?
A踏み段の中央に長さ130cmほどの砂岩の切石を2〜3個並べ、両端に自然石を置いています。
Q内野家住宅石段の大きさは?
A幅員3.6m、長さ3.6mの直線の石段で、10段、面積は13㎡です。
Q内野家住宅石段は上ってもよいですか?
A上らないでください。石段は個人の住宅の敷地の一部で、道路から眺める形での見学になります。
Q内野家住宅石段が登録有形文化財になった理由は何ですか?
A「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として2005年に登録されました。両側の石垣や塀、生垣とともに平戸の武家屋敷の面影を残す点が評価されています。

基本情報

名称内野家住宅石段
所在地長崎県平戸市岩の上町1165-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年2005年2月9日(平成17年)登録
員数1所
寸法面積13㎡(幅員3.6m、長さ3.6m、10段)
所有者個人(文化庁データベースに所有者名の記載なし)
公開状況道路から外観のみ(石段は私有地のため立ち入り不可)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)内野家住宅石段
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004679
文化遺産オンライン 内野家住宅石段
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/195679
国指定文化財等データベース(文化庁)内野家住宅門及び塀
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004678
文化庁 登録有形文化財(建造物)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/toroku_yukei.html

最終更新日: 2026.10.06